大場さやか

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    主に石川県金沢市での、演劇・ダンスの観劇記録です。

記事一覧

何もないときはないのだけど何も感じられないときはままある

大場さやか
9時間前
4

(掌編)それは彼女のもの

 離れに牛乳瓶を持っていく。何も言わずに彼女は瓶を受け取る。  いや、彼女なのかどうか実は知らない。彼なのかもしれない。そもそも、彼とか彼女とかそういった区別の…

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出かけるか出かけないかで迷いつつ着替えたから大いに讃頌

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(短編)君の瞳を届けたい

 そこに映画館があることは知っていた。ああいうのはミニシアターと呼ぶのか。でも、私達貧乏高校生にとって、東丸プラザの四階といえば、格安イタリアン「イタリ屋」のあ…

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(劇評)恐怖があたりまえになる恐怖

劇団暗黒郷の夢『まだ人間じゃない』の劇評です。 2024年4月28日(日)14:00 スタジオ犀 劇団暗黒郷の夢の第三回公演『まだ人間じゃない』は、フィリップ・K・ディックの…

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少しだけ遠くに行って人に会い少し浮かれた 休みっぽいな

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(感想)違う時間の上で、違う夢を見る

(以下、筆者Xアカウントより転記した文章に追記) ロームシアター京都にて『RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI TIME』鑑賞。音と映像と動きによって作り上げられてきた…

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待つ時間から始まっている期待 小雨と共に少しは不安

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見通しの甘さに泣く

見通しが甘く、立てていた旅行の予定をキャンセルすることになった。旅行代理店にセットプランを申し込んであったのだが、JRのチケットが取れる前だったので、まだ料金が発…

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noteポイントが当たった

「10万人にnoteポイントが当たるキャンペーン」でnoteポイントが当たった。私はこのキャンペーンに応募した際に、以下の記事を投稿している。 この記事でこう書いている。…

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ばちがあたりましたか?

昨日の投稿後、急にぐったりとして何もできずに寝てしまいました。今日もほぼ寝込んでおりました。明日の朝までにやらねばいけない事が終わりません。よからぬことを全て月…

大場さやか
10日前
16

心配と不安と悪い想像と、いや、皆、満ちていく月のせい

大場さやか
11日前
15

若さって即断。なのか?

タイトルを「若さって即断だ」と付けようとして「なのか?」と思ってしまう私は若くないと思う。「いや」「もし」「しかし」「あるいは」などと考え出してしまうのである。…

大場さやか
12日前
14

自分の都合と誰かの都合

3日間、1人で留守番をしていた。そして3日間、1人で飼い犬の世話をしていた。とても緊張していた。 まず、1人では家全体の状況を把握しきれない。自分がいる部屋から離れ…

大場さやか
13日前
19

(感想)知らないから触れないのではなく、知ろうと触れる

(以下、筆者Xアカウントより転記) 4/19に映画『戦雲 -いくさふむ-』鑑賞。沖縄・南西諸島の急速な軍事要塞化を8年に渡って取材したドキュメンタリー。映像は想像以上に…

大場さやか
2週間前
11

犬の背を撫で終われない散歩後「今度ね」と言わないほうがいい

大場さやか
2週間前
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何もないときはないのだけど何も感じられないときはままある

(掌編)それは彼女のもの

(掌編)それは彼女のもの

 離れに牛乳瓶を持っていく。何も言わずに彼女は瓶を受け取る。

 いや、彼女なのかどうか実は知らない。彼なのかもしれない。そもそも、彼とか彼女とかそういった区別のあるものなのかも知らない。ただ、その人、人と呼んでいいのかも知らないが、その生きものは、多分、僕が持っていく牛乳を毎日飲んで、生きているのだ。

 それも推測なので、牛乳を飲んでいない可能性もある。飲む以外に何に使うのか想像は膨らまないが

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(短編)君の瞳を届けたい

(短編)君の瞳を届けたい

 そこに映画館があることは知っていた。ああいうのはミニシアターと呼ぶのか。でも、私達貧乏高校生にとって、東丸プラザの四階といえば、格安イタリアン「イタリ屋」のある場所でしかなかった。
 エスカレーターで四階へたどり着き、私達四人はいつものようにイタリ屋に向かおうとした。なのに、直人が反対方向へと歩き出した。
「何、どうしたの」
 返事をくれない直人の背中を追う。菜摘と春彦も不思議そうに私に続いた。

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(劇評)恐怖があたりまえになる恐怖

(劇評)恐怖があたりまえになる恐怖

劇団暗黒郷の夢『まだ人間じゃない』の劇評です。
2024年4月28日(日)14:00 スタジオ犀

劇団暗黒郷の夢の第三回公演『まだ人間じゃない』は、フィリップ・K・ディックの同名小説をベースに、木林純太郎が台本と演出を手がけた作品である。

会場に入るとまず目を引くのが、壁につたう有刺鉄線だ。ところどころにぬいぐるみなどのおもちゃが刺さっている。舞台後方の中央辺りに通路があり、上手側と下手側は黒

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少しだけ遠くに行って人に会い少し浮かれた 休みっぽいな

(感想)違う時間の上で、違う夢を見る

(感想)違う時間の上で、違う夢を見る

(以下、筆者Xアカウントより転記した文章に追記)

ロームシアター京都にて『RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI TIME』鑑賞。音と映像と動きによって作り上げられてきた時間を経てこその暗闇と静寂の中で、安心して夢を見られたらどんなにかよいだろうか。ただそこで安心できないのは、この舞台が美しくはあっても優しくはないことを表しているのだと思う。

『TIME』であるから

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待つ時間から始まっている期待 小雨と共に少しは不安

見通しの甘さに泣く

見通しの甘さに泣く

見通しが甘く、立てていた旅行の予定をキャンセルすることになった。旅行代理店にセットプランを申し込んであったのだが、JRのチケットが取れる前だったので、まだ料金が発生していなかったのが幸いだった。

しかし、旅行の目的だったライブと芝居のチケットは取れているのだ。できることなら行きたい人にチケットを譲りたいのだが、チケット譲渡に関して厳しい昨今、そういうことをしていいのかがわからない。紙のチケットに

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noteポイントが当たった

noteポイントが当たった

「10万人にnoteポイントが当たるキャンペーン」でnoteポイントが当たった。私はこのキャンペーンに応募した際に、以下の記事を投稿している。

この記事でこう書いている。

私はそう予測していた。結果はというと、こうだ。

200ポイントが付与された。5等当選である。5等?

当たったのは嬉しい。ありがたいことだ。しかし「うそー!まさかの1等!」と華々しいネタにはならず、「あー!やっぱり6等でし

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ばちがあたりましたか?

ばちがあたりましたか?

昨日の投稿後、急にぐったりとして何もできずに寝てしまいました。今日もほぼ寝込んでおりました。明日の朝までにやらねばいけない事が終わりません。よからぬことを全て月のせいにしたのがいけなかったのでしょうか。月が直接お仕置きを……。

心配と不安と悪い想像と、いや、皆、満ちていく月のせい

若さって即断。なのか?

若さって即断。なのか?

タイトルを「若さって即断だ」と付けようとして「なのか?」と思ってしまう私は若くないと思う。「いや」「もし」「しかし」「あるいは」などと考え出してしまうのである。でも、若者はこうかな?と思ったら即、こう!と断定しているように私には見える。若さとは即断が容易にできること、だと思うのだ。

ドーナツを食べていたら隣のテーブルから「ってなくね?」的な会話が聞こえてきた。何がありえないのかは聞き取れなかった

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自分の都合と誰かの都合

自分の都合と誰かの都合

3日間、1人で留守番をしていた。そして3日間、1人で飼い犬の世話をしていた。とても緊張していた。

まず、1人では家全体の状況を把握しきれない。自分がいる部屋から離れた所から音がすると、何か起きているのかと不安になってしまう。玄関や窓の鍵は閉めたはずなのに、何度も確認してしまう。基本的に心配である。

それに加えて、犬の世話である。いつもは主に家族が世話をしているのだが、担当が私に変わったことによ

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(感想)知らないから触れないのではなく、知ろうと触れる

(感想)知らないから触れないのではなく、知ろうと触れる

(以下、筆者Xアカウントより転記)

4/19に映画『戦雲 -いくさふむ-』鑑賞。沖縄・南西諸島の急速な軍事要塞化を8年に渡って取材したドキュメンタリー。映像は想像以上に、沖縄に暮らす人々の生活を伝えていた。カジキ漁、牧畜、祭り、踊り、歌。人々のすぐそばにミサイルが運び込まれる。畑の前に基地ができる。昼も夜も銃声が聞こえる。

石垣駐屯地の入り口に立つ自衛隊員に語りかける、山里節子さんの言葉を聞い

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犬の背を撫で終われない散歩後「今度ね」と言わないほうがいい