ちくわ大明神@練り物に思い入れは特にない

大学院博士課程単位満了。研究テーマは『源氏物語』と和歌。 学習塾勤務を経て、現在フリー…

ちくわ大明神@練り物に思い入れは特にない

大学院博士課程単位満了。研究テーマは『源氏物語』と和歌。 学習塾勤務を経て、現在フリーランスで家庭教師をしております。 投稿は文学関係がメインになるかと思います。スポーツなども結構するため、今後ジャンルが増えるかも知れません。

記事一覧

英語の文法解説

友人に頼まれた件で、初歩的な英語の文法解説を載せていきます。なお、専門外なので間違いなどあるかもですが、教えていただけると幸いです。 一、文型  まずは英文法の…

文学作品って何だろう

文学作品に限らず、芸術作品って何だろう。とりあえず本日の話題は「文学作品ってのは抽象性を持たせることによって具体像を現前させる文字媒体のもの」って感じです。 「…

「典拠」と『源氏物語』について

お久しぶりですね。本日は「典拠」について書こうと思います。 といっても、タイトル通り『源氏物語』の中の「典拠」について書くわけではありません。そんなもん、ネタが…

文章の要約について

今回は文章の要約問題が出た時、といったテーマで書きます。文章を書く時の参考にもなるように書こうと思います。大学受験・大学編入試験向け。 「要約について」の要約す…

植物のアレコレ②

前回に引き続きコラムです。後半植物からやや離れますが、日本の文学作品における植物についてちょろっと書いていきます。 さて、「親方! 空から女の子が!」みたいなノ…

植物のアレコレ①

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる もう秋ですね。ところがどっこい、今年の夏はまだまだ終わってないんじゃないかと思うほどに暑い。 「秋来ぬと」…

何かしらになりきるってどういうことだろう?

今回は「キャラクター」や「作詞家」になりきるってどんな場合? みたいな話を書きます。本題に行くまで長いです。 というわけで、こんばんは。文学作品について考える、…

「時間」とは?

今回は割と近代文学とかその辺の話題です。 「おい、今何時だと思っているんだ、わかってんのか?」 「時間がねぇんだよ、こちとら。わかってんのか?」 「「ちょっと何…

にんにくのお話

今回は文学関係なく私の体験談です。大分汚いので注意。 「にんにくを好きなだけ食べたい!!」 そんな欲求を抱いたことがある方、いらっしゃらないだろうか? 私はちょ…

「歴史」と「文学」

今回は「歴史ってどこまでが歴史なんだろう」っていうようなことについて書きます。 さて、タイトルで目茶苦茶デカいテーマを書いてしまったのであるが、書き出しから何を…

元ネタと作品の享受

今回は普通のコラム的なものです。 突然であるが、言語表現を伴うものはゼロから生まれてくるもの自体ないと思われる。 仮にゼロから生み出された言葉があるのだとしたら…

「語り」「視点」ってなんだろう

こんにちは。文学の騙り部のちくわです。「語り部」ではなくて「騙り部」ですので、たまに嘘とか言いそうですね! さて、今回は文学作品全般について。小説とか読む人向け…

「読む」ことと「歌」について

今回は簡単なコラム的なものです。 現代我々が一人で本を読む時なり、テクストメッセージを読む時、なにか意図がない限りわざわざ口に出して読むことはないはずである。 …

漢文の訓読って面倒だよね

タイトル通り。でも、日本の言葉なり文学を勉強するのに漢文って重要だ、という話です。今回の内容はやや専門的です。 まず、日本語ってのはやまと言葉だけで出来てるわけ…

近代文学についての印象

私の専門からは程遠い近代文学について書きます。近代文学に興味のある方、大学編入試験を考えている方向けです。 読めるけど読めてない、でもちょっと読める文章。どっか…

雑記

今回は私の体験談です。 私は『源氏物語』の研究をやっているし、当然のこと、『源氏物語』は幾度となく読んでいる。 別に「ストーリーが好き」とか「紫式部にガチ恋して…

英語の文法解説

友人に頼まれた件で、初歩的な英語の文法解説を載せていきます。なお、専門外なので間違いなどあるかもですが、教えていただけると幸いです。

一、文型
 まずは英文法の基本、文型から。ぶっちゃけると、ここで躓いてるやつ多数。というか、英語にしろ何にしろ、語順というのは重要である。シンタグマとかパラディグマとか、まあ、文法的な話は置いておくにしろ、統語(Syntax)が滅茶苦茶だと通じない。よって、まずは

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文学作品って何だろう

文学作品に限らず、芸術作品って何だろう。とりあえず本日の話題は「文学作品ってのは抽象性を持たせることによって具体像を現前させる文字媒体のもの」って感じです。

「文学作品とは何か」。二十代の大半を酒と文学と少しばかりの料理スキルに費やした手合なので、時々考える。

文学作品って何だろう、といわれると途端に答えに窮する。哲学やってるのか文学やってるのかわからない問いである。

強いていうならば虚構。

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「典拠」と『源氏物語』について

お久しぶりですね。本日は「典拠」について書こうと思います。

といっても、タイトル通り『源氏物語』の中の「典拠」について書くわけではありません。そんなもん、ネタがあったら学術論文にしますよ。

さて、「典拠」という言葉が分かりにくければ、「元ネタ」といえばわかりやすいでしょうか。

「元ネタ」的な考え方はそれはそれは古くからある。少なくとも、日本においては漢籍の受容から日本漢文なり日本語文なりとい

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文章の要約について

今回は文章の要約問題が出た時、といったテーマで書きます。文章を書く時の参考にもなるように書こうと思います。大学受験・大学編入試験向け。

「要約について」の要約すると
・要点を三行で
・要約作る時はケツから読め
・全体の骨組みを作ってから肉付け

です。

文章を読んでいてこう思ったことはないだろうか?

「うるさい御託を並べるな」

と。私はある。というか、毎回思うし、なんなら三行以上ある文章と

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植物のアレコレ②

植物のアレコレ②

前回に引き続きコラムです。後半植物からやや離れますが、日本の文学作品における植物についてちょろっと書いていきます。

さて、「親方! 空から女の子が!」みたいなノリで「婆さん! 地面から(生えている植物)女の子が!」みたいな感じで出てきた物語の主人公といえば誰でしょうか?

かぐや姫ですね。

『竹取物語』は「今は昔竹取の翁といふものありけり。野山に交じりて」と暗唱させられた方も多いのではないかと

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植物のアレコレ①

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる

もう秋ですね。ところがどっこい、今年の夏はまだまだ終わってないんじゃないかと思うほどに暑い。

「秋来ぬと」と冒頭に引用しましたが、この歌は『古今和歌集』の秋歌上の巻頭歌で、立秋の日の歌です。今年の立秋は八月八日ということで、一ヶ月も前なのですが、ようやく風がどことなく秋めいてきた、といった感じでしょうか?

まあ、田圃を見ると黄金色になった

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何かしらになりきるってどういうことだろう?

今回は「キャラクター」や「作詞家」になりきるってどんな場合?
みたいな話を書きます。本題に行くまで長いです。

というわけで、こんばんは。文学作品について考える、実に面白い。アサヒスーパードライでも飲みながら……

福山雅治は流石に無理がありますね。こんばんは。ちくわです。

たまにフィクションの中のキャラクターなり歴史上の人物なり、あるいは現在生きている有名人なりに自身を重ねることってないでしょ

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「時間」とは?

今回は割と近代文学とかその辺の話題です。

「おい、今何時だと思っているんだ、わかってんのか?」
「時間がねぇんだよ、こちとら。わかってんのか?」

「「ちょっと何言ってるかわかんないですね!!!」」

こんにちは。上記のようなやり取りが日常茶飯事、ちくわです。時間って一体何なんですかね。

「お前はそんなこともわからないのか?」

と思われたあなた。時間って一体何なんでしょうか?

例えば、我々

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にんにくのお話

今回は文学関係なく私の体験談です。大分汚いので注意。

「にんにくを好きなだけ食べたい!!」

そんな欲求を抱いたことがある方、いらっしゃらないだろうか?

私はちょくちょくある。にんにくをホイル焼きにするだとか、素揚げにするだとか、あるいはそのまま薬味として使うだとか、色んなにんにくの食べ方がある。

そんなにんにくであるが、スタミナ料理として使われるイメージが強いであろう。

二十二年前、小学

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「歴史」と「文学」

今回は「歴史ってどこまでが歴史なんだろう」っていうようなことについて書きます。

さて、タイトルで目茶苦茶デカいテーマを書いてしまったのであるが、書き出しから何を書こうかと頭を抱えている。

そもそもそんなに壮大なテーマ設定するなよって思った方。

卒論で似たようなことやらかすやつが毎年一人はいるんですよ。

いや、先生に止められるだろって思ったりするんですけど、何故かいる。

「止まるんじゃねぇ

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元ネタと作品の享受

今回は普通のコラム的なものです。

突然であるが、言語表現を伴うものはゼロから生まれてくるもの自体ないと思われる。

仮にゼロから生み出された言葉があるのだとしたら、それは作り出した当人にしか通じないであろうし、通じるようにメタ言語的な説明を加えるのならば、その時点で何かしらのゼロではない言葉を介在させる必要がある。

このことはジャック・デリダという哲学者が述べているのであるが、言語の指示作用・

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「語り」「視点」ってなんだろう

こんにちは。文学の騙り部のちくわです。「語り部」ではなくて「騙り部」ですので、たまに嘘とか言いそうですね!

さて、今回は文学作品全般について。小説とか読む人向けのお話です。

まず、物語なり小説の「語り」ってなんだろう。文字通り、「その物語を語っている者」である。

例えば以下の二つの文章を見てみよう。

【文章①、夏目漱石『坊っちゃん』】
 おやじはちっともおれを可愛かわいがってくれなかった。

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「読む」ことと「歌」について

今回は簡単なコラム的なものです。

現代我々が一人で本を読む時なり、テクストメッセージを読む時、なにか意図がない限りわざわざ口に出して読むことはないはずである。

例えば、ある日のデートの翌日、ドラゴンクエストをプレイしている兄弟姉妹がいきなり「ゆうべはお楽しみでしたね!」と言い放ったらぎょっとするだろうし、ポケモンをプレイしている父親が突如「おじさんの金の玉だからね!」とかいい出したらしばらく口

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漢文の訓読って面倒だよね

タイトル通り。でも、日本の言葉なり文学を勉強するのに漢文って重要だ、という話です。今回の内容はやや専門的です。

まず、日本語ってのはやまと言葉だけで出来てるわけじゃない。これはまあ、感覚的にわかるだろう。事実、ここまでのめちゃくちゃ短い文章でも十個ほど漢語を使っているし、逆に漢語由来の言葉を使わずに文章を作るとなったら苦労するに違いない。

これだけでなぜ日本の国語の授業で漢文をわざわざやる理由

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近代文学についての印象

近代文学についての印象

私の専門からは程遠い近代文学について書きます。近代文学に興味のある方、大学編入試験を考えている方向けです。

読めるけど読めてない、でもちょっと読める文章。どっかの食べるラー油みたいだな、と思いましたね? これがメンタリズムです。

さて、「読めるけど読めてない、でもちょっと読める文章」って、どんな文章のことを指しているでしょうか? え? 私のnote? ちょっと何言ってるかわかんないですね。

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雑記

今回は私の体験談です。

私は『源氏物語』の研究をやっているし、当然のこと、『源氏物語』は幾度となく読んでいる。

別に「ストーリーが好き」とか「紫式部にガチ恋している」とかではなくて、単純に「物語内の歌を研究したい」といった動機から『源氏物語』の研究に手を出した訳である。

最近では歌から離れて『源氏物語』の享受について興味を持ち始めた。物語にしろ何にしろ、享受されなくなった文献は「古典」という

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