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π(1998) / ダーレン・アロノフスキー監督
デジタルリマスター版をホワイトシネクイントで鑑賞。
πとはもちろん3.14159273...でお馴染みの円周率πのこと。
主人公は天才数学者。
この世界は数学的に表せる、という仮説の元で日々に立ち向かう。
そしてそれゆえに全ては何かしらの法則があるとして、自作のシステムに囲まれながら株の変動を導き出そうとするが…。
数字に取り憑かれた男の狂気を描いているのだけど、その行きすぎた感じが良い。
第三回パルマジャパン国際短編映画祭
2024年3月23日
監督作品「今日は誰かの誕生日」が入選・パルマスコープ賞ノミネートして頂き、キネカ大森まで主演の縄田カノンちゃんと行ってまいりました。
ほんとのほんとに初めての上映。
つまりワールドプレミアだったわけですが、拙いながらも思いを持って作った自分たちの映画が、素敵な映画館で上映されるというありがたい経験をさせて頂きました…!
(ただ、上映されました二部は満員御礼だったものの、その
不安は魂を食い尽くす(1974) / ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督
1970年代の映画が2023年、やっと日本で劇場公開になったという。
ファスビンダー監督というのは、ダニエル・シュミット監督と共作していたとか、アキ・カウリスマキ監督が影響を受けた人物だとか、そんな前情報でいそいそと早稲田松竹まで足を運んだのだった。
二本立てを観る時間は無くこの一本のみの鑑賞だったのが惜しかったのだが、それでも滑り込んでよかった。
個人的には前後の予定もギリギリだったので、9
落下の解剖学/ジュスティーヌ・トリエ監督(2023年)
サスペンス、みたいな感じだろうか、と薄い前情報だけがあった。
怖い、ハラハラするのは苦手、と公言してきたし、心臓が痛くなるのは無理だと自覚していたので観るのは迷ったけれど、えいやと鑑賞後には、なんだ、ある面で観ればありきたりの、だけど豊かで深い人間ドラマだったんだ、と胸を撫で下ろした。
特に、脚本・演出の素晴らしさを見た。
雑に言ってしまえば「小説家の夫が亡くなった話」、という情報でほとんどが
遺灰は語る(2022)/パオロ・タヴィアーニ監督
「わたしは見た。何を?」
チラシにはそんなフレーズが記されている。
ノーベル文学賞作家、ピランデッロが死去した。
戦中のイタリア・ローマで眠っていたその遺灰を、シチリアに運ぶ、という話なのだが、言ってしまえば遺灰を運ぶ、というだけの話で、こんなにも美しく綴れるものかしらねぇ…と感嘆の溜息をつかずにはいられなかった。
遺灰とは直接関係のない描写も多様されているのだが、それこそが人間の営みだよな
それでも私は生きていく(ミア・ハンセン・ラブ監督)
主演のレア・セドゥを目当てに。
監督自身、実体験をもとに作る方らしいのだけど、まさにフィルムをここからここまで、と切り取ったかのような、人生そのものを観ている気持ちになった。
夫を亡くしたシングルマザー、新たな恋、親の介護、等々、母として、女として、娘として。
悲喜交々日々の波を乗りこなしている姿は共感しかない。
何より、派手さも化粧っけも無く生活に追われる姿を、普通に、だけどチャーミングに
まほう色の瞳/著エンリケ・バリオス
エンリケ・バリオス「まほう色の瞳」読了。
著者は「アミ 小さな宇宙人」が有名だが、ほとんどの著書が絶版で中古本は高値で取引されている。
図書館でも予約が絶えない人気ぶりなのだが、今回偶々読むことができた。
この作品をわかりやすい言葉でまとめるなら「運命の人との再会と使命への道」というような感じだろうか。
何世紀にもわたって待ち続けた恋人との再会。
全ては魂に刻まれていて、神の見えざる手を信