ショウタトウゴ|ノスタルジックスクリブナー

郷愁という感覚は切ないけれど同時にとても幸せで、僕はそんな郷愁の想いを言葉にして誰かと…

ショウタトウゴ|ノスタルジックスクリブナー

郷愁という感覚は切ないけれど同時にとても幸せで、僕はそんな郷愁の想いを言葉にして誰かと共有できたらいいなと、そう思っていつも文章を書いています。だからノスタルジックスクリブナー。スクリブナーとは「書士」のこと。 仕事は行政書士と司法書士をやっています。代書人なんて呼ばないで。

記事一覧

エースに完敗!乾杯!!!

(アウトだ!) 自分に向かってくる相手のサーブの弾道を見ながら、僕は確信した。 とっさにアンダーレシーブの構えを崩して、体を横にずらす。 案の定、ボールはコートのラ…

想いを今届けたい。

ここ5年間くらい、ずっと心に思っていたことがある。 それは 『2020年に全ての力を解放しよう』 ということ。 最初はただ漠然と思っていただけ。 2020年はちょうど40歳…

グッバイ僕らの青春、ポケットベル。

東京テレメッセージが9月末日をもって、サービスを終了しました。 ビジネスツールとして、そしてコミュニケーションツールとして、約半世紀に渡って利用されてきたポケッ…

あのセリフを言うべきなのはムスカだった!

先週の金曜日をもって今年の「3週連続 夏はジブリ」が終了した。 今年のラインナップは ・千と千尋の神隠し ・崖の上のポニョ ・天空の城ラピュタ だった。 やはりラ…

いつの間にか球児たちを追い越していた

「大きなお兄ちゃんたちが野球をやっている」 幼い頃の思い出として、頭の片隅に残っている夏の甲子園。 ブラウン管の向こうで野球をしている高校球児たちはとてもまぶし…

ジブリ映画が僕は浮気性なのではないかと不安な気持ちにさせる

 今夜の金曜ロードショーは”千と千尋の神隠し”らしい。それを知った僕は、朝からわくわくが止まらない。 千と千尋の神隠しは映画館で観た。今ふと思い出したけれど、初…

ねずみ花火なんてなくなってしまえばいいのに

 今年の夏も毎日暑い日が続いている。 さっき今週末の天気予報を見てみたら土曜日の東京の最高気温は37℃! それだけでも十分驚きなのに最低気温を見てみたらなんと29…

自己紹介 | 僕ショウタトウゴです

【2019年8月9日更新】 ある程度時間が経っているのに初めましても何も無いんじゃないかと思いますが、プロフィール記事に関してはまだ書いていませんでしたので、ここで初…

日本の夏が失った夕涼み

【夕涼み】 夏の暑かった日の夕方に、戸外や縁側に出て涼を取り、夏の夕暮れを楽しむこと 一日中とにかく暑い毎日が続く夏ばかりで、夕涼みという言葉はどこかへ行ってし…

よっちゃんイカが僕に自分でやってみることの楽しさを教えてくれた

全英女子オープンで渋野日向子選手が優勝という快挙を成し遂げた。 開幕時には全くと言っていいほど注目されていなかった選手が日本人として史上二人目の、実に42年振り…

真っ赤に染まる空を見て、僕らは火事だ火事だとバイクで走り出した

大学一年生のときに車の免許は取ったけれど、交通手段は主に原付だった。 車は親の持ち物だったし、そこまで行動範囲も広くなかったから原付で十分だったんだ。 大学へも…

コインランドリーのあの匂いがたまらない

コインランドリーのあの匂いが好きだという人は多いはずだ。 僕はどうかと言うと、すごく好き。そして嫌いな人なんてきっといないだろうくらいに思っている。 けれども先ほ…

中華テーブルが日本発祥だったなんて!

中華料理店に入れば店内に必ずそのテーブルが置かれた席があると言ってもいいほど、普及率が高い中華テーブル。 わざわざ説明しなくてもご存知かと思いますが、真ん中がく…

あの頃、蝉は寝ぼけていた

幼い頃の夏休み。 東京を離れて祖父母が住む田舎へ行くと、町中から聞こえてくる大合唱にいつも驚かされた。 私の育った東京の端っこにある町は、大きな川が流れていたり、…

真夜中のカーディガンズ

真夜中にカーディガンズを聴くと危ない。 心が一気に過去へとグーっと引っ張られてしまう。 ラブミラブミ、セイザッチュラブミ。 歌声とサウンドは必要以上に心を掴んで…

グラス売り場は怖くて歩けない。

プレゼントを選ぶ時間は楽しい。 果たして喜んでくれるだろうか?という不安が適度なプレッシャーとなって、自ずと選ぶ時間も長くなる。 自分の物ならばどんな買い物でもす…

エースに完敗!乾杯!!!

エースに完敗!乾杯!!!

(アウトだ!)

自分に向かってくる相手のサーブの弾道を見ながら、僕は確信した。
とっさにアンダーレシーブの構えを崩して、体を横にずらす。
案の定、ボールはコートのラインを越えた向こう側で音を立てて弾んだ。
線審がその手に持つフラッグを勢いよく真上に掲げたのを見て、僕は胸をなでおろした。
インアウトの判別が苦手だった僕だけれど、どうやら今回は大丈夫だったらしい。
笛をならした主審のジャッジも当然ア

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想いを今届けたい。

想いを今届けたい。

ここ5年間くらい、ずっと心に思っていたことがある。
それは

『2020年に全ての力を解放しよう』

ということ。
最初はただ漠然と思っていただけ。
2020年はちょうど40歳になるし、東京オリンピックもあるし。

正直なところ思いついたときにはむしろ色々なことができていないことの言い訳だったのかもしれない。

「いや、俺はまだ本気出してないから」的な。
「本番は2020年からだから」的な。

 

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グッバイ僕らの青春、ポケットベル。

グッバイ僕らの青春、ポケットベル。

東京テレメッセージが9月末日をもって、サービスを終了しました。
ビジネスツールとして、そしてコミュニケーションツールとして、約半世紀に渡って利用されてきたポケットベル。

「ポケベルが鳴らなくて」は今日から日本国民全員が対象です。
鳴らなかったからといって恋が待ちぼうけしているわけではないけれど。

1980年生まれの僕にとって、ビジネスツールとしてのポケベルには馴染みはなく、それは専らコミュニケ

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あのセリフを言うべきなのはムスカだった!

あのセリフを言うべきなのはムスカだった!

先週の金曜日をもって今年の「3週連続 夏はジブリ」が終了した。
今年のラインナップは

・千と千尋の神隠し
・崖の上のポニョ
・天空の城ラピュタ

だった。

やはりラピュタは文句なく面白い。
全く無駄なシーンが無い。
ずっと集中して観ていられる。
意外とそういう映画って少ないんじゃないだろうか。

さて、金曜ロードショーでラピュタが放送されるといつも盛り上がるのがパズーとシータが滅びの呪文をいう

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いつの間にか球児たちを追い越していた

いつの間にか球児たちを追い越していた

「大きなお兄ちゃんたちが野球をやっている」

幼い頃の思い出として、頭の片隅に残っている夏の甲子園。
ブラウン管の向こうで野球をしている高校球児たちはとてもまぶしくて、とても大きなお兄ちゃんに見えた。

高校野球といえば松山商業だった。
祖父母が松山に住んでいたから。
スポーツニュースで真っ先に流れるその試合結果を見て、祖父は表情にこそ出していなかったが、機嫌が良くなったり悪くなったりした。

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ジブリ映画が僕は浮気性なのではないかと不安な気持ちにさせる

ジブリ映画が僕は浮気性なのではないかと不安な気持ちにさせる

 今夜の金曜ロードショーは”千と千尋の神隠し”らしい。それを知った僕は、朝からわくわくが止まらない。
千と千尋の神隠しは映画館で観た。今ふと思い出したけれど、初めて一人で見た映画が千と千尋の神隠しだった。川崎の映画館で。

 もう18年も前の映画だというのだから驚いてしまう。
20代で初めて映画館で見てから、その後も何度も何度も繰り返し見た。
DVDは買ったし、ハードディスクには以前放送された金曜

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ねずみ花火なんてなくなってしまえばいいのに

ねずみ花火なんてなくなってしまえばいいのに

 今年の夏も毎日暑い日が続いている。
さっき今週末の天気予報を見てみたら土曜日の東京の最高気温は37℃!
それだけでも十分驚きなのに最低気温を見てみたらなんと29℃。
僕らが幼い頃の真夏の最高気温じゃないか。
人も冷房も息つく暇のない夏。

 そんな暑い暑い夏を彩る風物詩はいくつもあるけれど、その代表格として挙げられるのが花火だろう。
もちろん花火は夏に限ったイベントでは無いし、ディズニーランドで

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自己紹介 | 僕ショウタトウゴです

自己紹介 | 僕ショウタトウゴです

【2019年8月9日更新】
ある程度時間が経っているのに初めましても何も無いんじゃないかと思いますが、プロフィール記事に関してはまだ書いていませんでしたので、ここで初めましての挨拶も兼ねて一度書きたいと思います。
「私の生い立ち」や「愛して止まないものたち」のこと、そんなことを書いて皆さんに少しでも私のことを知っていただければ幸いです。

ところで普段記事を書く際には一人称を「僕」にして書いていま

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日本の夏が失った夕涼み

日本の夏が失った夕涼み

【夕涼み】 夏の暑かった日の夕方に、戸外や縁側に出て涼を取り、夏の夕暮れを楽しむこと

一日中とにかく暑い毎日が続く夏ばかりで、夕涼みという言葉はどこかへ行ってしまった。
きっと今の子供たちがそれを聞いても一体何の事だろうと思うに違いない。
東京には涼しい夕方も無いし、縁側も無い。

夏休みの早い時間にお風呂に入ることがたまらなく好きだった。
昼間に目一杯遊んで帰り、いつもより冷たいシャワーを浴び

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よっちゃんイカが僕に自分でやってみることの楽しさを教えてくれた

よっちゃんイカが僕に自分でやってみることの楽しさを教えてくれた

全英女子オープンで渋野日向子選手が優勝という快挙を成し遂げた。
開幕時には全くと言っていいほど注目されていなかった選手が日本人として史上二人目の、実に42年振りとなるメジャー制覇を達成したそのストーリーは海外でもシンデレラストーリーとして賞賛を伴って報道されているようだ。
どうも暗く不安なニュースが多い最近の報道の中にあって、際立って明るいニュース。
終始笑顔でラウンドする渋野選手の姿もまたその明

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真っ赤に染まる空を見て、僕らは火事だ火事だとバイクで走り出した

真っ赤に染まる空を見て、僕らは火事だ火事だとバイクで走り出した

大学一年生のときに車の免許は取ったけれど、交通手段は主に原付だった。
車は親の持ち物だったし、そこまで行動範囲も広くなかったから原付で十分だったんだ。

大学へも原付で行った。
中原街道と環七を使うとおよそ40分程度で着いた。
一度だけ雨に濡れた道路でスリップして転んだことがあったけれど、他には大きな事故をすることもなく、楽しい原付ライフを送っていた。

アルバイトは近所の焼肉店でしていた。
時給

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コインランドリーのあの匂いがたまらない

コインランドリーのあの匂いがたまらない

コインランドリーのあの匂いが好きだという人は多いはずだ。
僕はどうかと言うと、すごく好き。そして嫌いな人なんてきっといないだろうくらいに思っている。
けれども先ほど試しにGoogleでコインランドリーと入力してみたら、「匂い 好き」よりも「匂い 嫌い」の候補が上位にいた。

ああ多分何かの間違いだろう。
というよりあの匂いが好きな人は、きっといちいちそれについて主張したりせず、コインランドリーに入

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中華テーブルが日本発祥だったなんて!

中華テーブルが日本発祥だったなんて!

中華料理店に入れば店内に必ずそのテーブルが置かれた席があると言ってもいいほど、普及率が高い中華テーブル。
わざわざ説明しなくてもご存知かと思いますが、真ん中がくるくる回るあれです。

子供がやたらと回したがるあのテーブル。
完全に中国発祥の物だと思っていたのですが、どうやら日本発祥のもので、しかも目黒雅叙園で生まれたものらしいんです。
大田区出身の僕は、随分と近くで生まれたものだと驚いてしまいまし

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あの頃、蝉は寝ぼけていた

あの頃、蝉は寝ぼけていた

幼い頃の夏休み。
東京を離れて祖父母が住む田舎へ行くと、町中から聞こえてくる大合唱にいつも驚かされた。
私の育った東京の端っこにある町は、大きな川が流れていたり、その川沿いにはそれなりに大きい公園があったりして、都会にしては確かに緑が多い場所だったけれど、夏になると聞こえてくる蝉の声のボリュームはやはり田舎のそれには全く敵わなかった。
どうして田舎の方が大きく聞こえるのかは、もちろん生息している数

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真夜中のカーディガンズ

真夜中のカーディガンズ

真夜中にカーディガンズを聴くと危ない。
心が一気に過去へとグーっと引っ張られてしまう。

ラブミラブミ、セイザッチュラブミ。

歌声とサウンドは必要以上に心を掴んで離さない。

もう少し手前で止まることを想定していたのに、それ以上に過去へ引き戻される。

フーミフーミ、ゴーオンナフーミ。

けれどもいくら過去へ戻されても、想っているのは現在(いま)の人。
どれだけ戻されても、結局頭に浮かぶのは現

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グラス売り場は怖くて歩けない。

グラス売り場は怖くて歩けない。

プレゼントを選ぶ時間は楽しい。
果たして喜んでくれるだろうか?という不安が適度なプレッシャーとなって、自ずと選ぶ時間も長くなる。
自分の物ならばどんな買い物でもすぐに決められる自信があるのにそれとは大違いだ。
途端に優柔不断が顔を出す。

そんな優柔不断な私にとっての強い味方が百貨店である。
あっちの店に行ったりこっちの店に行ったりと器用に買い物をすることに慣れていない私にとって、一つの建物にたく

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