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『本のない、絵本屋クッタラ~おいしいスープ、置いてます。』(本のはなし)

『本のない、絵本屋クッタラ~おいしいスープ、置いてます。』(本のはなし)

スープとコーヒーのみのカフェ『クッタラ』。絵本屋なのに絵本は並んでいない。お客の話を聞いて、その人に合った絵本を選んでくれるオーダーメイドの絵本屋さん。

友だちとの悩み、仕事の悩み、子どもの悩み…いろんなことで悩んでる人がやってくる。私がお店に行ったら、どんな絵本を選んでもらえるのだろう。

自分自身に絵本を選んでみるとしたら、どんな絵本が私の助けになるのだろう。自分を客観的に見ることが大切なん

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『無人島のふたり~120日以上生きなくちゃ日記』山本文緒さん(本のはなし)

『無人島のふたり~120日以上生きなくちゃ日記』山本文緒さん(本のはなし)

山本文緒さんの、自分の病気がわかったのが2021年4月。それから亡くなる2021年10月まで日々のことを書いた本。自分の余命がわかってからどんな思いでいたのかを知りたいと読んだ。

体調のこと、通院のこと、食べたものや会った人、思ったことが書いてある。
一番好きなカフェに行ったあとは、「もう来られないかと思っていたので本当に嬉しい」とか、デザートを作ったらダンナさんが喜んでくれて「旅行や遠出ができ

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温泉に行きたーい(本のはなし12)

温泉に行きたーい(本のはなし12)

本屋をフラフラ歩いていて目に留まったのは、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』。そして帯には「訪れた温泉は約500湯」と書いてあった。こんな数の温泉に入った人なら、私の行きたい温泉が見つけられるかも!と手に取ってレジへ。

旅行に行くときは、必ず温泉にも入れる宿を選ぶ。家より大きな湯船に入ると体がふわ~っと開放され、お湯の熱さがじわ~っと沁みてくる。この感じが好き。熱めのお湯だった時は、肌が

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通勤電車の憂鬱を和らげてくれる(ほんのはなし11)

通勤電車の憂鬱を和らげてくれる(ほんのはなし11)

朝、ホームで電車を待つ。私が乗るのは都下に向かう電車。反対ホームにやってくる電車はいつも混雑している。反対方面よりは空いているけど、それでも途中からどんどこ乗ってくる。乗り換え駅に到着。乗り換える電車は階段の下。ホームには階段が一か所しかないたから、電車の到着が重なると階段を上がる人と下りる人ですごいことになる。そして三か所しかない自動改札。ピンポーンと鳴って閉まるとなかなか開かない。私もタッチし

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自分の思考の穴に入って、じーっと底で振り返るような本(本のはなし10)

自分の思考の穴に入って、じーっと底で振り返るような本(本のはなし10)

表紙を見てかわいいな、タイトルを読んで本の話だな、と読み始めた。本屋で初めて知った作家さん。数ページ読んで、あら?なんか違う。イメージしていたものと違った。ミステリーでしたか。勝手に間違えた。でもどんどんのめり込んでいった。

4つのお話があるのだけど、どの人たちの人生もニュースに出てきそうな話。テレビのニュースで流れくる出来事(事件)って淡々と伝えられ、その人たちがどんな気持ちだったのかわからな

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私は私でいい(本のはなし9)

私は私でいい(本のはなし9)

自分の思ったことや感じたことを書き出すということを、ずっとやってきた。日記やブログにカリカリカタカタと。書くことで気持ちがすっきりしたり、落ち着いたり、改めて自分の気持ちに気づいたり。どろどろの私のココロが詰まった何十冊にもなる手帳が押し入れに眠っている。これを見られたら相当ヤバい・・・。

昔から書くことが当たり前ではあったけど、文章をもっとうまく書けるようになりたいと数年前に文章講座へ通った。

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『生きるとは、自分の物語をつくること』(本のはなし8)

『生きるとは、自分の物語をつくること』(本のはなし8)

臨床心理学者の河合隼雄さんと、小説家の小川洋子さんの対談集。小川さんの本のことや河合さんの臨床心理の話、箱庭や人生観などを話されている。

あぁ、そうだなぁと改めて心に響いた小川さんの言葉。

人は、生きていくうえで難しい現実をどうやって受け入れていくかということに直面した時に、それをありのままの形では到底受け入れがたいので、自分の心の形に合うように、その人なりに現実を物語化して記憶にしていくとい

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私もヒントをもらいたい(本のはなし7)

私もヒントをもらいたい(本のはなし7)

青山美智子さんの本に出てくる人たちが羨ましい。みんな何かしら問題を抱えているけど、ヒントをもらって、気づいて、前むきになっている。このお話の中に入って、私もヒントをもらえたらいいのに。でも、もしかしたらヒントは、そこらへんにあるのかもしれない。アンテナを張ってきょろきょろしたり、ちょっと考え方を変えて違う見方をしたら気づけるんだよって教えてもらえているのかもしれない。でも、私の解決策はまだ見えない

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自分の今をしっかり見つめる(本のはなし6)

自分の今をしっかり見つめる(本のはなし6)

久しぶりにファンタジーを読みたいな、と思って手に取ったのは上橋菜穂子さんの『狐笛のかなた』。前に『獣の奏者』を読み、不思議なお話の世界に連れて行かれた。そして今回もまた、どこかの国の不思議なお話の中に引きずり込まれた。

本の中に天狗や狐が出てくる。人に化けた狐や天狗はどんな風貌をしているのか?と想像したり、「若芽をはらんだ枝先がうっすらと赤みを帯び、あわい靄のように山肌をおおっていた。花が咲いた

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仕事の何がイヤなんだろう(本のはなし4)

仕事の何がイヤなんだろう(本のはなし4)

「私の仕事と人生、これでいいの?」という帯に目がいき、読んでみた。『店長がバカすぎて』(早見和真)

本屋さんで働く契約社員の谷原京子さんは、毎日イラついている。「もう辞める」といつも思っている。けど……というお話。

私は仕事の何がイヤなんだろう……。

そうそう、通勤がイヤだ。人の多い電車に乗り、ぐらぐら揺られ、隣に座った人のゲームを動かす手や、ながらスマホでたらりんたらりん歩いている人にイラ

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違う視点でものを見る(本のはなし5)

違う視点でものを見る(本のはなし5)

『明日は、いずこの空の下』(上橋菜穂子)は旅のエッセイ。スコットランド、オーストラリア、ポーランド、イランなどを旅されている。著者のお人柄だろう、優しい文章で、豊かな経験を味わうことができる。

オーストラリアでは羊のしっぽをおいしい!と食べたり、イランの印象が全然違ったこと、お城の階段がぐるぐるで奥行きが狭めてあるのは、鎧を着た人が歩きにくいようにしてあるなど、私の知らないことをたくさん教えても

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自分の仕事、生き方を見つめる(本のはなし3)

自分の仕事、生き方を見つめる(本のはなし3)

一日がばたばたと過ぎていくけど、日々の出来事の中でどんな感情が出てきたか、どんな考えをしたか、ちょっと見つめる時間を持とう。

『マリコ、うまくいくよ』(益田ミリ)は、同じ会社で働いている20代、30代、40代のマリコさんが、それぞれの立場でそれぞれ思ったことをつぶやいてるお話。

マリコさんたちのつぶやきを聞いている途中、何度も本を閉じた。仕事での自分の立ち位置や人間関係、この先の未来、過ぎてき

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「想像力よ、想像力」(本のはなし2)

「想像力よ、想像力」(本のはなし2)

なかなか、人の立場に立つって難しい。

わかっているつもりでも、経験していないから感じることができない思いや見えない景色がある。

上司(保育園勤務なので園長先生)に、自分がその出来事を経験していないからわからないんだ、と嘆いたことがあった。すると、「経験してないからわからないんだったら、看護師さんはどうするの?病気の人のことがわからないからってみんなの病気にはなれないでしょ。想像力よ、想像力」と

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心を動かしてもらう(本のはなし1)

心を動かしてもらう(本のはなし1)

人は人生の中に、特別な食べ物の物語を持っているんじゃないかな。

この本は、様々な人々の大切な食べ物の物語を見せてくれる。

物語の中の食べ物は「かき氷」や「ぶたばら飯」、「みそ汁」などのメニューが登場する。その中の一つに「ハートコロリット」なるものが。この食べ物はいったいなんぞや?と想像を巡らす。お話も少し不思議な雰囲気で進んでいく。

読書の良さは、楽しさを感じたり、自分の感情を代弁してもらえ

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