いわせ

大学職員→2024年4月に島根県隠岐諸島のひとつ、海士町に移住。挑戦の島で教育を考える…

いわせ

大学職員→2024年4月に島根県隠岐諸島のひとつ、海士町に移住。挑戦の島で教育を考える日々。仕事とか子育てとか好きな本とかをつらつらと。かわいくて愉快なよきおばさんでありたい。

記事一覧

理不尽に向き合うなど

御多分に漏れず朝の連続テレビ小説「虎に翼」に夢中である。 今週は涙腺崩壊で寅子と一緒になって毎日怒って泣いた。 涼子さまもヒョンちゃんも梅子さんもよねさんも、な…

いわせ
2日前
3

ひっかかりを記録する

寝る前に窓を見たらカメムシとヤモリとよくわからない小さい虫が大量についていて、ギャー!見なきゃよかった!と戦慄するGW終盤。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 …

いわせ
7日前
11

知ってるけど選べない

「なぜ、島根県にしたんですか?」 転職して島根の隠岐に引っ越しまーす!と周囲に報告してから何度も聞かれた質問。 それはもう偶々ですとしか言えないのだけど、この質…

いわせ
3週間前
16

新陳代謝

人生で何回目かの引っ越しをするのだけれど、なぜこうも捨てるものがたくさん出るのか毎回不思議で仕方ない。お菓子の口を止めるクリップが何故こんなに大量にあるんだろう…

いわせ
1か月前
5

春になったし、次の場所に行こうか。

前回「言葉に対してセンシティブに、真摯に、ずるしない。というのが今年の目標です」とか書いちゃってるのに、全くnoteを更新しないまま3月が終わろうとしている。時間の…

いわせ
1か月前
16

その言葉を因数分解せよ

新年から大きな震災、飛行機事故があり、仕事がはじまれば「まったくもうなんやねん」と気持ちがやさぐれることばかりが続く2024年の幕開け。 幕が開けたとか書いている今…

いわせ
3か月前
5

フェイラーが欲しくなる日

突然ですがフェイラーって知ってます? お花とか動物とかの模様がはいったドイツ生まれのシュニール織のタオルハンカチ。それがフェイラー。 フェイラー=おばさん。と頑…

いわせ
4か月前
12

Rock'n Roll is Not Dead

チバユウスケが逝ってしまった。 ミッシェル・ガン・エレファントとの出会いは、ゲット・アップ・ルーシーで、なんじゃこりゃかっこいいな!と当時大学生だった私は速攻でC…

いわせ
5か月前
6

文字と年齢の関係

世の中には「おじさん構文」だけじゃなくて「おばさん構文」と揶揄される文体があり、そのひとつに「やたら体調を気遣う」ってあったんだけど、体調と天気の挨拶がないと会…

いわせ
6か月前
1

私が彼女を好きな理由。

ジェーン・スーさんが好きだ。 作詞家、ラジオパーソナリティ、コラムニストとしてご活躍。著書多数。最近はNHKの「あさイチ」や「インタビューここから」にご出演してい…

いわせ
7か月前
6

ちちんぷいぷい

カラオケに行くといつも「あれ?もっとうまく歌えるはずだが?」と思うのですが、あれはなんなんでしょう。運動会で「もっと早く走れるはず」と思っていたのに、実際に走っ…

いわせ
7か月前
3

おひとりさま上等

宇野常寛さんの「ひとりあそびの教科書」を読んだ。 中高生向けだけど、大人が読んでももちろん面白い。 宇野さんは「ゼロ年代の創造力」で初めて出会ったときは、なんだ…

いわせ
7か月前
5

鎧が頑丈すぎるだろ

うちの息子が学校に行かなくなって一年半。行き渋りの期間もあわせると二年以上である。長くて辛い暗黒期間を経て、いまようやく「こりゃあ時間かかるわ」と腹が据わり、学…

いわせ
7か月前
7

フェミニズムリトマス試験紙

映画「Barbie」を観た。 「SHE SAIDシー・セッド」で醜悪でハードな現実を見たばかりだったので、バービーの世界はだいぶ中道というかエンタメ満載で明るく華やかで、映画…

いわせ
8か月前
4

推しが尊い

娘の推し活の付き添いで大阪に遠征してきました。 初音ミク「マジカルミライ2023」です。初参戦です。 ひとつの音楽ソフトからスタートして、ここまで多方面に創作の世界を…

いわせ
9か月前
6

人生の後半戦

夏休みである。毎日暑すぎて溶けそう。 プール!祭り!花火!と子どもは夏休みを満喫しているが、こちとらまだまだ仕事が続き、夏季一斉休業までが近そうで遠い。 最近仕…

いわせ
9か月前
4
理不尽に向き合うなど

理不尽に向き合うなど

御多分に漏れず朝の連続テレビ小説「虎に翼」に夢中である。
今週は涙腺崩壊で寅子と一緒になって毎日怒って泣いた。

涼子さまもヒョンちゃんも梅子さんもよねさんも、なぜにこんな理不尽に立ち向かわなくてはいけないのか。「女である」それだけのことでぐらぐらする足元で、それでも前を向き、何かを犠牲にし、同じ道を進めないことを友に「ごめんなさい」と謝るなんて、そんなの辛すぎる。

毎話どこかしらで寅子が発する

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ひっかかりを記録する

ひっかかりを記録する

寝る前に窓を見たらカメムシとヤモリとよくわからない小さい虫が大量についていて、ギャー!見なきゃよかった!と戦慄するGW終盤。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

私は来島して二週間が過ぎて、生活もぼちぼち整ってきて、はーやれやれと思っていたらもう連休が終わりそうです。なんということだ。

新しい土地で新しいことを始めるってこんな感じだったなあと久しぶりの感覚をかみしめつつ、今の自分がひっかかるポ

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知ってるけど選べない

知ってるけど選べない

「なぜ、島根県にしたんですか?」

転職して島根の隠岐に引っ越しまーす!と周囲に報告してから何度も聞かれた質問。

それはもう偶々ですとしか言えないのだけど、この質問では「どのようにその選択肢を見つけたのか」と「なぜその選択肢を選ぶ決断ができたのか」の二種類のことを聞かれていて、どちらのことをより聞きたいかが人によって結構違うな、と思った。

自力で見つけらる選択肢は限られている(びっくりするほど

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新陳代謝

新陳代謝

人生で何回目かの引っ越しをするのだけれど、なぜこうも捨てるものがたくさん出るのか毎回不思議で仕方ない。お菓子の口を止めるクリップが何故こんなに大量にあるんだろうか。魔法か?

一方で「あーやっぱりこれは捨てられないわ」などと思い出の品々を段ボールに詰めているあたり、シンプルでミニマルな暮らしは遠い。雑多な部屋は雑多な性格の現れだな…と達観したとて部屋は片付かず、つい広げてしまった保育園の記録を読ん

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春になったし、次の場所に行こうか。

春になったし、次の場所に行こうか。

前回「言葉に対してセンシティブに、真摯に、ずるしない。というのが今年の目標です」とか書いちゃってるのに、全くnoteを更新しないまま3月が終わろうとしている。時間の過ぎるスピードが自分だけ違うんじゃない?と寝ぼけた言い訳がしたくなるくらいには忙しい。

そんな過ぎ行く3月、久しぶりに桜が間に合わない卒業式があり、なんだか肌寒くて全然春っぽくないのに花粉症だけはキッチリ「はい、春ですよ」とやってきて

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その言葉を因数分解せよ

その言葉を因数分解せよ

新年から大きな震災、飛行機事故があり、仕事がはじまれば「まったくもうなんやねん」と気持ちがやさぐれることばかりが続く2024年の幕開け。
幕が開けたとか書いている今がもう1月下旬(!)に突入しててこちらも「まったくもう」である。2024年のスタートダッシュがすごい。

さて、そんな感情ジェットコースターだった年末年始のお休みに読んだ本は、どちらも「言葉」について考える内容で、あらためて自分の言葉へ

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フェイラーが欲しくなる日

フェイラーが欲しくなる日

突然ですがフェイラーって知ってます?

お花とか動物とかの模様がはいったドイツ生まれのシュニール織のタオルハンカチ。それがフェイラー。

フェイラー=おばさん。と頑なに思っていたのも今は昔。最近はデザインが可愛くて、アイテム展開も豊富になり、なんだかとっても魅力的なのです。パンのシリーズがかわいい。

SNSのタイムラインに登場するフェイラーのアイテムに心躍らせつつ、ハタと浮かぶ疑問。それは「フェ

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Rock'n Roll is Not Dead

Rock'n Roll is Not Dead

チバユウスケが逝ってしまった。
ミッシェル・ガン・エレファントとの出会いは、ゲット・アップ・ルーシーで、なんじゃこりゃかっこいいな!と当時大学生だった私は速攻でCDを買った。

そのころの私は毎月1回(もっと頻繁に行っていた気がする)はタワーレコードに行き、bounceを入手して隅から隅まで読んで新譜をチェックし、気になるものは片っぱしから試聴して、友だちと音楽レビューの真似事のようなブログを書い

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文字と年齢の関係

文字と年齢の関係

世の中には「おじさん構文」だけじゃなくて「おばさん構文」と揶揄される文体があり、そのひとつに「やたら体調を気遣う」ってあったんだけど、体調と天気の挨拶がないと会話がはじまらないじゃないの、ねえ。と思う。

LINEはもはやインフラだけど、実はいまだに絵文字が使いこなせない。「笑う」だけで何種類もあってそれぞれの表情の違いがつかめない。わはは。なのか、うふふ。なのか、えへへ。なのか、にやり。なのか、

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私が彼女を好きな理由。

私が彼女を好きな理由。

ジェーン・スーさんが好きだ。

作詞家、ラジオパーソナリティ、コラムニストとしてご活躍。著書多数。最近はNHKの「あさイチ」や「インタビューここから」にご出演していたので、そちらをご覧になった方もいるのではないでしょうか。

わたしはエッセイから始まって、ラジオ(生活は踊る)、ポッドキャスト(OVER THE SUN、となりの雑談)と追いかける範囲が広がり、先週は愛知県豊橋市で開催された講演会にも

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ちちんぷいぷい

ちちんぷいぷい

カラオケに行くといつも「あれ?もっとうまく歌えるはずだが?」と思うのですが、あれはなんなんでしょう。運動会で「もっと早く走れるはず」と思っていたのに、実際に走ってみたら足がもつれてこけちゃったりする現象と同じ気がする。イメージと現実との乖離。でもカラオケは好きです。

なんでも望む才能を与えてあげましょう。

と言われたら「歌が上手くなりたい」と願うだろう。と昔から思っている。

楽器とか作曲とか

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おひとりさま上等

おひとりさま上等

宇野常寛さんの「ひとりあそびの教科書」を読んだ。

中高生向けだけど、大人が読んでももちろん面白い。

宇野さんは「ゼロ年代の創造力」で初めて出会ったときは、なんだか小難しく、講演会も一度聞いたけど「難しいことを言う人だな」ってな印象しか残らず、どちらかというと苦手だったのだけど、「水曜日は働かない」で私の本棚に復活した。

ひとりあそびを楽しむことは自分との対話を楽しむことだなあと思う。
前向き

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鎧が頑丈すぎるだろ

鎧が頑丈すぎるだろ

うちの息子が学校に行かなくなって一年半。行き渋りの期間もあわせると二年以上である。長くて辛い暗黒期間を経て、いまようやく「こりゃあ時間かかるわ」と腹が据わり、学校に戻ることを目標にするのはやめた。

この心境にいたるまでに不登校関連の本をいくつか読んだけれど、一番共感して励みになったのは『学校に行かない君が教えてくれたこと』だった。

…と高らかに「学校に戻ることを目標にするのはやめた」と宣言した

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フェミニズムリトマス試験紙

フェミニズムリトマス試験紙

映画「Barbie」を観た。

「SHE SAIDシー・セッド」で醜悪でハードな現実を見たばかりだったので、バービーの世界はだいぶ中道というかエンタメ満載で明るく華やかで、映画を観終わった後に思わず「mojo dojo casa house」ってつぶやきたくなるくらいにはケンが好きになったりもする。

とはいえ、フェミニズム映画としてどうか。という解説や分析を読むと、映画を観ていたときに感じた「ち

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推しが尊い

推しが尊い

娘の推し活の付き添いで大阪に遠征してきました。
初音ミク「マジカルミライ2023」です。初参戦です。
ひとつの音楽ソフトからスタートして、ここまで多方面に創作の世界を広げられるなんてすごいよなぁと素直に感動しました。さすが「プロフェッショナル」にも出演する究極の歌姫。

そんな初音ミクのすばらしさを語るのは娘に譲るとして、今回ものすごく楽しんでいた娘を観察していて改めて思ったのだけど、推し活すると

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人生の後半戦

人生の後半戦

夏休みである。毎日暑すぎて溶けそう。
プール!祭り!花火!と子どもは夏休みを満喫しているが、こちとらまだまだ仕事が続き、夏季一斉休業までが近そうで遠い。

最近仕事をしていると、20代と30代の私グッジョブ!と感じる場面が多く、中原先生の言う通り、私も「人生の前半」の貯金で食いつないでるわ~。としみじみ思う。

当時ちょっと背伸びしてチャレンジした(せざるを得なかった場合もある)仕事や、一人で行っ

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