ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。…

ミック@アート好きのノート

人生を彩って豊かにする芸術に夢中になって、日々書き連ねています。アラフォーの男性です。 文学・音楽・絵画・映画を主に、ファッションや建築も。 芸術に関するエッセイや批評、創作の短編小説を定期的に更新中です。

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固定された記事

初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

はじめに 皆さん、こんにちは。ミックと申します。これからこちらで、芸術についてのエッセイや批評、創作を定期的に発信していきたいと思います。 内容は、文学・音…

幸福の比喩 -小説『春は馬車に乗って』について

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【水曜日は文学の日】 旅をすることは、自分の内面を探検すること。それは、ロードムービーや、旅を巡る小説における魅力でしょう。 私が好きな「旅をする小説」…

初めのご挨拶、簡易サイトマップと更新スケジュール

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はじめに

皆さん、こんにちは。ミックと申します。これからこちらで、芸術についてのエッセイや批評、創作を定期的に発信していきたいと思います。

内容は、文学・音楽・絵画・映画の四本柱を中心に、もしかしたらファッションや建築もたまに入るかもしれません。

どちらかといえば、古典と呼ばれる作品が好きな傾向があります。19世紀の小説やクラシック音楽、印象派の絵画や古典絵画・映画が主な守備範囲ですが

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幸福の比喩 -小説『春は馬車に乗って』について

幸福の比喩 -小説『春は馬車に乗って』について



【水曜日は文学の日】


比喩は詩の根幹であり、小説にとってもまた重要な要素の一つです。

そんな比喩が魅力的な小説に、横光利一の短編『春は馬車にのって』があります。必ずしも大傑作とは呼べないかも知れない。でも、比喩が物語と不思議な噛み合い方をした秀作です。

横光利一は、1898年、福島県生まれ。文学を志し、菊池寛らと知り合うと、彼が発刊した『文藝春秋』にも寄稿します。

1923

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【創作】朝の市場で【スナップショット】

【創作】朝の市場で【スナップショット】


あと残っているものは何?

パブリカ、トマト、コショウ、
ニシンと食用酒と
グレープフルーツ
こんなところかな

オーケー、ちょっと休みましょう

そうだね

沢山買えてよかった

メモするくらい
こんなに沢山の種類の食材
買いこまなくてもいいんだけどね

何言っているの
私は色々な料理を作って
食べるのが大好き
食べることは喜びでしょう?

そうでもない
食べることが好きな人

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生の喜びが踊る -マティス展を巡る随想

生の喜びが踊る -マティス展を巡る随想


【月曜日は絵画の日】


国立新美術館で開催中の『マティス 自由なフォルム』展に行ってきました(5/27まで)。絵画だけでなく、彼の晩年のモニュメントの一つであるヴァンス礼拝堂を再現したパヴィリオンもあり、マティスの特色が立体的に分かる、非常に面白い体験でした。

アンリ・マティスは、1869年、フランス生まれ。最初は法律事務所で働いていましたが、ふとしたきっかけで絵画に目覚め、1891年

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夫婦で紡ぐ音楽 -映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』の美しさ

夫婦で紡ぐ音楽 -映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』の美しさ



私たちは普段、映画をフィクションと思って楽しんでいます。しかし、ドキュメンタリーでなくても、あらゆる映画には、記録という側面があります。

そんな「記録」としての様々な層が積み重なって、夫婦の「愛」を、音楽という形で創造した美しい映画があります。それが、ジャン・マリ・ストローブとダニエル・ユイレによる映画、『アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記』です。

ストローブとユイレは、それぞれ、

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 【創作】水霊の碁 第1話 江戸の花飾り

【創作】水霊の碁 第1話 江戸の花飾り


第1話 江戸の花飾り

1-1


「おとぎの町だ!」

弥之吉は声を上げた。このような美しい場所を見るのは生まれて初めてだった。石見の片田舎からこの江戸まで、幾日もかけてここまで来たのだった。

時は元禄12年(1699年)。太平の世の空気が、ようやく江戸の人々の間に根付こうとしていた。

明るい木目や瓦の家屋に、のぼりが立ち並ぶ商家。行き交う人々の色鮮やかな着物と、活気のある会話。こう

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異郷は力をくれる -ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』について

異郷は力をくれる -ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』について

【金曜日は音楽の日】


新しい場所で、新しく何かを始めること。それは、作品に力を与えてくれます。作者がその場所に開いた心で臨めば、素晴らしい変化をもたらすこともあります。

そんな異郷での新しい力を取り入れることに成功した音楽として、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界』を挙げたいと思います。

第2楽章や第4楽章のテーマがBGMに使われて有名ですが、それ以外にも聴きどころがあり、複雑な

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夢を重ねたアップリケ -傑作映画『私の20世紀』の魅惑

夢を重ねたアップリケ -傑作映画『私の20世紀』の魅惑

【木曜日は映画の日】

夢というのは、意味が分かるようで、分からないからこそ、魅力的だと思っています。

それゆえ、その中身をフィクションで扱うのは、実は結構難しい。「理解できる」と「不思議」の微妙なバランスが必要だからです。

映画でも、物語を進める「装置」として、夢は昔から使われてきました。しかし、映画が夢そのもののような不思議さに満ちている作品は多くない。そんな作品の一つが1989年のハンガ

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素直な心のうた -小説『車輪の下』の美しさ

素直な心のうた -小説『車輪の下』の美しさ

【水曜日は文学の日】


以前『三四郎』について、ある種の途上で移行期だからこそ小説として美しいということを書きました。それとは別に、不定形な素の姿だからこそ、美しい青春小説もあります。

ヘルマン・ヘッセの高名な『車輪の下』は、そんな魅力的な小説の一つです。

田舎の秀才少年、ハンス・ギーベンラートは、神学校に優秀な成績で合格します。

しかし、厳しい学校での勉強や、反抗的な少年ハイルナー等

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2024年4月のお礼と振り返り、時代小説新連載のお知らせ

2024年4月のお礼と振り返り、時代小説新連載のお知らせ


こんばんは、そして、こんにちは。ミックです。

今月もありがとうございました。改めて、皆さんが読んでくださることが、私が書くモチベーションになっています。お時間をいただいて、読んでいただくことで、皆さんにとって、少しでも楽しい時間を過ごしていただけたなら、幸いです。

今日はいつもの月次振り返り。とその前に、5月からの新連載小説についてお知らせしたいと思います。

時代小説新連載のお知らせ

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心の色をなぞる -ルドンの魅力について

心の色をなぞる -ルドンの魅力について


【月曜日は絵画の日】


前回、生涯それ程作風を変えなかった、川瀬巴水について書きましたが、絵画史には、強烈に作風を変化させた画家もいます。

変化する画家の筆頭には、生涯四回以上、意識的に画風を変化させたピカソが勿論います。しかし、彼は実のところ、かなり理詰めに考える芸術家であり、とりあえず、その変化の動機は何となく理解できます。

しかし、フランスの画家、ルドンの場合は、相当特殊な変化

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友情が紡ぐ夢の光景 -『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』展について

友情が紡ぐ夢の光景 -『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』展について


八王子夢美術館で開催中の、『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』展に行ってきました(6/2まで)。大正から昭和にかけて活躍した版画家、川瀬巴水の色鮮やかな版画を集めた、非常に見どころのある展覧会でした。


私は巴水についてそれ程詳しくなく、Xを始めて、絵画系のアカウントさんを見ていたら、非常によく出てくるので、興味を持った次第。年譜や書簡もある充実した展覧会を見て、この画家の良さと独自性が伝わってく

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【創作】最後のライブのあとで【スナップショット】

【創作】最後のライブのあとで【スナップショット】

お疲れ様

ありがとう、来てくれて

とてもいいライブだったよ
歌も踊りも素晴らしかった
観客の人たちも
とても盛り上がっていたし

私の曲に興味がないんじゃなかったの?

そんなことはないよ
僕の趣味ではないけど
今まで君のライブに行かなかったのは
君に迷惑がかかるのが嫌だったから

そうだよね
本当にありがとう
もう週刊誌を怖がる日々もなくなるし
マスクをしなくても町を歩ける
いつで

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魔力に浸る音楽 -名盤『レッド・ツェッペリンⅣ』の凄み

魔力に浸る音楽 -名盤『レッド・ツェッペリンⅣ』の凄み

【金曜日は音楽の日】


ここではない、遠い場所からの力を感じること、それは音楽の醍醐味の一つだと思っています。

そんな、遠い異界の魔力を感じるアルバムの一つが、ハードロックバンド、レッド・ツェッペリンの1971年のアルバム、通称『レッド・ツェッペリンⅣ(フォーシンボルズ)』です。

『天国への階段』という、ロック史上に残る名曲を擁し、語り尽くされた感もあるこの大傑作ですが、改めて聞くと

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「時」の真珠の魅惑-名作映画『ローラ』 について

「時」の真珠の魅惑-名作映画『ローラ』 について

【木曜日は映画の日】



時というものは、目に見えません。私たちが感じることができるのは、時の痕跡だけ。そして、それが驚くほどの美しさを見せることがあります。

そんな「時」の美しさをドラマで描き切った作品としてフランスのジャック・ドゥミ監督、1960年の映画『ローラ』を挙げたいと思います。

「ヌーヴェルヴァーグの真珠」とも言われるこの作品は、精巧かつ簡素な、素晴らしい「時」の結晶と呼

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心の中を辿る旅 -小説『失われた足跡』の魅力

心の中を辿る旅 -小説『失われた足跡』の魅力



【水曜日は文学の日】


旅をすることは、自分の内面を探検すること。それは、ロードムービーや、旅を巡る小説における魅力でしょう。

私が好きな「旅をする小説」の一つに、キューバの小説家カルペンティエルの『失われた足跡』があります。探究としての旅が個人の内面にダイナミックに結びついた名作です。

アレホ・カルペンティエルは、1904年、スイスのローザンヌ生まれ。国籍はキューバでありながら

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