さんたくん

女ですし、赤い服は着ていません

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記事一覧

黄色い川

初詣をした日に見た夢 キラキラと黄色に輝く穏やかな流れの川を 足をつけても足の甲が隠れるくらいの浅さを 歩いて下っている はしゃぐ 眩しい光の先に笑いかける とても…

さんたくん
8か月前
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甘じょっぱいのが流行りと聞いたので

フォークで丁寧に切り分けながら食べたニューヨークチーズケーキ 二等辺三角形のお尻の方に行くにつれて大きくなるのは分かっているのに、先っぽがあった頃と同じように切…

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初めてショートショートを書いてみた

カラフルな自動ドア カラフルな自動ドアが発明された。 この発明のお陰で、ガラスにぶつかる人が減った。さらに、ガラスの色がお店の混み具合によって変化するように作ら…

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ステインクリアの歯磨き粉

コーヒーの香りがする部屋なんか懐かしくない あたしはつい最近までコーヒーが飲めなかった。 あの人と行くカフェも喫茶店も甘いものでさえも飲めずに、紅茶やココアばか…

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ドキドキという音楽に頼って生きている

ライブハウスに行くことが好きだった。 アルコールと副流煙、自分にない匂いを纏って歩いて帰る夜道は特別感を感じたし、生で今を掻き鳴らすバンドの荒々しさに、日常の喧…

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littel woman/思い出した自分

ストーリーオブマイライフ 4姉妹の次女ジョー 自分の書いた物語を出版社に持ち込んだ帰り、駆け足でニューヨークの街を行く彼女の映像がとても清々しい始まり。 4姉妹の少…

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どんなに悲しくても体は6時半に目覚めるし、22時には眠くなる。

大人だからとは、子どもとは、恋とは愛とは 中学2年から大学1年まで付き合っていた彼氏がいた。 付き合っていたと言っても、最初の2年以降、高校が別になってからは離れた…

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昨夏ぶりに出した服から、懐かしい柔軟剤の匂いがしたから

子どもの頃から出会う人には恵まれてきた方だと思う。 ズブズブにダメになる事も学びで、しゃんと背筋が伸びるような緊張も、どれも大人になっていく上で大切なものだと思…

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白いカップに口紅がつく

『独立記念日』原田マハ 読了するのに2ヶ月ちょっともかかってしまった ボリュームのある内容だったと思う 「この本によれば、『自由になる』とは、結局『いかに独立する…

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またいつか歩きながら話をしよう/The answer must be in the attempt.

before sunrise まさかから始まる、夜が明けるまでの時間 0が1になり、2に変わる 出会って間もない2人が夜通し語り合い、惹かれ合っていく いずれ時と共に変化したとして…

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"いなくならないで"は悪なのか

春の風に包まれる前の夜に 必死な4月が来るまでの短い時間 平気そうに見せてるけど、ちゃんと弱いんだから そんなところが可愛いところでもあるけど 弱さを見せれる人を見…

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スコーンとコーヒーは嘘かもしれない

二子玉川沿いを散歩した。 お酒を飲みながら笑い合うお兄さんたち 寒そうに寄り添うカップル 水切りをしてる大学生 拾った石を磨く4人組 笹舟を川に浮かべる親子を遠くか…

4

明日の朝は7時に起きるって、枕に宣言して眠る。

君にいいことがあるように 一日がどんなに忙しなく、疲れるものであっても もし泣いてしまって、理不尽に潰されても すきな人が眠るお布団が あたたかかったらいいなとい…

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人生はきっと、始まりと終わりだけ決まっているんだと思う

古きを良きとする文化や思考に羨ましさを感じながら、ロンドンの街を歩いた 建築物を美しいと思ったことがほとんどないけど、そう思うしかない街並みに脱帽するしかないや…

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実現力は行動力、行動力は決断力、 決断力は並々ならない内から湧き出る好奇心であってほしい

1月の末に"あ、海外行こ"と思った イギリスに住む友達に連絡したら嬉しい返事だった すぐにパスポートを取った 2月の頭に飛行機を取った そしてイギリスに行ってきた 思い…

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何よりも好きなモノは変わってないのに、それ自体が変化することがよくあって、その度に置いてけぼりを食らったようになる。
勝手に折り合いつけて自己完結するのが、大人になるに連れて上手くなった。
怒って悲しんで惨めになったり抗えるうちは、まだ煌めいてたし、一生懸命だった、子どもだった。

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黄色い川

黄色い川


初詣をした日に見た夢
キラキラと黄色に輝く穏やかな流れの川を
足をつけても足の甲が隠れるくらいの浅さを
歩いて下っている
はしゃぐ
眩しい光の先に笑いかける
とても幸福に満ちた気持ち

noteをはじめた時から幾年か経ち、久しぶりに会った友達からの、もう書かないの?の言葉に背中を押された気がする。
負けず嫌いで見栄っ張りだったあの頃から少し歳をとって、自分でも丸くなったと思うし、「負けて勝つ」の

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甘じょっぱいのが流行りと聞いたので

甘じょっぱいのが流行りと聞いたので

フォークで丁寧に切り分けながら食べたニューヨークチーズケーキ
二等辺三角形のお尻の方に行くにつれて大きくなるのは分かっているのに、先っぽがあった頃と同じように切り分けてしまい、最後の一口には少し大きいくらいの塊を口に押し込んだ。
生活していると急に泣きそうになることがある。
優しいものに触れた瞬間だろうか
カフェでも、誰かと食事していても
どんな気持ちの時だろうか
嫉妬、羨望、悔しさ、情け無さ、不

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初めてショートショートを書いてみた

初めてショートショートを書いてみた

カラフルな自動ドア

カラフルな自動ドアが発明された。
この発明のお陰で、ガラスにぶつかる人が減った。さらに、ガラスの色がお店の混み具合によって変化するように作られており、人々はお店に入らずとも空いているお店を選べ、長時間暑い日も寒い日も外に並ぶことがなくなった。
これは便利だと話題になり、世界中、ほぼ全ての自動ドアのガラスがカラフルになった。
その数年後の20xx年、世界はIT革命が起こり、人々

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ステインクリアの歯磨き粉

ステインクリアの歯磨き粉

コーヒーの香りがする部屋なんか懐かしくない

あたしはつい最近までコーヒーが飲めなかった。
あの人と行くカフェも喫茶店も甘いものでさえも飲めずに、紅茶やココアばかり注文していた。
味の違いどころか飲めないのだから、あの人のコーヒーの話には「うん」とか「そうなんだ」でしか返す事が出来なかった。
あれからもうすぐ一年、カフェラテだけど飲めるようになった。それどころか毎日口にしないとなんだか落ち着かない

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ドキドキという音楽に頼って生きている

ドキドキという音楽に頼って生きている

ライブハウスに行くことが好きだった。

アルコールと副流煙、自分にない匂いを纏って歩いて帰る夜道は特別感を感じたし、生で今を掻き鳴らすバンドの荒々しさに、日常の喧騒なんて消し去られて、うっとりしてしまうほどだった。
最近ではめっきりライブハウスに足を運ぶことは少なくなってしまい、"あんなに好きだったのに、無くてはならないものだったのに、あたしは薄情だな"と思うことがある。
他に大切なものが増えたか

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littel woman/思い出した自分

littel woman/思い出した自分

ストーリーオブマイライフ

4姉妹の次女ジョー
自分の書いた物語を出版社に持ち込んだ帰り、駆け足でニューヨークの街を行く彼女の映像がとても清々しい始まり。
4姉妹の少女時代を懐かしく愛おしく描いていて素敵という言葉だけでは稚拙かもしれないけれど、羨ましくなってしまうほどだった。
テディとジョーのじゃれ合うような関係性に、胸が締め付けられる。どうしてそんなにも美しいのか。
若いというのはそれだけで、

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どんなに悲しくても体は6時半に目覚めるし、22時には眠くなる。

どんなに悲しくても体は6時半に目覚めるし、22時には眠くなる。

大人だからとは、子どもとは、恋とは愛とは

中学2年から大学1年まで付き合っていた彼氏がいた。
付き合っていたと言っても、最初の2年以降、高校が別になってからは離れたり戻ったりを何度も繰り返した。
理由はなんだったか。好きな人ができた。好きか分からなくなった。やっぱりそばにいたい。誰かに取られたくない。
多感な10代を過ごすには出来すぎた5年間だったと思う。

最後はなんで別れたんだっけ?まあいい

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昨夏ぶりに出した服から、懐かしい柔軟剤の匂いがしたから

昨夏ぶりに出した服から、懐かしい柔軟剤の匂いがしたから

子どもの頃から出会う人には恵まれてきた方だと思う。
ズブズブにダメになる事も学びで、しゃんと背筋が伸びるような緊張も、どれも大人になっていく上で大切なものだと思う。

野球を好きになったのは
絵を描くのにのめり込んだのは
ライブに行くのが楽しくなったのは
お洒落に興味をもったのは
あいみょんを聴くようになったのは
ディズニーにはまったのは
ジムに通いだしたのは
夏でも外に出て遊ぶようになったのは

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白いカップに口紅がつく

白いカップに口紅がつく

『独立記念日』原田マハ

読了するのに2ヶ月ちょっともかかってしまった
ボリュームのある内容だったと思う

「この本によれば、『自由になる』とは、結局『いかに独立するか』ってことなんです。ややこしい、いろんな悩みや苦しみから」

いつのまにか心の中で負担になっていた何か、自分の心を支配していた何かから解き放たれていくのである。時には、傍から見たら決して幸せな変化とは思えない場合もある。でも、それす

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またいつか歩きながら話をしよう/The answer must be in the attempt.

またいつか歩きながら話をしよう/The answer must be in the attempt.

before sunrise

まさかから始まる、夜が明けるまでの時間
0が1になり、2に変わる
出会って間もない2人が夜通し語り合い、惹かれ合っていく
いずれ時と共に変化したとしても、変わらない今があるという事への覚悟
2人の哲学的な掛け合いが、ただの恋愛映画で終わらせないでいるのだと思う

「10年か20年後、結婚して情熱を失った時、きっとこの日を思い出し、何も失っていない自分を発見するだろ

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"いなくならないで"は悪なのか

"いなくならないで"は悪なのか

春の風に包まれる前の夜に
必死な4月が来るまでの短い時間

平気そうに見せてるけど、ちゃんと弱いんだから
そんなところが可愛いところでもあるけど
弱さを見せれる人を見つけてね
あなたの少し難しいところも受け止めてくれる人だといいね
言いなりにならず、好きなように自分の人生を生きてね

その方があなたは素敵だと思うよ

こんなにも心地良いのにどうして遠くに行ってしまうんだろう
せっかちに伸ばす手を掴

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スコーンとコーヒーは嘘かもしれない

スコーンとコーヒーは嘘かもしれない

二子玉川沿いを散歩した。

お酒を飲みながら笑い合うお兄さんたち
寒そうに寄り添うカップル
水切りをしてる大学生
拾った石を磨く4人組

笹舟を川に浮かべる親子を遠くから眺めた。
子どもの手から小さな舟が離れる。
なかなか流れにのらないのを不思議がっていた。
お父さんらしき人が、もうすぐだよ、ほらほら、と言っているのがアテレコできそうだった。
あの河原の一瞬は、隣で同じものを見ていた。

違う。

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明日の朝は7時に起きるって、枕に宣言して眠る。

明日の朝は7時に起きるって、枕に宣言して眠る。

君にいいことがあるように

一日がどんなに忙しなく、疲れるものであっても
もし泣いてしまって、理不尽に潰されても
すきな人が眠るお布団が
あたたかかったらいいなといつも願ってしまう
どんな一日も終えるあなたのその瞬間が
あたたかく受け入れられるものであってほしい

きっと喧嘩をしてもそう思うだろうし
隣で眠る時もそう思う

晴れときどき曇り、もっとときどき雨でいこう

人生はきっと、始まりと終わりだけ決まっているんだと思う

人生はきっと、始まりと終わりだけ決まっているんだと思う

古きを良きとする文化や思考に羨ましさを感じながら、ロンドンの街を歩いた
建築物を美しいと思ったことがほとんどないけど、そう思うしかない街並みに脱帽するしかないやん!
お気に入りの口ずさみながら、悠々と歩くのが清々しいくらいに似合う街

楽器だったり、ダンスだったり、歌だったり、
夜の街には音楽が溢れてて、表現したいって思った人が自由に自分を表現してる街

買い物してても、店員さん同士でおしゃべりし

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実現力は行動力、行動力は決断力、 決断力は並々ならない内から湧き出る好奇心であってほしい

実現力は行動力、行動力は決断力、 決断力は並々ならない内から湧き出る好奇心であってほしい

1月の末に"あ、海外行こ"と思った
イギリスに住む友達に連絡したら嬉しい返事だった
すぐにパスポートを取った
2月の頭に飛行機を取った
そしてイギリスに行ってきた
思い立って1ヶ月で全部こなしてしまった
突拍子もないあたしの好奇心

大好きな人に会うのってなんでこんなに嬉しいんだ
しばらく振りでも瞬間に、あの頃の気持ちは蘇る
何のために思い立ったかは正直もう忘れた
でもそう決めた時のあたしには、や

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何よりも好きなモノは変わってないのに、それ自体が変化することがよくあって、その度に置いてけぼりを食らったようになる。
勝手に折り合いつけて自己完結するのが、大人になるに連れて上手くなった。
怒って悲しんで惨めになったり抗えるうちは、まだ煌めいてたし、一生懸命だった、子どもだった。