マガジンのカバー画像

郷酒 厨房 日記

96
東京九段下/神保町にある小さな居酒屋『郷土料理と日本酒のお店 郷酒』 食べること飲むこと大好き!な料理人でもある女将が、季節の食材のストーリーと、こだわりのお酒、旬のおつまみレシ… もっと読む
運営しているクリエイター

#三陸

【365日の魚介レシピ】鮮度と下処理が肝心!!〜あん肝ポン酢&あんこう鍋〜

【365日の魚介レシピ】鮮度と下処理が肝心!!〜あん肝ポン酢&あんこう鍋〜

居酒屋メニューでお馴染みのあんこうの肝の蒸し煮、あん肝。寒くなって来ると、鮟鱇の旬、なので同時にあん肝も旬を迎えます。

既製品や冷凍品が年中出回っていますが、私は旬を大切にしたいので、旬の時期の国産の鮟鱇を肝付きで取り寄せ、そこから取り出した肝で作ることが多いです。あんこう鍋といえば、茨城の北茨城や大洗あたりの郷土料理とされていますが、意外と三陸や青森でもあんこうの水揚げがあるんです。

スーパ

もっとみる
【365日の魚介レシピ】サーモンのたたき、刺身の行者ニンニク醤油

【365日の魚介レシピ】サーモンのたたき、刺身の行者ニンニク醤油

おかげ様で、店の方はずいぶん忙しくさせていただいており、noteの更新もままなりませんでした。最近新しく入ったバイトちゃんがどハマりしているという金カムこと『ゴールデンカムイ』、私もずいぶん楽しく読みました。読んでいると、アイヌの料理や文化の勉強になり面白いし興味深いと思っています。(うちは母方が樺太出身、父方は岩手にずーっといる家系なので、アイヌや蝦夷との繋がりを勝手に想像しています。)

そし

もっとみる
【365日の魚介レシピ】旨味がジュワー♫旬の牡蠣を堪能したい!レシピ彩々

【365日の魚介レシピ】旨味がジュワー♫旬の牡蠣を堪能したい!レシピ彩々

牡蠣の旬真っ盛りです!!真牡蠣の旬とは冬が始まる12月前後〜産卵期前の4月くらいまで。冬の始めから花見の時期くらいと覚えとけば大丈夫。(岩牡蠣は夏が美味しいのでまた別ですが)

先日取り寄せた牡蠣を開けてみたところ、プリプリのパッツンパッツンでした!!

好き嫌いがはっきり分かれるほど強烈な個性と旨味の塊の牡蠣。牡蠣は身近な食材だけど、その育ち方、養殖方法は意外と知られていません。 産地として、広

もっとみる
【365日の魚介レシピ】もう『飽きた』なんて、言わせません!タラを丸ごと味わうレシピ集

【365日の魚介レシピ】もう『飽きた』なんて、言わせません!タラを丸ごと味わうレシピ集

ジェットコースターのように、緩急目まぐるしかった2021年。こんな年は初めてでしたが、過ぎてしまえばこれもまた一つの経験ですね。年末前は忙しく、noteを書く暇もなかなか取れなくなりました。

(しかも、せっかく書いても消える、写真アップできない、フリーズするなどなどどうも不具合だらけで心折れることもしばしばありまして。やっと気持ちも調子も落ち着きましたが。)

さて、先日東京にも雪が降り、寒い日

もっとみる
【365日の魚介レシピ】Ca va bien.merci !〜秋サバの味噌煮〜『鯖、威張る』

【365日の魚介レシピ】Ca va bien.merci !〜秋サバの味噌煮〜『鯖、威張る』

今日も元気だ!ご飯が美味しい!

新米の季節ですね。郷酒にもうちの弟が作ったひとめぼれの新米が届いてます。(お米の中の緑のお米、それは未熟なお米ではないそうです。緑米がちょっとあるほうが香り良く炊き上がるのだとか。絶妙なタイミングで刈られたから、だそう。一方、黒いのは、カメ(コメムシ)なので、良くないです。)

焼き魚や野菜、納豆などとともに食べる白いご飯の定食は最高です!!

お米の美味しい国に

もっとみる
おかげさまで。

おかげさまで。

これまでのご縁と繋がりに感謝します。
10年後にこんな日々を送れているとは思わなかった。

あの日の衝撃と無力感。
故郷の惨状を傍観することしかできない自分。何をしても何にもなっていない、今だって、大して、何もできていない。いや、何か役に立つ自分と思うのは驕りだとしても。

なのに。
この10年でびっくりするくらい、人との繋がり、故郷との繋がりができて、むしろ、周りに助けられて生きている。

↑私

もっとみる
【酒肴レシピ】するめいかの肝バター焼き&ホヤアヒージョ

【酒肴レシピ】するめいかの肝バター焼き&ホヤアヒージョ

ある日のメニューより。ワタまで立派なするめいかを入手したので、胴体はお刺身、塩辛にして、ゲソとエンペラは肝バター焼きに仕立てました。

☆するめいか肝バター焼きの作り方☆①するめいかの肝は周りについている内臓などをとり、薄皮のみにして、塩をまぶして半日から一晩置く。炒めるまえに、さっと酒で洗う。

②するめいかのエンペラとゲソは食べやすく細切りにする。ニンニクのみじん切り、長ネギは笹打ち切り、大葉

もっとみる
空想を頼りに。

空想を頼りに。

この自粛期間とともにちょうど山菜やたけのこの旬がやって来て、つかの間、いつもの日常を感じさせてくれています。

山菜は、初春のふきのとう(ばっけ)から始まって、タラの芽(たらぼ)、うるい、こごみ、こしあぶら、ふき、わらび、みず…と5月末くらいまで3〜4ヶ月、旬が移りながら、季節限定の味を楽しむことができます。

私は仕込みの時、手にした食材の状態を感じながら、遠い産地を想います。

↓土の香りが芳

もっとみる
清濁併せ呑む 魅惑的で繊細なウニ

清濁併せ呑む 魅惑的で繊細なウニ

攻撃的に見せかけて、とってもデリケート。漢字はゴツい。(海胆)

ウニほどミステリアスな食べ物はない。

昨今のウニブーム、なぜ人はこんなにウニが好きなのだろう。

東北には、アワビの殻に詰めて焼いた焼きウニ、牛乳ビンに詰めた生(塩)うにがあって。そんな高級品とも思わず、好奇心で向き合った子供の頃。当然その美味しさをわからなかった。

でも、ウニを食べて顔をほころばせる大人たちを見ると、いずれはこ

もっとみる
気づけばアナタの虜♡ ホヤってば

気づけばアナタの虜♡ ホヤってば

海のパイナップル、日本酒の恋人 ホヤ

地元東北、三陸の新鮮なホヤは絶品だと思うけど、なかなか万人に受け入れられにくい珍味だ。

気づけば酢の物などに入っていて、全体がもうホヤ風味、食べた後しばらくホヤ味が口に残る、子供には随分とハードルの高い食べ物だった。

なんでこんなもの大人は好きなんだろう、と思っていたのに。

大学生の時、ちょっと日本酒とか飲めるようになって、背伸びしてホヤも食べてみた。

もっとみる