マガジンのカバー画像

沈黙の実践

26
ティク・ナット・ハン禅僧の教えを実践いていく記録。3/1より、およそ100日間。
運営しているクリエイター

記事一覧

ブッダの掲げた花

ブッダの掲げた花

ブッダの逸話でこんな話があります。

ある瞑想の業のあと、僧侶たちの前で、ブッダがおもむろに一輪の花を掲げ、無言を貫きました。

その場のたくさんの僧侶たちは、(なぜブッダは花を掲げたんだろう?)と、その意味を必死に理解しようとしました。

そこで一番弟子のサーリプッタだけが、一人、微笑みました。

ブッダは口を開きました。
「この場で、サーリプッタだけが、この花を、なんの囚われもなく『観て』いま

もっとみる
明け方の雨

明け方の雨

明け方、空が少し明るくなって、一瞬雨が降った。

網戸をして窓を全開にしていたので、サーーという雨の音がよく聞こえた。
寝ぼけ眼で「あ、雨だな・・」と想い、空をみたら真っ白だった。

ひとしきり雨は降る。
その音が心地よく、布団で聴いていた。

そして、雨が止んだ。

シーン・・
無音。
あたりは静まり返っている。

世界は「沈黙」している。
それは、柔らかい沈黙だった。
僕は、感動していた。

もっとみる
イエスとブッダ

イエスとブッダ

この本は、今までに比がないほどに衝撃を受けている。
「小説ブッダ」からこの流れは、何か意味がある。 

今を生きる

今を生きる

ゴミを出す時に、花をつけた庭の木々が揺れて、サラサラと散っているのをみた。
よく見ると、クマバチが花粉や蜜を集めていた。クマバチは温厚で、蜜を集めるオスには針がない。
僕はそっと見守っていた。
サラサラと、花が散っていく。

日常の一分一秒をマインドフルネスに生きる。今に集中し、呼吸に戻り、この一歩、この一言、このひと噛み、この一文字に、いまを感じる。

禅の修行のように、15分ごとに鐘を鳴らし、

もっとみる
小説ブッダ、読了。

小説ブッダ、読了。

小説ブッダ。いにしえの道、白い雲。読了。上下段で450ページもある本だった。
小説といっても、ブッダの歩んで傘だ道、解いてきた教えを正確かつ、わかりやすく読み聞かせてくれる内容で、著者ティクナットハン禅師の詩人としての文面の美しさが、2500年前のインドの情景がありありとみて取れる。
著者は、経典に出てくる装飾的なブッダの「奇跡」の多くを省いたという。それゆえに、より現代の私たちにブッダの存在が肉

もっとみる
抱っこ瞑想

抱っこ瞑想

21:00。
娘(3ヶ月)を抱っこしながらゆらゆら揺れていました。
今日の娘は、1日を通して寝てはすぐ目が覚めの繰り返し。深く眠れないために、ますますぐずる。
そうして夜。息子(4歳半)を寝かしつけたあと、1時間以上揺れていました。

何も考えず、流れる思考に問わられることなく、ただ娘の体温と呼吸を感じながら揺れること。これもまた瞑想の一種だと思います。
呼吸を整えて一体となる。すると時々降りてく

もっとみる
自己表現(自我)よりも大切なこと。

自己表現(自我)よりも大切なこと。

タイトル通り。
以上!!

と終わりたいくらいですが、少し補足を。独り言にお付き合いくださいませ。

2022年9月の展覧会以降、ぽっかりと生まれた空白が、なんなのかをずっと考えてきました。
自己表現をずっと追求してきた画家人生だったと言えます。その対極にあるのが、他者表現というものでしょうか。デザインなど社会表現よりももっとミニマムで個人的な、相手の物語を紡ぎ出す絵画。
似顔絵だったり、絵画教室

もっとみる
ティクナットハン「沈黙」と空虚の真意。

ティクナットハン「沈黙」と空虚の真意。

以前noteに書いた記事。

天国のクジラを描いていることで、あらためてこの本を読んでいます。
雑念まみれ、ノイズまみれの生活が、いかに続いていたかを思い知りました。

人は沈黙を恐れます。なぜなら、静けさの中で自分に向き合うことを恐れるからです。「本当はどう生きたいのか」を考えたくないから、世の中のさまざまな雑念に取り込まれ、食べ物、見聞きする五感、印象、意識、思念、さまざまなものにとらわれてし

もっとみる
生と死からの解放

生と死からの解放

【生もなく死もない世界】
「空」とは、何もない世界というよりも、それぞれ独立した存在はありえないというのが、ティクナットハン禅師の教えだ。これは釈迦も唱えた原典的な教えに基づいている。

波に、生と死があるのか。始まりと終わりがあるのか。高い波低い波、大きい波小さい波と比べるから、苦しみが生まれる。
諸行無常、物事は常に変化していく。しかし波はどんなに変化しても、水であることには変わりない。

もっとみる
般若心経ティクナットハン

般若心経ティクナットハン

しっかりと般若心経の真髄を学ぶ一冊。ティクナットハン著書。
ずんと心に響く、心のあり方が書かれています。ただただ唱えるだけではなく、1500年続いた真理をきちんと勉強していきたいと思います。

何もない幸せ。

何もない幸せ。

聖地巡礼のことは改めて書くとして、夜寝る前に静かに思うことを、記録したいと思います。
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅を日本で行うことも、きっと大切な意味を持つのでしょう。
69日。総歩行距離633㎞。
その前は、歩行禅という業を始めて、11ヶ月で3,100㎞、日本横断満了。いろいろありましたが、根本的に思うことは「さまざまなものを手放してきた」ということに尽きるかもしれません。

もっとみる
ブッダの名言

ブッダの名言

ティクナットハン禅師の著書から、ブッダの名言がささります。

過去を思って悩むなかれ。過去はもはや過ぎ去ったもの。
未来を悩むなかれ。未来はまだ来らぬもの。
あなたの前には生きるべき一瞬があるのみ。それが現在の瞬間だ。
今この瞬間に戻り、この瞬間を深く生きよ。そうすれば解き放たれるであろう。

今、この瞬間をどう生きるか。
今。
感情に浸るのか。
五感に浸るのか。
喜怒哀楽に翻弄されるのか。
好き

もっとみる
ある少年の悩みについて

ある少年の悩みについて

ある少年が、ティクナットハン禅師に、息も絶え絶え、こう質問していました。

「僕はお父さんを許せません。何度も彼が変わるようにチャンスを与えようと、会い続けました。だけど彼は変わりません。苦しいです。それでも彼と会わなければならないでしょうか」

ハン禅師はこう答えました。相手が少年だろうが老人だろうが構わず、一人の人間として真剣に、そしてその場にいる聴衆にも向かって、話しかけました。

「相手を

もっとみる
対面の利他と背中の利他。

対面の利他と背中の利他。



今日のInstagramライブ配信で生まれた絵です。
動画はこちら👇👇

日常において、出家的に生きること。その利他的な生き方を、二つの角度からお話しされていた、佐々木教授。

自分なりに解釈しながら、🇺🇦の青と黄色を使って、絵を描いてみました。

変化の時。今大切にしていること。