逢坂 志紀

坂の途中で出逢い、共に志を紀す。あなたともそんなふうに。幸福請負人。モットーは助平。

逢坂 志紀

坂の途中で出逢い、共に志を紀す。あなたともそんなふうに。幸福請負人。モットーは助平。

マガジン

記事一覧

固定された記事

あなたがくれたチュッパチャップス

  半年ぶりに、実家に帰って来た。  新しい彼氏が出来て、ケンカをしながらもそれなりに順調で、年齢的にも結婚の話が出てきたりなんかもして。  そんなことがある…

逢坂 志紀
5年前
241

これまでどう生きて来たかより、これからどう生きて行くか。

メジャーリーグベースボールやプロ野球が開幕してひと月ほど。 球春がやってきて、それぞれのチーム、選手の活躍がニュースとして報道されている。 ひと月も経てばある程…

逢坂 志紀
5日前
13

体至上主義社会

現代は言わずと知れた資本主義社会である。 資本主義社会とはお金、つまりmoneyが一番という世の中のことである。 しかし日本語にはこんな言葉がある。体が資本。 資本…

逢坂 志紀
8日前
11

逢坂危機一髪「なんで雨降るの?」

よく行く喫茶店でのお話し。 週に一度、よく行く喫茶店にオーナーさんが以前にしていたお店のスタッフさんがお子さんを連れて現れる。昨日がその日だった。 お子さんの名…

逢坂 志紀
2週間前
14

いと清々し

先週の木曜日の夜だろうか、なんだか目が腫れてきそうだなというぼやっとした予感を持って眠った。 翌日の夕方、鏡を見る機会があって目元を見るとうっすら赤くなっていた…

逢坂 志紀
2週間前
16

ちょうちょの話

今日はちょうちょの話をしようと思う。 半年ほど前のこと。道路、アスファルトの上でひなたぼっこをするちょうちょを見つけた。 ふわふわと羽をゆらめかせ、それはそれは…

逢坂 志紀
3週間前
17

かっちょいい!

大泉洋のエッセイを買ったのは今年の一月の終わりだった、らしい。 らしい、と言うのも大泉洋のエッセイを買ったはいいものの長らく開くことをせずに本棚にゴーンヌッ! …

逢坂 志紀
4週間前
34

しょうもないことを言える時、書ける時は精神衛生いい感じ説

今朝、玄関のチャイムが鳴った。アマゾンから荷物が届くことになっていたので、十中八九そうだろうと思って玄関まで行った。 直前になんとはなしにいつでも外に出られる格…

逢坂 志紀
1か月前
33

春になるとそわそわイライラガタガタ

春というやつがあまり好きでなくなった、というか嫌いになったのは九年前。それ以来、春になるとそわそわイライラガタガタする。 新学年のクラス替えにドキドキワクワクす…

逢坂 志紀
1か月前
17

海のものとも山のものとも

少し春めいたと思ったら気温はそこそこあるはずなのに妙に寒くて、真冬に逆戻りしたかのような数日間を過ごしている。 この時期になると寒暖差や花粉、様々な理由で周囲の…

逢坂 志紀
2か月前
17

小さなことの積み重ねでしか物事は決して成らない

珈琲を毎日淹れ始めて二年半経つ。上達したのかと問われれば、正直なところ自分では分からない。 微妙な変化、それもいい変化と悪い変化を重ねて重ねて二年半という時間が…

逢坂 志紀
2か月前
13

王者の風格

昔々、このような文章を読んだことがある。 どこで読んだか忘れてしまったし、原文がこの通りであったかも定かでない。思い出しながら書こうと思う。 半分以上自分の創作…

逢坂 志紀
3か月前
19

財布を替えた話をしますが耳の穴かっぽじって聞くほどのことじゃございません、どうか楽に聞いておくんなせえ。

年始、財布を替えた。 足かけ十五年使ったわずか七千五百円で購入した二つ折りの財布に、引退の時が来た。 色艶、耐久性どれをとっても抜群なのだが以前からお札はどうし…

逢坂 志紀
3か月前
11

欲望、人間は探しているものしか見つけない

石田衣良という作家の娼年シリーズ三部作を改めて読破した。 娼年との出会いは今は昔、二十歳の頃。 当時アルバイト先からの帰り道にレンタルビデオ屋があって、そこに古…

逢坂 志紀
3か月前
16

日記と言うより雑記、長澤まさみというより小池徹平

今朝もまた珈琲を淹れた。 昨日、珈琲の淹れ方の指導を受けて感じた点が二つあったので記しておこうと思う。 ひとつ、直接言われたことだが繊細かつ大胆に珈琲を淹れる必…

逢坂 志紀
3か月前
12

お顔、見せてもらえますか?

今朝、昨日パン屋さんで買ったパンと自分で淹れた珈琲とで朝ご飯を終えて散歩に出た。 ふら~っと歩いて、気まぐれの気分屋の本領を発揮してものの五分ほどで家に引き返し…

逢坂 志紀
3か月前
26
あなたがくれたチュッパチャップス

あなたがくれたチュッパチャップス

  半年ぶりに、実家に帰って来た。

 新しい彼氏が出来て、ケンカをしながらもそれなりに順調で、年齢的にも結婚の話が出てきたりなんかもして。

 そんなことがある度に、わたしはあなたを思い出す。

 小学生の頃からずっとわたしの部屋に鎮座する勉強机のひきだしを開ける。

 そこには、あなたがくれたチュッパチャップス。

 あんなに劇的で、だけれど間抜けた告白を受けたのは、最初で最後だった。

もっとみる
これまでどう生きて来たかより、これからどう生きて行くか。

これまでどう生きて来たかより、これからどう生きて行くか。

メジャーリーグベースボールやプロ野球が開幕してひと月ほど。

球春がやってきて、それぞれのチーム、選手の活躍がニュースとして報道されている。

ひと月も経てばある程度の数字が残って、成績も出て来るわけだが……仮定の話をしたい。例にとるのは今一番有名な日本人の野球選手の大谷翔平選手にしようと思う。

押しも押されぬ素晴らしい成績を残して、所属チームのロサンゼルスドジャースの躍進に貢献している。しかし

もっとみる
体至上主義社会

体至上主義社会

現代は言わずと知れた資本主義社会である。

資本主義社会とはお金、つまりmoneyが一番という世の中のことである。

しかし日本語にはこんな言葉がある。体が資本。

資本主義社会という言葉にこの体が資本を当てはめるとこういうことになる。“体主義社会”。

しかしどうだろう? 今の世の中もてはやされているのは脳科学や精神論である。ちょっと待てみんな、おかしいだろう。体が資本で、今は資本主義社会なのだ

もっとみる
逢坂危機一髪「なんで雨降るの?」

逢坂危機一髪「なんで雨降るの?」

よく行く喫茶店でのお話し。

週に一度、よく行く喫茶店にオーナーさんが以前にしていたお店のスタッフさんがお子さんを連れて現れる。昨日がその日だった。

お子さんの名前はあっくんとしておこう。間もなく三歳を迎えるぷくぷくほっぺのかわいい天使だ。

あっくんとはもう一年半くらい顔を合わせ続けて、あっくんは僕のことをしっかりと認識してオーナーさんが「ヒゲ」と言うと僕の顔を見る。数か月前までは抱っこもさせ

もっとみる
いと清々し

いと清々し

先週の木曜日の夜だろうか、なんだか目が腫れてきそうだなというぼやっとした予感を持って眠った。

翌日の夕方、鏡を見る機会があって目元を見るとうっすら赤くなっていた。週末に突入してしまうと受診出来なくなるかも、それはいかんと思って時間を作ってピューッと眼科に行った。目薬を数種類処方されてことなきを得たのである。

その数日後、今度は風邪を引いた。葛根湯を飲んだりなんやしたり、早めのパブロンはしなかっ

もっとみる
ちょうちょの話

ちょうちょの話

今日はちょうちょの話をしようと思う。

半年ほど前のこと。道路、アスファルトの上でひなたぼっこをするちょうちょを見つけた。

ふわふわと羽をゆらめかせ、それはそれは気持ちよさそうだった。

しかし、ちょうちょがひなたぼっこしているそこは車も通れば人も通る場所で僕はひどく心配になった。こんなに気持ちよさそうにしているのに、気が付かずに天に召されるのはかわいそうだと。

よってダメ元でそのちょうちょに

もっとみる
かっちょいい!

かっちょいい!

大泉洋のエッセイを買ったのは今年の一月の終わりだった、らしい。

らしい、と言うのも大泉洋のエッセイを買ったはいいものの長らく開くことをせずに本棚にゴーンヌッ! していた。そのゴーンヌッ! していた大泉エッセイに挟まっていたレシートを見ると一月三十一日の日付。つまりそのエッセイ本を寝かせるおむつムーニーマンしていたわけである。

いやにゴーンヌッ! とかムーニーマンとかふざけた調子で書いているのは

もっとみる
しょうもないことを言える時、書ける時は精神衛生いい感じ説

しょうもないことを言える時、書ける時は精神衛生いい感じ説

今朝、玄関のチャイムが鳴った。アマゾンから荷物が届くことになっていたので、十中八九そうだろうと思って玄関まで行った。

直前になんとはなしにいつでも外に出られる格好に着替えていたので慌てることもなく玄関のドアを開けた。

アマゾンの配達のいかつめの兄ちゃん(親しみを込めて)がメチャクチャいい笑顔で「お宛名間違いないですか?」と確認をして荷物を渡してくれた。すごく清々しい兄ちゃんで、荷物と一緒に何か

もっとみる
春になるとそわそわイライラガタガタ

春になるとそわそわイライラガタガタ

春というやつがあまり好きでなくなった、というか嫌いになったのは九年前。それ以来、春になるとそわそわイライラガタガタする。

新学年のクラス替えにドキドキワクワクするようなことはとっくのとうになくなってしまった。

思えばこの春を嫌いになった頃からとんとツキがなくなった。何をしてもどうやっても上手く行かなくなった。

まるでアリジゴクにはまってしまったように抜け出せずにもがき、あがく日々だ。

俗に

もっとみる
海のものとも山のものとも

海のものとも山のものとも

少し春めいたと思ったら気温はそこそこあるはずなのに妙に寒くて、真冬に逆戻りしたかのような数日間を過ごしている。

この時期になると寒暖差や花粉、様々な理由で周囲の人たちが体調を崩す。

かく言う僕も春は得意ではない。なにせ自分が障害を発症した季節なのだから。

もう丸九年になる。その前からずっと苦しい生き方をしてきたので、人生の半分ほどはうつうつと暮らしていることになる。あまり自慢できることではな

もっとみる
小さなことの積み重ねでしか物事は決して成らない

小さなことの積み重ねでしか物事は決して成らない

珈琲を毎日淹れ始めて二年半経つ。上達したのかと問われれば、正直なところ自分では分からない。

微妙な変化、それもいい変化と悪い変化を重ねて重ねて二年半という時間が経った。

はじめた当初に根を詰め過ぎたことを理由に一日休んだ以外は本当に最低一日一回は淹れている。根気強く向き合っていると言っていいかと思う。

だが正直なところ自分の現在地が分からない。どれだけ成長したのかが分からない。全く進んでいな

もっとみる
王者の風格

王者の風格

昔々、このような文章を読んだことがある。

どこで読んだか忘れてしまったし、原文がこの通りであったかも定かでない。思い出しながら書こうと思う。

半分以上自分の創作になってしまった。原文ほぼそのままなのは、王者の~感化するのか、部分だけである。それ以外は思い出しながらそれらしいことを当てはめた。

人としての話になるが、結論から言うと引用部分の王者の~のような生き方を叶うならばしていたいということ

もっとみる
財布を替えた話をしますが耳の穴かっぽじって聞くほどのことじゃございません、どうか楽に聞いておくんなせえ。

財布を替えた話をしますが耳の穴かっぽじって聞くほどのことじゃございません、どうか楽に聞いておくんなせえ。

年始、財布を替えた。

足かけ十五年使ったわずか七千五百円で購入した二つ折りの財布に、引退の時が来た。

色艶、耐久性どれをとっても抜群なのだが以前からお札はどうしても折っていれたくはなく。いつかは長財布にしようと決めていたので、このタイミングになった。

この七千五百円の二つ折りの財布だが、実は正規品ではない。その昔まだ野球をやっていて丸坊主だった頃にお年玉を握りしめてある商業施設へ行った時のこ

もっとみる
欲望、人間は探しているものしか見つけない

欲望、人間は探しているものしか見つけない

石田衣良という作家の娼年シリーズ三部作を改めて読破した。

娼年との出会いは今は昔、二十歳の頃。

当時アルバイト先からの帰り道にレンタルビデオ屋があって、そこに古本のコーナーがあった。

大学に入学したものの、入学して一番最初に仲良くなった友人がカンニングで入学していたり色々なことで周囲との温度差を感じていた。

自分が何をしたいのかも分からず、何になりたいかも分からず、何にも命を燃やせない日々

もっとみる
日記と言うより雑記、長澤まさみというより小池徹平

日記と言うより雑記、長澤まさみというより小池徹平

今朝もまた珈琲を淹れた。

昨日、珈琲の淹れ方の指導を受けて感じた点が二つあったので記しておこうと思う。

ひとつ、直接言われたことだが繊細かつ大胆に珈琲を淹れる必要がある。不安や恐怖がルーツの感情を持って珈琲を淹れるとそれが珈琲に出る。珈琲にはウソをつけない。

もうひとつ、思いっ切りやった上での失敗の方が悔いが残らない。

丁寧に珈琲を淹れることはとても大切だと思う。もちろん、それは絶対にそう

もっとみる
お顔、見せてもらえますか?

お顔、見せてもらえますか?

今朝、昨日パン屋さんで買ったパンと自分で淹れた珈琲とで朝ご飯を終えて散歩に出た。

ふら~っと歩いて、気まぐれの気分屋の本領を発揮してものの五分ほどで家に引き返しはじめた。いつもと少しだけ違う道を通っているとたまに顔を合わせるご婦人と出会った。

その方が開口一番、「ウチのワンちゃん、亡くなったんです」と言った。

その亡くなったワンちゃんというのが、猟犬にルーツを持っていそうな足の長いそれはそれ

もっとみる