マガジンのカバー画像

家族

14
運営しているクリエイター

記事一覧

小さな花が好きなのはー

小さな花が好きなのはー

キョロキョロして、あれこれと次々に興味を持ってしまうところは、子どもの頃から今まで全く変わらない。と言っても、なんでもかんでも見ているわけではなく、視界に入って見えていてもまったく記憶に残らず素通りのものと、ぼーっとしながらもそれだけはじっくりと味わって、その後もずっと頭の中に残るものがある。

自然が好きだ。空、雲、山、川、湖、海、小さな池、森、樹木、草花、そこに暮らしている生き物たち。山歩きを

もっとみる
面影さがし

面影さがし

近頃は、フォトアルバムがご親切にも「何年前の今日」やら、「〇〇さんとの思い出」などという写真を見せてくれる。暇に任せてチラッと開いてみると、家族旅行の思い出や小さい頃の子どもの写真、猫たちの仔猫時代などにほっこりさせてもらうこともある。

そんなふうに、忘れかけていたその時代の姿をはっきりと画像でみせてもらいながら、思い出や記憶の輪郭を薄れさせないようにしていくことができる文明の利器には感謝しきり

もっとみる
どういう風の吹きまわしか

どういう風の吹きまわしか

海外留学中の娘は用事が無い時には連絡して来ない。これは当たり前。では、用事がある時というのは?TOP3は、1位:欲しいものがある時、2位:頼みごとがある時、3位:相談ごとがある時、となっている。

コロナ禍で授業がリモートになることが多く、さらに長期休暇でも帰国も旅行も出来ず、暇を持て余した時に、番外編で、ただしゃべりたいだけ、というのもあったりして、嬉しい。そしてこのたび、さらに嬉しいことがあっ

もっとみる
もう一人の父の話

もう一人の父の話

両親が結婚する以前からの父の友人で、私がまだ幼稚園の頃には来日、家族で箱根や富士山を案内したことが当時の日記帳に書いてある。高校から大学時代には、留学するたびにその家でお世話になり、my English parentsと呼んでいる夫妻がいる。息子が2人のその家族は、私を日本の娘だ、と言って可愛がってくれた。その英国人の母の強烈なキャラクターについては、また別の機会にして、今日は、父と呼ぶ人のことを

もっとみる
子育て(後編)

子育て(後編)

(前編・中編)を読み返してみて、願いが叶って「子育て」をさせてもらえることになり、それがどれほど嬉しかったを繰り返し言葉を変えながら書いているに過ぎないことに気づいた。その伏線としては、水を得た魚のようだわ~と気持ち良く仕事をしていた若かりし日々、紆余曲折ありながらも3度婚約2度結婚(すなわち破局したり離婚したりもするわけだが☜わざわざ言わなくてもよい!)し、取り組みたかった分野の会社を作り、そこ

もっとみる
子育て(中編)

子育て(中編)

(前編)のように、30代から40代半ばまでを駆け抜けた。子育て視点では、駆け抜けた、が一番しっくりくるが、その間、自分はなんのために生まれて来たのか視点では、苦悶の時代だった。20代は、学問とそれにつながる分野で仕事を得て、やってみること全てが新しく、自分が成長し、取り組んでいること全てが発展していっているという実感があった。

30代前半は、なんだか頭の中がうにゅうにゅしていた。サラリーマンを辞

もっとみる
子育て(前編)

子育て(前編)

人は誰しも一度くらいは、自分が生まれて来たことの意味を考える時期があるだろう。そして、答えなんて無い、または答えは一つじゃないということに気づく。なんて言ってしまうと、元も子もないので、私の場合というのを思い出しながら「子育て」について記録しておこうと思う。

30代前半、子どもを育てたい欲がマックスになっていた。そんなに子どもを産んで育てたいのだったら、もっと早くに結婚するなり、すぐに産もうと努

もっとみる

料理は生き様

留学先にいる娘とチャットしていた。夏休みに帰国したら何をする、というような他愛のない話をしていたときに、料理がしたいな、基本的なものでいいから、というので、また一緒に色々作ろうね、と書いて、「料理はその人の生き様だからね」と続けた。深く考えたわけではなかったが、日頃からそのように思っていて、娘に伝えたいと思った途端に一言に集約されたようだ。

人世、というと大袈裟に聴こえるが、実際、人がどう生きる

もっとみる
奪われたものと与えられたもの

奪われたものと与えられたもの

今年の2月、あちらの国で新型コロナウィルスがそう呼ばれる前の状態で蔓延し始めていた頃、まだギリギリ大丈夫でしょう、という見切り発車で、ベトナムのダナンを旅行した。クアラルンプールからダナンに向かった機内では、マスクは当然のことながら、トイレに立つ時は手袋までして、細心の注意を払って移動。現地についてからも、食器など直接触れるものは、除菌してから使い、観光のバスではマスクを外さないなどの対策をし始め

もっとみる
留学⇒客観視

留学⇒客観視

留学って、なんで留学というの?と思い続けて、早ン十年。そこに留まって学ぶ?なんとなく、わざわざ外に出て行って勉強してくるのにそぐわないな。と思いながら。自分の出身地から離れた場所・国にしばらく留まって勉強すること、なのだろうけれども。それはさておき、何のために留学するのか?

日本人目線で考えると、古くは、海によって地政学的に隔たれていて、外交や通商の扉が閉ざされていた先進国に優秀な人材を送り出し

もっとみる
私の背骨のはなし その6は番外編

私の背骨のはなし その6は番外編

40代は、マレーシアでの3度の引っ越し、4軒の家での生活、途中から家族になって早5年になろうかという三猫士とともに過ぎた。戌年生まれで、もともとは犬が大好き。15歳の時、学校帰りに地元の東急ハンズに何度も通い、親も説得し念願叶って、自分のお小遣いで、今でいう譲渡のような形で1000円(男の子は2000円、女の子は1000円だった記憶)で買ってきた雑種の子は、あとちょっとで20歳というところまで長生

もっとみる
2020年(令和2年)の夏休み

2020年(令和2年)の夏休み

季節が猛スピードで流れていく。まだ春と言えるうちに帰国し、14日間の自宅での自主検疫をしながら梅雨入りしたなと思ったら、娘も帰国。わが家の夏休みの始まりだった。まずは彼女も14日間の自主検疫Stay Home。生まれて一番長く鬱陶しい梅雨を経験し、梅雨明けした途端に、アブラゼミの大合唱の中、立秋。今年は、もう後半戦。9月に入れば、秋の声が聴こえてくるのだろう。

大きな流れとしては、新型コロナウィ

もっとみる
妹

私の妹は、5歳年下だ。その妹の前に生まれた妹のときは、自分がまだ小さかったこともあり(と言っても、その時はそんなことは考えていなかったが)、「おめでとう、かわいいね」と言われる赤ちゃんに対する焼きもちから、出産祝いの品をゴミ箱に捨てたり(☜かなり悪い!屈折した子ども!)、なんとなくライバル心を持っていた感覚は残っている。しかし、その子が夭逝したため、数年後に生まれてきたのが、今の妹だ。

自分から

もっとみる
子ども

子ども

私は、自分中心でものを考える傾向が強い。人から、優しいね、親切だね、と言ってもらえるとすれば、それは、自分がしたいことをしているに過ぎないからです、ということになる。憎たらしいので、そのようには口に出して言わないけれども。そうすることで自分が嬉しい気持ちや楽しい気持ちになることを率先してやっているのだ。自らを犠牲にして人のため、という精神は、持ち合わせていないし、そもそもあまり好きではない。

もっとみる