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遠くつながった「遠い朝の本たち」
タブッキやカルヴィーノなど、とりわけイタリア文学の素晴らしい翻訳で知られた須賀敦子さん、一方では瑞々しいエッセーを数多く書いている。そのうちのひとつ「遠い朝の本たち」。平明で親しみのある文章は軽快妙味、まったき嘘のない言葉に感じられる。誰にも書けるようでいて、書くにはもっとも難しい文章かもしれない。
「遠い朝」とは、自身の少女時代のことを指す大変詩的な表現だが、少女から大人へ成長する道すがらに出
タブッキやカルヴィーノなど、とりわけイタリア文学の素晴らしい翻訳で知られた須賀敦子さん、一方では瑞々しいエッセーを数多く書いている。そのうちのひとつ「遠い朝の本たち」。平明で親しみのある文章は軽快妙味、まったき嘘のない言葉に感じられる。誰にも書けるようでいて、書くにはもっとも難しい文章かもしれない。
「遠い朝」とは、自身の少女時代のことを指す大変詩的な表現だが、少女から大人へ成長する道すがらに出