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【都市計画家列伝】第1回 イルデフォンソ・セルダは現代バルセロナに何をもたらしたか ③考察編
都市計画家列伝の第1回としてバルセロナの都市拡張事業を担ったイルデフォンソ・セルダを取りあげている。第1部ではバルセロナの歴史とセルダの生きた時代を、第2部ではセルダの都市計画理論とその結果について取り上げてきた。最後に、セルダは現代バルセロナに、そして現代都市計画に何をもたらしたのか。彼が都市に対して抱いた理想の意味を問う。
5. 科学としての都市計画を問い直す3aで紹介した吉村氏の主張の通り
【都市計画家列伝】第1回 イルデフォンソ・セルダは現代バルセロナに何をもたらしたか ②理論編
都市計画家列伝の第1回としてバルセロナの都市拡張事業を担ったイルデフォンソ・セルダを取りあげている。第1部ではセルダの生きた時代とバルセロナ、セルダの生い立ち、そして都市拡張事業をめぐる政治的思惑について解説した。そして第2部ではセルダの都市計画思想と、彼の思いがどの程度実現されたかに迫っていく。
3. セルダの都市計画思想a) 科学としての都市計画の黎明
バルセロナ都市生態学庁やカタルーニャ
【都市計画家列伝】第1回 イルデフォンソ・セルダは現代バルセロナに何をもたらしたか ①歴史編
はじめに:なぜイルデフォンソ・セルダか昨年の交換留学中に欧州を中心に14か国41都市を回った。その41都市の中で群を抜いて魅力的だったのがバルセロナである。そのすごさは何と言ってもストリートの賑わいにあった。道路という道路が公共空間となり、当たり前のようにカフェやレストランの座席、ベンチ、子供向けの遊具などが置いてある。どの道路でも信じられない数の人が行き交い、そしてくつろいでいた。それにとどまら
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ロンドンに来て2か月余り、東京と最も異なっていると感じるのはその民族的多様性です。私の住んでいるエリアは学生が多いこともあり、街を歩いていても東アジア系、南アジア系、アフリカ系が多く、所謂白人のイギリス人の方が圧倒的に少数派だと感じます。実際に2011年の国勢調査では、ロンドンの人口のうち"White British"は44.9%のみであり、18.5%をアジア系、14.9%を他の白人、13.3%を
もっとみる【曇天をゆく3】中流階級の理想郷を目指したBarbican Estate ~ロンドンまちあるき~
こんにちは。ロンドンは少しずつ寒気が増し、霧が出るようになってきました。さて、「曇天をゆく」第3弾は、ロンドン中心部のシティに位置する大規模団地、Barbican Estateを紹介します。世界中で急速に郊外化が進んだ第二次世界大戦後の時代、都心に中流階級の理想郷を作るという信念をもって建てられたこの団地は、そのモダニズムすぎる建築と優れたコミュニティづくりで人々を惹きつけ続け、今やその平均価格は
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ハリーポッターにおいてホグワーツ特急が発車する9¾番線で知られるKing's Cross駅。「曇天をゆく」第2弾の舞台は、そのKing's Cross駅のすぐ北に位置する、線路で囲まれた約27万㎡の敷地です。現在Google, Meta, ガーディアン紙などがオフィスを構えるこのエリアは、四半世紀前にはナイトクラブが繫栄し犯罪が後を絶たない超危険エリアでした。ハリーポッターに負けず劣らずのドラマチ
もっとみる【曇天をゆく1】Hackney Centralとジェントリフィケーション ~ロンドンまちあるき~
こんにちは。都市計画を学ぶ者にとって、ロンドンは特別な街です。それはロンドンが史上初めて「都市問題」に直面した街であり、「都市計画」が生まれた場所だから。現在でも森記念財団の世界都市ランキングで1位に君臨するこの都市は、世界的な政治・経済・文化の中心地であり、新しい都市政策や都市運動を生み出し続けています。
この連載では「曇天をゆく」と題し、ロンドンの中でも特に興味深いエリアを紹介していきます。世
都市工学科都市計画コース進学にあたって、所信表明。
“The study of geography is about more than just memorizing places on a map. It’s about understanding the complexity of our world, appreciating the diversity of cultures that exists across continents.
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