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Laufey "Letter To My 13 Years Old Self"、または僕らがもう少し愛について上手く話せること
アイスランド人の父と中国人の母の間に生まれ、10代の頃からテレビのオーディション番組などで母国メディアから注目されバークリーで学んだシンガー・ソングライターであり、ピアノ、ギター、チェロをあやつるマルチ奏者でもある才女Laufeyの2ndフルアルバム『Bewitched』が素晴らしい。
幼い頃から親しんできたエラ・フィッツジェラルドなどのジャズ、著名なヴァイオリニストを祖父にもつ母方からのクラシ
boygenius “Not Strong Enough”、天使のままで生きること
「同性婚によって社会が変わってしまう? おー、いいじゃん、いいじゃん、変えたれ!こっちは社会を変えることを目的にしてるんだから!」Phobe Bridgers
1st EPから5年。Julian Baker、Lucy Dacus、Phobe Bridgersによるトリオboygenius待望の1stフルアルバム『the record』がリリースされた。
Pitchforkに代表されるインディ・
Son Lux, David Byrne and Mitski "This Is A Life"、または可能性という名の道が幾つも伸びてるせいで起こること
開巻、仄暗いリビングに置かれた丸い小さな鏡に、楽しそうに揺れる人影が映っている。
慎ましやかな音楽の波長と合わせて徐々にカメラがズームアップしていくと、どうやらアジア系の家族が3人、マイクを握り歌っている。
そんなふうに、これから始まるマルチ・ヴァースの物語を鏡で見事に表象したオープニングから、「永遠の重さと光の速さで」2時間20分を語りきる、アイデアと技巧とプリミティブなギャグに満ちたプロフェ
Whitney "For a While"、祝祭が見たい僕ら
シカゴのフォーク・ロック・バンドWhitneyの新曲『For a While』がリリースされた。
ドラムスのJulien Ehrichがヴォーカルを取る、The BandのLevon Hoimを思わせるスタイルに各楽器の弦の震え、軋むリヴァーヴ、ブレスする口元が見えてくるようなバンド・アンサンブル、ニール・ヤングやボン・イヴェール的ハイトーンが地元シカゴのミシガン湖に育まれた幽玄性を醸す2016
boygenius "True Blue"、別離の予感への抵抗について
ROLLING STONE最新号において、Nirvanaのアイコニックな表紙を再現したboygenius。美しい蒼い瞳に長いブロンドのフィービー・ブリジャーズによるカート・コベインはもちろん、ウェーヴがかったブラウンヘアに野生的な顔立ちのデイヴ・グロール=ジュリアン・ベイカー、そしてもう何もかもそっくりなクリス・ノヴォセリック=ルーシー・ダッカス。三者三様にハマりまくったパロディは、世界中で幅広い
もっとみるBonnie Raitt "Just Like That" のグラミー受賞に向けられた悪意に寄せて
日本時間2月6日に催された、第65回グラミー賞。賑やかに華やかに行われたショウタイム終盤、主要部門の1つ、Song of the year発表において会場及びSNS界隈がどよめいた。
ボニー・レイット、『Just Like That』。
大きな瞳をさらに大きく見開いた73歳の大ヴェテランは、受賞スピーチでも閉会後のプレス・カンファレンスでも、無邪気な喜びと配慮、慈しみに満ちたスピーチを披露。そ
Death Cab for Cutie "Pepper"、または『(1460)日のサマー』について
四半世紀をこえるキャリアにおいて、同時多発テロ以降の混迷するアメリカに生きることを鋭くかつ詩的に表現した歌詞と、激しさと美しさを折衷した絶妙なバランスのバンド・アンサンブルで第一線を走り続けるDeath Cab For Cutieが、昨年9月にリリースした記念すべき10枚目のフル・アルバム『Asphalt Meadows』から、人気曲『Pepper』のアコースティック・ヴァージョンをリリースした。
もっとみるThe Snuts “Glasgow” 、熱くて不器用な優しさ
先日、Summersonic2023の第一弾ラインナップが発表された。ケンドリック・ラマーのインパクト、ブラーとリアム・ギャラガーという集客アピールと20数年前の文化的歴史的価値に目配せした並び、英国注目株を抑えたFLOにGabriels。国内からは今まさに音楽的最高潮にあるジャパニーズ・ポップスの化身Official髭男dism…と通し券購入を即決せざるを得ない素晴らしいラインナップの中、最後に
もっとみるペドロ・アルモドバル『ヒューマン・ボイス』(2020)と、バレンシアガとAir Podsと、ジャン・コクトーと
70歳を迎えた2019年、『ペイン・アンド・グローリー』で、ともに激動のキャリアを刻んで来たアントニオ・バンデラスを主演に、自らの人生とバンデラスのキャリアに落とし前をつけてみせたペドロ・アルモドバルが次に選んだのは、かねてその作品から多大なる影響を受けてきたジャン・コクトーの戯曲『人間の声』の映像化だった。
ピナ・パウシュのコンテンポラリー・ダンスを至高の手捌きで極上のメロドラマ世界に編み込ん