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Precious Memoryについて
『Precious Memory』と『Precious Memory -kokoro』は、本編と補助資料のような関係のものです。
昔、本編では分からない部分をドラマCDであったり、資料集の特典ページであったりで伝えられてたものがありますが、そんなイメージ。
2011年に書いた短編。
幼馴染の二人が、大切に想いあいながら、自分たちの運命が重ならないことを自覚している、切ないお話です。
この話は、大
Precious Memory -kokoro
大学の時に付き合っていた俺たちは、突然の君の言葉で終わりになった。
「もう別れましょ」
食い下がったが、君の首は横にしか振られなかった。
「あなたは、いつも正しいことを言うわ。私が間違っていることがほとんど。
でも、私は間違っていても良いの。間違ったところから、進んでいけるのが人生だから。
あなたに歩幅を合わせてもらうのは、とても幸せだったけれど、正直辛くもあった。
私は、あなたが子供のころ
Precious Memory
最後の仕事を終え、みんなから花束とねぎらいの言葉を受け取った。
「短い間でしたが、お世話になりました。」
頭を下げ、先輩たちに肩を叩かれ囲まれる。
「これからも頑張れよ」
「むこうに着いたら連絡してね」
さすがに泣いてくれはしないけれど、こんなに温かく送り出してくれるなんて思ってもみなかった。
俺は、良い職場で働けたな。
先輩たちの輪の隙間から、遠巻きにこちらに微笑んでいる彼女と目があった。
反射