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詩小説⑧『 冬の月 』

冷たい空気を吸い込み過ぎた
手の届くご馳走を食べ過ぎもした

冬の月だけが
青いグラスに反射して
あなたに贈れる言葉は見つからない

おめでとう と 遠い が
色んな意味合いを持って見せつけてくるから
居る と いらない が
空っぽに混じりながら光ってくるから

笑い話も飛んでった。

紛らせていたはずのリアルな感情
受け入れたつもりでいた,
変わらないその避け方も
最後にはやっぱり
本音を滲ませてしまうんだよ

狭い世界の中で目が合って
大きく大きく
あなたが手を広げる

どんなにすれ違いが生じても
それを一度ちゃんと
抱いたまま通り過ぎる事に
意味があるんだと信じたかった

寂しく眺める事にも慣れて
分からないように伝えては
見つからないように見つめる

すれ違いさえすれ違わなくなる頃
わたしに贈れるあなたはもういない

ただそこでそのまま
輝き、放つだけ


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