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失われしドットの字を求めて
また、ゲームにハマっています。任天堂やスクウェア・エニックスなどの大手ゲーム会社によるタイトルは安定して面白いのですが、個人であったり、少人数のチームが手がけた所謂「インディーゲーム」を漁っていると、美意識の結晶のようなビジュアル表現に出会えることも。自分だけがこの感動を味わえているんじゃないかという気がして嬉しいんです。
インディーゲームとドットの字
私がこれまでにプレイしたインディーゲームの
「書体とは〇〇である」って、言えない
「書体とは声である」太いゴシック体が与える印象を〈重厚〉〈大声〉〈力強い〉などと説明されて大多数の人が共感できるのは、文字のデザインに関心がなくとも、無数に存在する書体それぞれの特徴を手がかりに声色を想像できる感受性を、誰しも持ち合わせているからだ。
「書体とは声である」という言葉は、書体デザイナーやグラフィックデザイナーが、一般の方に書体の存在意義を伝える際の常套句だ。映画監督が作品に合った俳
文字の内側から湧いてくるもの
建築空間に文字やピクトグラムを配置し、来訪者を案内するのがサインデザイナーの主な仕事だが、ゴミ箱や傘立てなど、施設を運営していくうえで欠かせない設備の見た目をサインと統一していくために、形状から考えることもある。
文字の位置や大きさをコントロールすることで人の目線を誘導するのは、グラフィックデザイナーが日常的に行なっていることだ。その感覚をサインデザインに活かせる部分は多いのだが、ゴミ箱や傘立て
神を細部に宿しすぎ問題
PCを使ってデザインするほとんどの時間、私たちは拡大または縮小された状態のものを見ている。
B1サイズのポスターのように大きなものはPCの画面内に収まりきらないので、全体を見渡すには縮小表示せざるをえない。名刺のように小さなものは原寸で表示しても画面に収まるけれど、ディテールを調整するために拡大表示することがある。全体と細部の間を往復しながら拡大と縮小を繰り返す。すると、いつのまにか本来のサイズ