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creative notes #1

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2018年7月の記事一覧

本当に意思決定が必要なことって、実は少ないかもしれない

先日、こばかなさんと意思決定の話をした。その話のまとめメモ。

意思決定の遅さや、先延ばしに巻き込まれて、チャンスを逃すケースが非常に多い。私生活でも仕事でも。

でも、実は意思決定で悩むケースは、この世にはほとんど無いんじゃないかなと思う。多くの場合、物事の選択はざっくり「ポリシーの問題」「セオリー」「不変の法則」の3種類のレイヤーに分類できるのではないかと思う。あらゆる意思決定をこの3レイヤー

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「なんで写真を撮るんですか?」

「なんで写真を撮るんですか?」

この記事に掲載してる写真は、ぼくが本当に見せたかった写真じゃない。本当に書きたいことも書いていない。なぜかといえば、読んだ人に大きなストレスを与えてしまうからだ。

人は受け入れられないストレスを感じると、現実から目を背けようとする。現実から目を背けても、現実が消えるわけじゃないのに。

現実から目が背けられなくなると、現実を見せてきた相手を叩くことで心の安定させようとする。つまり撮影者であるぼ

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土のにおい

土のにおい

(約3400字)

鶏が死んだ。
冷たく乾いた日々のあと、小雨が数日続いた。その日の朝、雨上がりの地面は太陽に暖められ、生気が立ち上り、陽光の中に生まれたばかりの小さな羽虫が無数に飛んでいるのが見えた。春の知らせは気分のいいものだ。何か新しいことが始まる予感がある。私は朝食を済ませると、庭に出て鶏の餌の準備をした。鶏に与える餌は市販の配合飼料でもいいのだけど、小米やぬか、近所の魚屋からもらうアラ、

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「厳しい上下関係」が嫌いな理由

「厳しい上下関係」が嫌いな理由

最近になって、自分がかつていたサークルが、ブラック部活だったことに気がついた。それなりに楽しいこともあったので、全部が悪いとは言わないが、多額の金額を要求され、おかしいな?と思うことは多々あった。週刊誌の報道で20年も経ってからそのことに気づくなんて、本当に間抜けだ。

最初に入った会社も同様で、おかしいな?と思うことは山ほどあった。最初の数ヶ月は違和感しかなかった。強制されるサービス残業、労働基

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他人に判断を委ねないということ

他人に判断を委ねないということ

災害時にいつも思うのは、重要な局面は自分で判断しないといけないってコトです。

現場の状況を一番わかってるのは自分です。
お役所や学校は、もはやそこまで頼れない。
周囲がなんと言おうが、自分の判断で動かないといけないときがあります。

マレーシアでは毎年ヘイズという公害があり、ひどいときには視界が真っ白になるほどの大気汚染が起きます。
こうしたとき、マレーシア人の親は親自身の判断で子供を学校に行か

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特上よりもたいせつな「並」の味。

特上よりもたいせつな「並」の味。

10年ほど前、ある高名な料理評論家の方に取材させていただいた。

はじめてのお店に行くとき彼は、ひとつのルールを守っているのだという。たとえば懐石料理のお店で、コースが「松」「竹」「梅」に分かれていたとする。このとき彼は、それがどんな値段であろうとかならず「梅」を選ぶのだそうだ。あるいはとんかつ屋さんで「特上」「上」「並」の定食がそれぞれあった場合、決まって「並」を注文する。いちばん安価なコースを

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数字が見落とすもの

数字が見落とすもの

大学時代に「数字はときに、言葉よりも雄弁である」と言われたとき、B/SやP/L、CFを見ながら、私はまだいまいちピンときていませんでした。

小さい頃から文章の世界に生きてきた私にとって、言葉よりも雄弁なものなんてないと思っていたからです。

でも、社会人になって数字をもとに考える機会が増えるごとに、「数字はときに、言葉よりも雄弁である」という言葉を身にしみて感じるようになりました。

なぜかとい

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おもしろい文章は「共感8割、発見2割」

おもしろい文章は「共感8割、発見2割」

「おもしろい文章は、内容がおもしろい」という残酷な事実がある。

 もちろん、表現や言い回し、空気感などでおもしろさを伝えられる人もいる。しかしそれができるのは、作家など一部のプロフェッショナルだけ。下手にマネすると「さむいエッセイスト」みたいになる。

 プロの書き手ではないぼくたちが「おもしろい」と思われる文章を書くためには「内容で勝負する」必要がありそうだ。

 ただ、おもしろいと思われるよ

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やがて全ては無に帰る

やがて全ては無に帰る

身を焦がすような恋心も
海を越えた野心も
彼を殺したしがらみも
無意味に愛らしい飼い猫も
やがて全ては無に帰る

一生許さないと決めた裏切りも
拭いきれない執着心も
隠された肉欲も
溶けないまま腐ったバターも
やがて全ては無に帰る

やがて全ては無に帰る
そして何もかもなくなって
忘却の彼方のままに
また何か始まるんだろう

事実

事実

ベッドから起き上がり
割と毛足の長いカーペットに踏み出す、
両手両足に軽い痛みと痺れを感じる。事実だ。

昨夜までひとしきり思い悩んだ末に
今すぐ結論するのをやめたことを忘れた、
まるでスゴロクのスタートに戻されたような気分。事実だ。

エアコンの温度感が要領を得ず、子供の頃意識さえしなかった湿った空気を呪う。
東京、夏。事実だ。

不安、焦燥感と渇感のアンバランスが胸奥を支配し、トライア

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その文章に「サビ」はあるか

その文章に「サビ」はあるか

 おもしろい文章には「サビ」がある、と思った。

 曲で印象的な部分を「サビ」という。おなじように、文章にもちゃんと印象的な「サビ」があるか? 「これが言いたいんだ!」というメッセージがあるか? そこを意識するといいのではないか。

 そして、その「サビ」に向かって「イントロ」や「Aメロ」「Bメロ」を配置していくのである。

 こんな文章があったとする。

 今日は台風が近づいているからか、低気圧

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リスペクトとは、どういうことか。

リスペクトとは、どういうことか。

百家争鳴、とはこのことである。

サッカーW杯・ロシア大会がはじまってからというもの、サッカーという競技について、それぞれの試合について、各選手のプレーについて、監督の采配について、たくさんの人がたくさん語り合っている。きのうもタクシーの運転手さんからベルギー戦の感想を訊かれた。試合終了直前の失点について彼は、ああすればよかったんだ、こうすればよかったんだ、の自説を展開していた。ツイッターでも、フ

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他人に期待しないということ

他人に期待しないということ

「他人に期待しすぎる」とトラブルが起きます。
海外に住んでいますが、日本人同士でよくトラブルが起きます。そして見ていると、大抵がコミュニケーション不足です。
言葉が足りてないんですよね……。そして、

「普通はそうするでしょ」
「常識が欠けてる」
「誠意がない。ありえない」
「マナー違反だ」

と、お互いにあるはずもない「普通」「常識」にこだわって争っちゃうんですよね。夫婦もそうじゃないですか。「

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年を取るほど叱ってくれる人が必要な話

年を取るほど叱ってくれる人が必要な話

ごきげんよう。今日は朝から田んぼの畦の草を刈りました。いよいよ夏!になって草も旺盛です。この後汗だくになったのは言うまでもありません。

ところで、大きい大人のみなさん、最近叱られたことありますか?

わたしはあります。40歳から三味線を始めて10年。当時、地元の経営者の集まりで出会った女性経営者から

「女は、仕事とは違うこと、何かひとつでもやらなきゃだめよ」

って、言われたのがキッカケです。

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