高巻 渦
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「恐怖ショー」 三話
満身創痍の身体を引き摺りながらメインテントへと歩を進める。延々と悲鳴を上げ続けている左半身と頭は、俺の動きを一層鈍くする。それでも演目のために向かう時と比べれば、数段気分は良かった。
向かったのはいつもの裏口ではなく、客が出入りする表口の方だった。初めて見る観客たちの背中は、やけに小さく見えた。ステージでは暗所恐怖症の少年が、ダグラスの鞭に打たれて泣いている。俺はビルの置き土産であるスピリタ
「恐怖ショー」 二話
ボクンという嫌な音と共に、地面に叩きつけられた。全身を襲う激痛にのたうち回りたいが、背中を打って呼吸が出来ず、身体も動かない。かろうじて首を曲げると、軟体動物の死骸のようになっている自分の左腕が見えた。ひどい耳鳴りの中、微かに客席から上がる歓声が聴こえる。ペンの尻拭いは無事に果たせただろうか。そんな考えを巡らせていると、霞んだ視界にダグラスの足が映った。
「しぶてぇ野郎だ、お前の母親はこれでくた
「恐怖ショー」 一話
とある時代のとある国。一軒のバーで、酒に酔った四人の青年が、世界の七不思議について顔を合わせて話し込んでいた。彼らの口から語られるのは、どこかで聞いたことがあるような子供騙しのチープな物ばかりだった。だが、酒の肴にはそれが丁度良かったのだろう。彼らは深夜まで話に花を咲かせていた。そのうち、一人がこんなことを尋ねた。
「世の中には俺たちの知らない物がまだ沢山ある。今から俺が、誰も知らないとっておき
「恐怖ショー」 あらすじ
とあるバーで酒に酔った男たちが、恐怖症患者を見世物にして世界を回る闇のサーカス団の噂を話している場面から物語は始まる。
舞台は変わり、闇のサーカス団に所属している高所恐怖症で白髪の少年、フォールを主人公に物語が進む。団員には他にも閉所恐怖症の大男や蜘蛛恐怖症の少女がおり、下劣な支配人によって無理やりサーカスに出演させられ、生傷の絶えない生活を送っていた。
先端恐怖症の団長が過酷な演目に耐え切れず死
退屈しのぎに丁度良いドキュメンタリー番組レビュー #1
※注意※
本項には虫の写真が使用されています
深夜にツイートした通り、現在Amazonプライムで配信中のドキュメンタリー番組
「キング・オブ・ペイン」が面白すぎるのでその紹介をしたいと思う。
番組の内容を至極端的にざっくり説明すると
「外人二人が有毒生物にちょっかいを出しまくり、どの毒が一番キツいかをその身を以て確かめてランク付けしていく」
という、いわば人体実験である。
彼ら二人は有毒生物