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雑記

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呪いの言葉と心の鍵

呪いの言葉と心の鍵

ストレスに弱かったり、メンタルが強くなかったり、何らかの病気を抱えている人ならわかるかもしれないのだけれど、誰かの何気ないひとことが、自分にとっての呪いになっているケースがよくあります。
機能不全家族の中で育ち、運動が苦手なことでクラスの子から心ない言葉をかけられたり、塾や習い事に通えば、そこで先生から言われたことが心にまとわりついてしまったり、そうでなくても屈折した人生を歩み始めているのに、屈折

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いまはあなたが遠くても

いまはあなたが遠くても

私は母と仲が良くありません。
仲が良くないといえば大したことはなさそうな感じがするけれど、ある事情から接触を避けている、というのが実のところです。
母との間には幼少期からの大きなわだかまりがあり、ある時から母と直接やりとりをすると、精神的なバランスを崩してしまうことが増えたのが原因になっています。
自分が幼少期に負った心の傷がトラウマとなり、それが母にも問題があったためだとわかったとき、お互いのた

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薬は心の杖

薬は心の杖

ここを読んでくれている人の中には、何らかの病気を抱えて悩んでいる人や、つらい思いをしている人もいるのではないかと思います。
私もそのひとりで、脳がバグを起こしているので、メンタルの病気やストレスが元となってかかる病気をいくつも持っています。
隠し立てしても仕方ないので、就職活動をするとき以外はクローズにすることもなく、こうして大っぴらに書いたりしています。

実は8月に、今就いている仕事がトリガー

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いくつになっても、初めては楽しい

いくつになっても、初めては楽しい

どこかに宣言をしておかないと、立ち消えになってしまう気がして嫌だから、ここに書いておこうと思います。
私はもうアラフィフのいい年をしたおばさんなのだけど、この年になって初めて、ある取り組みを最近始めました。
それは「フィクションを書く」ということ。
今のところは短編になる予定で書き始めています。
もともと、自分はフィクション向きではないのではと思っていた節があり、エッセイを中心に書いていければいい

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憧れの味を知る時、私は大人になる

憧れの味を知る時、私は大人になる

親の好き嫌いは家庭の食事に反映されがちで、親が嫌いな食べ物は、なんとなく理由も知らされないままに食べる機会がないまま、大人になりがちな気がします。
普段の食事のメニューは、どうしたって母親の好みに左右され、なんでセロリが出てこないのかな、とかなんとなく疑問を感じながらも、セロリが出なくても、食生活は成り立ってしまうので、あまり深く考えないまま大人になりました。
セロリが家で出てこなかったことに気づ

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手紙のマナーと最後の世代

手紙のマナーと最後の世代

先日、よく泊まりに行っていたワイン仲間でもあるペンションのオーナーから、仲間のひとりが亡くなっていたことを知らされました。
亡くなっていたのはブルゴーニュとカリフォルニアのワインをこよなく愛する人。
今年の春に肝臓がんで亡くなられたということを、オーナーも人づてにたまたま知ったのだといいます。
まだ59歳。
若くして亡くなられ、まだお子さんも成人前で、さぞ心残りだったろうと思います。
一緒にワイン

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いつまでも近づけない、惑星のようなふたり

いつまでも近づけない、惑星のようなふたり

ひどく寂しくなった時、誰に伝えるわけでもないのに、風の便りがあるはずもない彼から、連絡が来ることが多い。
「明日休みになったから、よかったらどこか行かない?」
いつだってそれは突然で、都合さえ合えば、近場のどこかゆっくり出来るところに連れて行ってくれる。
とはいえ、彼には彼の考えや好みがあり、例えば「海に連れて行って」と伝えたとしても、自分が想像している海にはたどり着けないことが多い。
例えば、私

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愛すればこその、ほろ酔い文学

愛すればこその、ほろ酔い文学

誤解を恐れずに言うのであれば、お酒が大好きなんです。
こういう言い方をすると、ふしだらとか、だらしがないとか、いい加減とか、ネガティブなキーワードが片っ端からつきそうな感じがします。
大人になるかどうかくらいの年齢からお酒と出会うのが楽しくて、ちょっと背伸びした場所に入り浸り、時にはお酒に飲まれて正体を失くし、反省することばかりが増えていくけれど、お酒をやめることは考えられません。
お酒をやめられ

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無駄だけれど好きなものに囲まれて暮らすということ

無駄だけれど好きなものに囲まれて暮らすということ

食周りの仕事をずっとしてきたこともあって、食器も含め、食まわりの道具がとても多い部屋に住んでいます。
ひとり暮らしなので6畳の居室に6畳のダイニングキッチンという間取りの部屋に住んでいるのですが、食器と調理家電がたくさんあるので、居室を圧迫していたりして、時々、ミニマルな生活を目指し始めた人の話を聞いたりすると「そうよね、そうなのよね、でもね」となります。
友達でガジェットやフィギュアなどを集めて

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人生が暇つぶしなのだとしたら

人生が暇つぶしなのだとしたら

敬愛してやまない、大滝詠一さんが生前に言ったことのひとつに「人生は暇つぶし」という言葉があります。
仕事をしてお金を稼いだり、衣食住にともなうあれこれをこなしたりするだけで、人生は意外と忙しいように思っていた私にとって、暇つぶしと思えるほど時間は長くないぞ、とも思ったりしたのですが、仕事や生活も暇つぶしのひとつなのではないかと、この年になって感じるようになってきました。
これまで趣味を仕事にしてき

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グリーンフィンガーズに憧れて

グリーンフィンガーズに憧れて

植物を育てるのが好きです。
みずみずしい緑の若葉が芽生えるのを見ると、なんだか嬉しい気分になります。
広いベランダがある部屋に住んでいた頃、いろいろな植物を育てていました。
料理に使うために育て始めたハーブに始まって、大好きな花だからと育て始めたホトトギスや、祖母が好きだった都忘れ、香りの良いバラやそれに合わせたクレマチスにクリスマスローズなど、数え上げたらきりがありません。
2009年にひとりに

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ギフトが作る笑顔と楽しみについて

ギフトが作る笑顔と楽しみについて

誕生日やクリスマスなどの記念日に、プレゼントを贈るのが大好きです。
相手の喜ぶ顔を想像しながら、どんなものがいいかなと考えたり、その人にこれをプレゼントしたら、こんなふうに楽しんでくれそうと想像したり、実際に渡した時のリアクションを想像したり。
プレゼントにまつわることは、受け取るときも、贈るときも、そのひとつひとつの物事が愛おしく、その手間すべてが楽しいなと感じたりします。
50代になるまで、ギ

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私と母のメイク・ポーチ・ストーリー

私と母のメイク・ポーチ・ストーリー

女の子なら誰しも、母親の使っている化粧品をちょっとだけ拝借して、つけてみたりしたことがあるのではないかと思います。
クラブホステスをしていた母が、夕方になると仕事の支度のために座る鏡台には、毎日使う化粧品がいろいろとしまってありました。
アイシャドウにチーク、ファンデーションにフェイスパウダー、アイラインやアイブロウ、ネイルカラーや口紅、そしてマスカラ。
仕事の時は着物だった母の化粧品は、割とナチ

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脱・手作り宣言

脱・手作り宣言

30代に入ってから、料理を作ったり、教えたりする側の仕事をしていたこともあり、手間暇かけて料理を作ったり、下拵えをするのは当たり前だと思って、ずっと過ごしてきました。
料理を始める時最初にするのは、たっぷりの出汁を引くのが当たり前。
食材は無駄なく使って、なるべく仕舞いのいい仕事を心がけるのが常でした。
例えば「ほんだし」に代表されるような、顆粒だしやコンソメなどを使うことはなかったし、化学調味料

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