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図書館の話(独学者のたわごと)
初めて手に入れた自由は図書館だったかもしれない。
小学生の頃、市立図書館の予約制度を覚えた私は、猛烈に本を借りた。館内の端末で蔵書を検索し、予約。用意ができたと電話が来るなり、自転車を飛ばして借りに行く。このやり方でズッコケ三人組全50巻を読破した。
総合の授業で地域の人に取材しなければいけなかった時には、図書館職員に話を聞いた。「うちは小さな館だから、利用者のための閲覧席を増やせないのが課題」
あんなに怯えてたあの日の事を忘れてしまうの?
国に帰ってきた。視界の隅まで、何が起きているのか分かった気になれる土地で、学生のころ着ていた服をちょっと地味に着こなして、私の知ってる言葉で私を褒めてくれる人たちに囲まれて。文脈0の土地で向き合った醜い感情は、縫合され癒えていく過去と現在の下で、冷えて固まりつつある。
就活をしたり、アルバイトをしたり、勉強をしたりした。金を稼ぐこと、学びたいことを学ぶことに何の疑いもなかったから、シフトとレポー
不器用さを自覚すると沁みる人
「なんとなく」が苦手な者なりの、ストレスのない暮らし方。
それは「全て決めてしまう」ことだ。
歯ブラシを変える頻度とか、衣替えの日付とか。「なんとなく汚れてきたから」「なんとなく寒くなってきたから」は苦手だ。そんなの気のせいな気がするし、そんな気まぐれで期間が長くなったり短くなったりするのが気持ち悪い。
この習慣は、いかにも「頭の固い人」という感じがするので、あまり人には言いたくない。なんな
映画コース終わりました
6週間のドキュメンタリー制作コースが終わった。
何にも楽しいと思えなくて、ほかに見つめるものがないから仕方なく自分を見つめていたそれまでの生活から、打って変わってのカラフルな嵐のような時間だった。
あまりにも大切だったその時間を、少し丁寧に振り返ってみる。ひよっこにはけもの道に見えるありふれた旅路に、しばしお付き合いください。
最初の壁はテーマ決めだった。
最初の2週間で、受講者は個人でテ