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本の棚 #小説コーナー

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ぼくの好きな小説をどんどん並べていくコーナー。 森博嗣さん、有川浩さん、三浦しをんさんは昔から好きで最近は時代小説にチャレンジしていく予定。おすすめの小説があれば是非おしえてほし… もっと読む
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記事一覧

本の棚 #257 『人望とは何か?』

本の棚 #257 『人望とは何か?』

人望とは?

〇〇とは?と問われると

意外と答えに困ることに気づく。

普段使っている言葉ですらそうだ。

言葉は便利だけど、いつだって曖昧で

そのわりにパワーをもっている。

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人望がある人ってどんな人?と聞かれると…

「誰からも好かれる人、嫌われない人」

みたいに答えてしまいそう。

そこで大切なのが組織の価値観であり

価値観を明確に行動として落とし

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本の棚 #203 『夢をかなえるゾウ0』

本の棚 #203 『夢をかなえるゾウ0』

「あなたの夢はなんですか?」

このシンプルな質問に

歳を重ねるごとに答えにつまる。

子どものころはそうだっただろうか?

自分の可能性に限界を感じることなく

壮大な夢を追いかけていた人もいれば

わりと最初から現実的に人生を捉えて

夢について多くを語らずに

大人になっていく人もいると思う。

みんな夢をもったほうがいい、

そんなこともないかもしれない。

でも夢をもって、叶えようとし

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本の棚 #192 『舞台』

本の棚 #192 『舞台』

昔読んだことがある気がするけど

帯に書いてあった

自分を「演じる」こともある。
そんな自分も愛してほしい。

この言葉をみたときに

「よし、もう一回読もう」となった。

ありのままで、という歌が流行るくらいに

ありのままでない姿で、演じている自分で

生きていると考える人が多い。

でもありのままとは、なんだろう。

ありのままでない姿で、というよりは

ありのままに憧れる、

ありのまま

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本の棚 #162 『レインツリーの国』

本の棚 #162 『レインツリーの国』

久しぶりに小説を手に取った気がする。

一冊のライトノベルによってつながれる

二人の物語は、読み始めたら最後…

一瞬で読み終わる。

有川浩さんのコトバのつかい方は

乾いたのどをうるおす常温の水のように

スーッと身体に染みわたる。

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『フェアリーゲーム』の棚の前

『フェアリーゲーム』というライトノベルの

感想が書かれたブログがきっかけで

知り合った二人

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本の棚 #155 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』

本の棚 #155 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』
ブレイディみかこ

中学2年になった息子くん。

前著のときよりも大きくなり、相変わらず

いろんなことに対して「なんで?」と思い

自分の発言でいざこざが発生したり

人種、性別、文化…様々な違いに気づく。

インターネットの発展はいろんな壁を

ぶち壊していく。

特に物理的な距離は「どこでもドア」まで

もう少しのレベルではな

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本の棚 #145 『聖の青春』

本の棚 #145 『聖の青春』

「心を燃やせ」

煉獄さんの言葉を人生をかけて体現した

そんな人物ではないか。

松山ケンイチさん主役で映画化もされたから

ご存知の方も多いと思う。

村山聖さん、将棋界最高峰である

A級棋士としてその生涯に幕を閉じた。

29歳という若さでの死。

そのなかにぎゅっとつまった青春物語。

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将棋は病院のベッドで生活する少年にとって、限りなく広がる空であった。

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本の棚 #113 『冷静と情熱のあいだ』

本の棚 #113 『冷静と情熱のあいだ』

『冷静と情熱のあいだ』
江國香織

昔の彼の影を忘れられないまま

パートナーと楽しく過ごす日々。

今の生活への不満は…とくにない。

そんな毎日を過ごす中で、

ある友人の訪問をきっかけに

過ぎ去ったはずの情熱を沸々と思い出す。

無理矢理抑えているわけではなく、

どこか自然と収まっていたはずの

冷静な自分が、崩れていく。

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ーー本が好き

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本の棚 #103 『販売魔女と死の眼鏡』

本の棚 #103 『販売魔女と死の眼鏡』

『販売魔女と死の眼鏡』
竹内謙礼

「お客様の心の声が読める眼鏡」は

どうやら魔女の世界でつくられた代物らしく

経営不振の鞄屋さんの店主のもとに

突如現れた。
(炒めていた焼きそばの中に突然…)

魔女から丁寧にその眼鏡の能力の説明を受けた店主は

「これがあったら百人力やん」

とばかりに魔女に返却するどころか

接客で使いまくる始末…

お客様の心の声が聞こえることで

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本の棚 #100 『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』

本の棚 #100 『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』

『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
喜多川泰

ぼくは自分で言うのもなんだが

「運がいい」と思っている。

特に人との出会いについては

どこに行っても「いい出会い」がある。

京都の高校での出会い

高知の大学での出会い

仕事を始めてから大阪→札幌→横浜

そして現在長期出張中の鹿児島。笑

どこにいっても感動的な出会いがあって

その都度成長させてもらっている。

これが例えばずっと

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本の棚 #97 『彼女は一人で歩くのか?』

本の棚 #97 『彼女は一人で歩くのか?』

『彼女は一人で歩くのか?』
森博嗣

ついにウォーカロンの話が始まる。
一人で歩く=walk alone=ウォーカロン。

人間のようで人間でない?

反最適化だと?

人類の未来図のようにも思えるこの小説を

ファンとして待っていた人は多いんじゃないか。

そして孤高の天才、真賀田四季がどう関わってくるのか。

期待度がかなり高い状態でこの「Wシリーズ」が幕を開ける。

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本の棚 #88 『格闘する者に○』

本の棚 #88 『格闘する者に○』

『格闘する者に○』
三浦しをん

漫画喫茶で就職活動をサボる可南子。

となりには営業をさぼるサラリーマン…

なんとも肩の力の抜けた始まり。

この「脱力感」が、いや「人間らしさ」の描き方が

三浦しをんさんを好きな理由の一つだ。

今日も楽しみな小説を読むために

特急ではなく各駅停車を選択する。

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問題の表紙に、「適性検査(SPI)試験」と書いてあった。なぜ百

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本の棚 #83 『空の中』

本の棚 #83 『空の中』

『空の中』
有川浩

空で…なにか起きている。

高度2万メートルで度重なる飛行機事故。

原因不明。

それと同じ時期に高知の浜辺に打ち上げられた

乳白色の物体…クラゲのような姿だが…?

謎が明らかになっていくたびに感じる

有川浩という人の想像力の高さ。

どこからこんな発想が出てくるんだろうか。

作中で使われる土佐弁がなつかしく感じる。

仁淀川ではよく遊んだな。

ストーリーはもちろ

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本の棚 #69 『四季 冬』

本の棚 #69 『四季 冬』

『四季 冬』
森博嗣

『四季 秋』とはうってかわって

真賀田四季の思考トレース祭りだ。

これは読むだけ無駄だ、凡人には遠すぎる。

目で文字を追うことはできても、それだけだ。

読むという行為には程遠い。

とはいえつまらないということではない。

天才の行く末を見たい、

そんな好奇心さえあれば

最後まで楽しむことができるはずだ。

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「人間がお好きですか?

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本の棚 #67 『四季 秋』

本の棚 #67 『四季 秋』

『四季 秋』
森博嗣

『四季 夏』は14歳の四季を描いた物語だった。

それから15年後に『すべてはFになる』で

29歳の真賀田四季は再び衝撃的な事件を起こし、

それ以降メディアから姿を消す。

皮肉なことに、それが彼女の神秘性を加速させる。

あれから4年…

ぼくの好きなコンビ、犀川創平&西之園萌絵が

過去を振り返りながら、四季を追いかける。

おそらく、四季シリーズでは最もおもしろい

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