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【私がいないこの世界で】
何も変わらない。
私がいなくても
時間は進むし
人は生き続ける。
それでも、迷ってしまう。
蔓延する疫病が人々の生気を食い尽くし、罹った人間は自らを失っていく。そして元となるウイルスは、皮肉にも我々人間の手によって日々力を増幅させていた。そんな中で、私の身体に潜む兵器は世界を助けられるそうだが、私も生ける一人の人間。私如きの人生の犠牲と世界の安定を天秤にかけてしまう。
ある日ある国から極秘
孤独と対峙する毎日に
孤独の空間を浮遊する日々は
至って僕の日常だ。
友人に取り繕い
家族に偽笑を与え
仲間に見栄を張る。
誰も僕の事を正しく見てはくれない。
初対面の人間は僕の肩書きに惚れ
顔馴染みの人間は僕の嘘まみれの言葉を信頼し
親しい人間の眼には歪んだ僕の像しか映らない。
人間は僕をどんどん殺していく。
それと同時に僕は知っていた。
僕が変われば周りも変わる事を。
彼らの見る僕は僕が彼らを見ている方
生きるって、面倒だ。
生きなきゃ
生きなきゃ
生きなきゃ
生きたい
それは死が目の前に見えているから
普段、生きなきゃなんて思わない。
ただ、怠惰に、惰性に、なんとなく。
僕はやらなきゃいけない事に追われて
生活をしているだけ。
やらなきゃいけない事なんて人生あるのか?
そんな疑問さえ、浮かばないものだ。
この世に存在し息をしている以上
逃れられない社会から逸れないために
紆余曲折、試行錯誤しながら
お金と食
世界が灰色に染まる時
何も知らなかった僕は
自分の好きなように世界を彩ることができたのに。
今、目の前には灰色しかない。
鮮やかに夢や希望を乗せた未来を描くなんて
無知の特権だ。
社会を知れば知るほどに
嘘や欲やエゴといった渦に飲み込まれ
希望を絶望に変えていった。
人間を知れば知るほどに
自分も嘘と欲とエゴに塗れた人間だと気づく。
今まで清くて素直で純粋に生きてきたと勘違いしていただけで、全てはそこに尽きるの