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『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』を読んで、考え続けているうちに終わった2月。
今日も、街角で「ガザのジェノサイドを止めろ」というプラカードを持った人を見ました。1ヶ月前までは、ガザとウクライナの戦争を混同するくらい、何も知らなかった私。けれどもネットでは、ガザで亡くなった人の写真が流れてきて、頭のどこかでずっとガザについて知りたいと思っていました。
とはいえ、仕事や暮らしに忙殺される日々。パレスチナ問題は歴史の授業で扱われているくらいだからこそ、片手間に勉強できるものでは
一緒に読むと倍面白い『傲慢と善良』/『僕の狂ったフェミ彼女』
60万部を超える大ヒット作品、『傲慢と善良』(辻村深月)。もう読んだという方も多いと思います。現代の既成概念の百科事典かと思うくらい、日常が掘り下げられている作品です。
この小説、実は『僕の狂ったフェミ彼女』とペアリングすると、とっても面白いことを発見しました。
『傲慢と善良』が刺さる人にも、刺さらない人にも一読してほしい『フェミ彼女』『傲慢と善良』あらすじ
『傲慢と善良』は、マッチングアプリ
小野不由美『残穢』と エンタメとしての恐怖
本棚に置いておくのも怖いとのレビューがあった『残穢』。私がこの本を手に取ったのは、今まで読んだことがなかったホラー小説に挑戦してみたいと思ったからでした。
というのも、最近youtubeチャンネルの「不思議大百科」にハマり、作業中にずっと視聴していたことで、怪談とか不思議な話をもっと知りたいと思ったのです。
今回は、小野不由美さんの『残穢』とエンタメで描かれる恐怖について、横断的に話したいと思いま
重松清『疾走』と、つながりたいという欲望
最近は重松清の作品を読み進めています。重松清といえば、身近な家族の温かさやほっとするような話が多いのかなという先入観で、実はあまり読んでいませんでした。
ですが、ジャケ買いで『木曜日の子ども』を読み、『十字架』を読み、そして『疾走』を読み…私好みの、ちょっとダークなお話も、実はたくさんあったのです。
ただやはり、アマゾンのレビューを見てみると、ダーク系よりも日常感動系の作品の方が圧倒的に多いですね
小川洋子『小箱』を読んだ|亡き人を思う気持ちに寄り添うさわやかな風
小川洋子さんの作品を読み始めて一ヶ月。14作品ほど読むことができました。色々な作品に触れるたびに、「小川洋子さんが好き〜」という気持ちが高まっています。なぜ今まで読んでこなかったのだろう、早く出会いたかったという気持ちと、今だからこそ落ち着いて読めるのではないかという気持ちが半々です。一番最近読んだ『小箱』について語ろうと思います。
主人公の女性は、今回はなんと幼稚園に住んでいます。しかも廃校に
小川洋子『密やかな結晶』を読んだ
最近は小川洋子さんの小説を片っ端から読んでいます。今は半数ほどを読み終わったところです。
『密やかな結晶』は1999年に刊行され、新装版が2020年に出版。私が手に取ったのは新装版の、名久井直子さんによるカバーデザインが美しい文庫本です。以下ネタバレを含みます。
まずはあらすじを引用します。
「消滅」とは、概念と記憶の喪失のこと
『密やかな結晶』の舞台となる島では、次々と「消滅」が起こる。ある
川上未映子『黄色い家』を読んだ|強くあらなければいけないという貧しさ
私が川上未映子さんの本を読んだのは本作品で三冊目です。
フェミニズムの文脈で語られることの多い作家さんでいらっしゃいますが、今回の作品はどのような読まれ方をしているのでしょうか。難しいことは話せないので、端的に述べると私は面白い!友達に勧めたい!と思える素敵な作品だと思いました。その推せるポイントを紹介できたらと思います。何度でも言うのですが、どう考えても「未映子」という感じの並びと響き、美しすぎ
村上春樹『街とその不確かな壁』を読んだ
一週間ほど前に『街とその不確かな壁』を読んだので、感想を書きます。
まず驚いたのは表紙のイメージ画像が掲示される前から、書店には予約開始ののぼりが立っていたことですね。作家性がここまで全面に出されているのは、村上春樹さん独特のような気がします。普段本を手に取らないという人も「村上春樹だから」買うという人も多いのではないでしょうか。私の母もそうでした。「で、村上春樹の新刊は面白かったの?」とふたこ