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創造の深淵からこんにちは

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色々な詩や短編小説などです。
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#オリジナル

Ladybug Samba 2019

Ladybug Samba 2019

あなたと私が夢の国
森の小さな教会で
結婚式をあげました

照れてるあなたに虫達が
くちづけせよとはやしたて
そっとあなたはくれました

赤 青 黄色の衣装をつけた
てんとう虫がしゃしゃり出て
サンバにあわせて踊り出す

愛する二人に鳥達も
赤いリボンの花かごと
愛のくちづけくれました

今日は楽しい夢の国
森のお祭り舞踏会
白いドレスで出掛けます

幸せ誓ったお祝いに
森の可愛い虫達が
楽器を持

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夢くじらの回游

夢くじらの回游

ほら、みて。
やっと来た。
ずうっと待ってた甲斐があったね。
ねぇ、あの雨にうたれに行こうよ。
さぞ やわらかぁい音がして、
きっと すごぉくいい香りがするんだよ。

いいよ。
行こう。
あの雨にうたれたら
きっともう
ここへは
還ってこられないかも
しれないけれど。

それでも、いいの。
あの雨にうたれたら
はじまるの。
はじまるんだよ。
こんなにわくわくすることって
他にないじゃない。

そう

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はなびらたちよ

はなびらたちよ

おまえたちは、むしられないだけ感謝したまえよ。

この國は、おまえたちをむしったり折ったりすることなく、咲くことを許可している。

おまえたちを見ては感動するものたちもおるのだぞ。

おまえたちは咲くだけで誰かを幸福にしている。

いや、哀しませることもあるかもしれないが、

それでも誰かを殺しにいくわけでもあるまいに。

そのはなびらがやわやわとほころぶと

みながよってたかってその下に集う。

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灰色ブランコ軋む時空

灰色ブランコ軋む時空

歪みのなかで、揺れて、揺れて、

揺れて、揺れて、揺れて。

今日の空は、とても良い色合いです。

良い色合いですか。へー。

そうです。とても良い色合いです。このまま黒くなることも、白くなることもできる、とても中途半端な、まるできみの心のような空色じゃないの。

んんん。たしかに。
そうなら、たしかに良い色合いなのかも。

いったり、きたり。

いなくなって、また戻って。

いったまま、戻らない

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ハリアナ

ハリアナ

このアナを通過するハリたちは

いつも痛くて

痛いのはいやだから

もっとアナを拡げよう

そうしたら痛くないって

信じてた

大きくあいたアナを見て

なにをおもうの

アナだらけに

なったカラダは

とても軽い

それは

あいてるひとしか

わからない

アナだらけのひとにしか

わからない

ハリたちは今日もたくさん飛び交うよ

突き刺さるより

マシでしょう?
#詩 #短編
#

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甘い罠

甘い罠

《赤》
きみがぼくの手をひっぱって
愉しそうに駆けるから
かかとを踏んだままのスニーカーが
そのまま麗らかな光の世界へ飛んでいきそうで

「さて、どこでしょうかっ?」
天真爛漫を開花させた満面の笑みで
いつもぼくを真っ直ぐみつめる
「なに?なにが?」
「この白木蓮の中に1つだけお花じゃないものが、かくれんぼしてます。さて、どこでしょうかっ?」
見上げると、純真無垢な純白たちが
眩しい青空に輝きわた

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智梅謳詠花

智梅謳詠花

「ほらほら、ごらんなさいよ。」

天女のひとりが足をくずしながらそう言いつつ、下界を指さしました。

薄紫の雲は、駆けよった幾人の天女たちで溢れていて、凛と佇む梅花の眼福にみなが微笑み合い、風が纏った紅い芳しさが、天女たちの歌声をさらに悦ばせました。

智の梅花、咲き乱れるは、百花斉放。

麗の今日、待ちわび続け、はや幾年。

此方に咲くは、天花乱墜、智の扇。

解語之花よ、錦上添花の、満願成就。

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ひとりじめ🌸

ひとりじめ🌸

みるく色の雲と

優しい水色の空が

いちごみるくの花のおやつを食べたくて。

いちばん近いあたしのことを見ては

うらめしそうに流れてく。

どうだ!きみたちには、食べられまい!

しあわせの春の甘いあまーい味。

いただきまあす!を

ひとりじめ。

にんまり時間を

ひとりじめ。


#春 #空 #桜 #青空 #短編 #詩 #ポエム #幻想 #ファンタジー #しあわせ #幸福 #写真 #

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イザナミの帰還

イザナミの帰還

ひとつ、独りの地の底が

ふたつ、二人でみた夢と

みっつ、みなが知るころに

よっつ、黄泉からよみがえろ

 

いつつ、いのちの産声が

むっつ、無尽の“わ”をえがき

ななつ、涙の髪飾り

やっつ、八重の花が咲く

 

ここのつ、今夜は祝言を

とうで、永久の饗宴歌
#妖魔 #数え唄 #イザナミ #詩 #替え歌 #神話 #海 #短編 #幻想 #ポエム #歌詞 #オリジナル #神 #楠桂

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月と虹色の龍が名前をもらった日 (創作小説)

月と虹色の龍が名前をもらった日 (創作小説)

ある夜のことでした。

そうくんはお母さんと夜空を眺めていました。

お母さんは言いました。

「今日のお月さまはとっても綺麗だね。ほら、あの雲をみてごらん。なんだか龍のようだね。」

「うん。お月さまの光があたって虹色のドラゴンみたいだ!」

そうくんは、嬉しそうに言いました。

その夜、そうくんは暖かいお布団で眠りにつきました。そして、夢をみました。



えーん。

えーん。

あれれ?誰

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蕚  utena

蕚 utena

不思議なものですね、あなたさまがそのようにお思いになるなんて。いつもなら、それでもまた繰り返し繰り返し、その光る銀の糸をたらしておやりになるのでしょう?

ほら、御覧くださいませ。
潸潸たるあのこもごも蠢く光景を。わたくしに至っては、そのようなお立場ではまず御座いませんから、これでもめっぽう困惑しているのですよ。

いえ、あなたさまがそのようにお思いになることは、少しも可笑しいことでは御座いません

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