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スウェーデン在住歴9年の30代。抑うつ状態になりやすい体質の改善にいよいよ西洋医療に頼…

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スウェーデン在住歴9年の30代。抑うつ状態になりやすい体質の改善にいよいよ西洋医療に頼って試みた過程を「北欧メンタル治療日記」に綴っています。現在はゲーム開発に携わるプログラマーの端くれ。

マガジン

  • 北欧メンタル治療日記

    スウェーデンで受けたカウンセリングと自身の変化過程の記録。日本で生きづらさを感じているどなたかの元に届いて、何かのきっかけやインスピレーションになればいいなと願い綴っています。

  • いつかフリースクールをつくるための糧

    スウェーデン社会で学んで働いてきた自分だからできるフリースクールをいつか日本につくりたい。それをできるだけ具体的な目標にしていくために、福祉や教育について綴ります。

記事一覧

自立してより感じる性別違和

スウェーデンに住んで丸9年、パートナーと別れてここで一からやり直して6年。当初は貯金を切り崩しながら、部屋を間借りし、できる仕事はなんでもやって、専門学校に入学…

アル
9日前
4

フリースクールをつくって具体的に何を成したいのか、ぐらいはそろそろもっと真剣に考えないとな、と…手あたり次第本を読んだり、ゲームに明け暮れたりで、考えを文字に起こす作業を怠っている。楽しきことは良き、精神にも良き、だけど、身を削る表現や目標がないと生きる意味を見失う性分なのだ。

アル
2週間前

「オヤカク」に背筋も凍る

いつものようにNHKニュースのヘッドラインをチェックしていて目に泊まった「オヤカク」「保護者が就活に」という見出し。その字面だけで日本社会の歪みがひしひしと表れて…

アル
2か月前
3

なんだか毎年この時期に辛いことが起きがちなのだけど、挑戦して失敗して諦めるところは諦めて、失敗から気付いたことをもとにまた軌道修正して準備し直して違うスタートラインに立つ。人でも物でも、それを繰り返さないとより良くなっていかないものなのだよな…と、すり傷が癒えてまた立ち上がる今。

アル
3か月前

薬をやめた後の自分との向き合い方

抗うつ剤セルトラリンを完全にやめてから5カ月ほどが経ち、初めての秋冬を迎えました。やめてからも日々の気分や体調の移り変わりを手帳に記録し続けているのですが、やは…

アル
5か月前
3

フリースクール支援と本来の学校の存在意義

滋賀県東近江市長の問題発言でスポットライトが当たったフリースクール支援。「不登校の大半は親の責任だ」という発言が一番問題視されているようだ。切り取られた発言を見…

アル
6か月前
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発達障害は本当に増えたのか?

ここ数年、子どもか大人かに関わらず、何かしら伝達に難があったり、著しく協調する力に欠けていたりすると、まず「発達障害」を疑うことが一般的になりつつあるように思い…

アル
8か月前
2

抗うつ剤をやめて落ち着いてから更に一ヶ月弱経った今、元々の自分が持っていた軽い躁鬱や気分の浮き沈みが戻ってきたように感じます。ただ、それによって自分の芸術的感覚や良い意味での繊細さも戻ってきたので、自分らしさってすごく難しい…!それでもコントロールは少しうまくなったと思います。

アル
9か月前

薬をやめると決めたなら

トータル二年ほど服用した抗うつ剤、セルトラリン。経済状況や生活環境が落ち着いて楽しく暮らせるようになったことを機に、いよいよ薬を手放す方向で日々のルーティンを見…

アル
10か月前
4

子どもみたいな屁理屈がウケる子どもみたいな社会で

先月6月はプライド月間で、こちらスウェーデンの第二都市でも色々なイベントや啓発運動が催されました。首都ストックホルムのプライドイベントは例年8月に行われ、今年も…

アル
10か月前
2

山を越えたからこそ見える新しい道

うつと自分の性格とできるだけ正面から向き合って、薬とカウンセリングによる治療にも前向きに取り組んで、約二年が経とうとしています。当初を振り返れば、まあ酷い状態で…

アル
10か月前
3

環境を変えられないときは薬に頼って良いと思う

新しい部屋、新しい町に住み始めて一ヶ月半ほどが経ちました。スウェーデンに移って8年、これまでずっと間借り生活で、やっとやっと!自分で自分のアパートを契約すること…

アル
1年前
5

嵐のような日々が過ぎ、念願の新居に引っ越しました。写真は部屋の窓から見える夕焼け。抗うつ剤を続けてちょうど一年、これを機に薬の量を減らし始めました。前回は急に減らし過ぎて失敗したので、今回はかなーり緩やかに減らして行きます。またそれについて詳しく書けたらと思います。

アル
1年前
1

気づけば年が明けたどころか3月ではないですか…4年ぶりに日本で正月を過ごし、1月半ばにスウェーデンに戻って来て、それからそんなに経ったかな…良くも悪くも余裕がないですが、noteを忘れた訳ではありません。もう少し落ち着いたらぽつぽつ書き始めたいなと思います。

アル
1年前
3

必要なのはやる気より覚悟

気づけばすっかり秋。これからまた寒く暗くなっていくスウェーデンですが、まずは私の一番好きなこの季節の空気を存分に味わっています。 先日の選挙の結果、政治は少し保…

アル
1年前
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初めてスウェーデンの選挙権をもらいました。永住権を持っていれば、外国籍の人は日本で言う市と県の議員に投票でき、国政はスウェーデン国民にのみ投票権があります。多様な人々が暮らすからこそ、より良い環境のために多くの意見を取り入れる、この国のその姿勢にはいつも尊敬の念を抱きます。

アル
1年前
1
自立してより感じる性別違和

自立してより感じる性別違和

スウェーデンに住んで丸9年、パートナーと別れてここで一からやり直して6年。当初は貯金を切り崩しながら、部屋を間借りし、できる仕事はなんでもやって、専門学校に入学できてからはコロナ禍、スウェーデン語での授業に必死で食らいつき、卒業して就職、昨年やっと自分で自分のアパートを契約するに至り、今やっと胸を張って「自立した」と言えるようになりました。それでも生まれ持った性質と育ちのせいで、ここまで努力を重ね

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フリースクールをつくって具体的に何を成したいのか、ぐらいはそろそろもっと真剣に考えないとな、と…手あたり次第本を読んだり、ゲームに明け暮れたりで、考えを文字に起こす作業を怠っている。楽しきことは良き、精神にも良き、だけど、身を削る表現や目標がないと生きる意味を見失う性分なのだ。

「オヤカク」に背筋も凍る

「オヤカク」に背筋も凍る

いつものようにNHKニュースのヘッドラインをチェックしていて目に泊まった「オヤカク」「保護者が就活に」という見出し。その字面だけで日本社会の歪みがひしひしと表れているような気がして、早速記事を読んでみた。

オヤカクとは

親確。就職活動において、企業が学生に内定を出す際に、保護者の確認を事前に取っておくこと。子どもの内定企業から保護者に内定への賛否の問い合わせの電話が来たり、「入社誓約書」などの

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なんだか毎年この時期に辛いことが起きがちなのだけど、挑戦して失敗して諦めるところは諦めて、失敗から気付いたことをもとにまた軌道修正して準備し直して違うスタートラインに立つ。人でも物でも、それを繰り返さないとより良くなっていかないものなのだよな…と、すり傷が癒えてまた立ち上がる今。

薬をやめた後の自分との向き合い方

薬をやめた後の自分との向き合い方

抗うつ剤セルトラリンを完全にやめてから5カ月ほどが経ち、初めての秋冬を迎えました。やめてからも日々の気分や体調の移り変わりを手帳に記録し続けているのですが、やはり精神状態の浮き沈み、振れ幅は大きくなったと思います。ただ、今は薬でホルモンバランスを制御していた頃の自分の状態を知っていて、カウンセリングや独自に勉強して得た知識もあるため、落ち込んでいる時の自分を客観的にとらえることができるようになった

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フリースクール支援と本来の学校の存在意義

フリースクール支援と本来の学校の存在意義

滋賀県東近江市長の問題発言でスポットライトが当たったフリースクール支援。「不登校の大半は親の責任だ」という発言が一番問題視されているようだ。切り取られた発言を見るだけでは意図を正しくは測りかねるし、子どもの不登校に親の影響があることは、全てではないにしろ事実ではある。正論だとしても思いやりのない発言のし方は不和や誤解を招き、リーダーとしての素質を疑われる行為なので、市長は叱られるべくして叱られてい

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発達障害は本当に増えたのか?

発達障害は本当に増えたのか?

ここ数年、子どもか大人かに関わらず、何かしら伝達に難があったり、著しく協調する力に欠けていたりすると、まず「発達障害」を疑うことが一般的になりつつあるように思います。それは発達障害のある人間が増えたからなのでしょうか?

私個人の感覚では、今の世で「発達障害」と言われるような行動を取る人は昔からある一定数いて、それが今までは特に大きく問題にはならなかったのが、最近になって「問題」として取り上げられ

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抗うつ剤をやめて落ち着いてから更に一ヶ月弱経った今、元々の自分が持っていた軽い躁鬱や気分の浮き沈みが戻ってきたように感じます。ただ、それによって自分の芸術的感覚や良い意味での繊細さも戻ってきたので、自分らしさってすごく難しい…!それでもコントロールは少しうまくなったと思います。

薬をやめると決めたなら

薬をやめると決めたなら

トータル二年ほど服用した抗うつ剤、セルトラリン。経済状況や生活環境が落ち着いて楽しく暮らせるようになったことを機に、いよいよ薬を手放す方向で日々のルーティンを見直しました。

前回、薬を飲むのは良くないという偏見が抜けきらない状態で、焦って唐突に服用をやめてしまい大変な目に遭ったため、今回はかなり慎重に自分の健康状態と相談しながら進めていきました。

50mgだった容量をまず25mgに減らして一カ

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子どもみたいな屁理屈がウケる子どもみたいな社会で

子どもみたいな屁理屈がウケる子どもみたいな社会で

先月6月はプライド月間で、こちらスウェーデンの第二都市でも色々なイベントや啓発運動が催されました。首都ストックホルムのプライドイベントは例年8月に行われ、今年もきっと盛大に開かれることと思います。

最近は日本でも多様性を受け入れる動きが目に見えて表れていますね。こちらの図書館のアカウントがあると「Pressreader」というアプリを無料で利用できることを知り、その中に毎日新聞も含まれているので

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山を越えたからこそ見える新しい道

山を越えたからこそ見える新しい道

うつと自分の性格とできるだけ正面から向き合って、薬とカウンセリングによる治療にも前向きに取り組んで、約二年が経とうとしています。当初を振り返れば、まあ酷い状態でした…今の自分との違いを思うと、うつとは本当に「体」の「病気」なのだなと実感します。そして育ちによってできてしまった認知の歪みや生き方の傾向も、変わりたいという強い想いがあれば少しずつ変えていくこともできる。大事なのは、その「変わりたい」と

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環境を変えられないときは薬に頼って良いと思う

環境を変えられないときは薬に頼って良いと思う

新しい部屋、新しい町に住み始めて一ヶ月半ほどが経ちました。スウェーデンに移って8年、これまでずっと間借り生活で、やっとやっと!自分で自分のアパートを契約することができました。独りで一からやり直して5年、たくさんの友達、好きな仕事を得て、念願の自分の城を手にすることが叶い、未だに少し夢のような気分です。

自分で選んだ新しい家具やセカンドハンドで見つけたときめくもの、植物(お世話が楽で見た目も好きな

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嵐のような日々が過ぎ、念願の新居に引っ越しました。写真は部屋の窓から見える夕焼け。抗うつ剤を続けてちょうど一年、これを機に薬の量を減らし始めました。前回は急に減らし過ぎて失敗したので、今回はかなーり緩やかに減らして行きます。またそれについて詳しく書けたらと思います。

気づけば年が明けたどころか3月ではないですか…4年ぶりに日本で正月を過ごし、1月半ばにスウェーデンに戻って来て、それからそんなに経ったかな…良くも悪くも余裕がないですが、noteを忘れた訳ではありません。もう少し落ち着いたらぽつぽつ書き始めたいなと思います。

必要なのはやる気より覚悟

必要なのはやる気より覚悟

気づけばすっかり秋。これからまた寒く暗くなっていくスウェーデンですが、まずは私の一番好きなこの季節の空気を存分に味わっています。

先日の選挙の結果、政治は少し保守的な方向へ、つまり右に傾くことになりました。私自身、ここでは外国人。周りでは、この先外国人に対する福祉の補助や教育制度に変更があるのではと心配する声を聞きます。そもそも現時点で、スウェーデンって優しすぎるんじゃないかしら、と思うほど、他

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初めてスウェーデンの選挙権をもらいました。永住権を持っていれば、外国籍の人は日本で言う市と県の議員に投票でき、国政はスウェーデン国民にのみ投票権があります。多様な人々が暮らすからこそ、より良い環境のために多くの意見を取り入れる、この国のその姿勢にはいつも尊敬の念を抱きます。