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プエラ・エテルナ(少女論4)
マリと森茉莉とアナイス・ニン。ここに私はシルヴィア・プラスも並べたい。ドラマティックな死を遂げたアメリカの美しい現代作家、シルヴィア。
彼女たちの少女性について考えるとき、浮かび上がるのが「父の娘」という概念だ。シルヴィアのたぐいまれなる詩的霊感もまた、父親との関係を通して得られたといえるだろう。
ユング派の女流分析家レナードは、大人になった女性たちの化粧顔の下の、傷ついた自己や隠れた絶望感
マリのこと(少女論1)
アナトール・フランスの『マリ』は、1886年にパリのアシェットという本屋から出版された『我々の子供たち(Nos Enfants)』のなかの一編で、ほんの3ページ足らずの短い物語なのだけれど、じつに長閑で気持ちよさそうな雰囲気なのがいい。
少女が花と同じほどにのびのびしているところとか、そこに咲いていることを心から楽しんでいる感じとか。体の芯から嬉しそうなのが伝わってくる。
矢川澄子がおもしろい