マガジンのカバー画像

39
読んだ本についての記事です。
運営しているクリエイター

記事一覧

【読書】外科室(泉鏡花・乙女の本棚)

【読書】外科室(泉鏡花・乙女の本棚)

 2024年3月3日(日)、泉鏡花の短編小説『外科室』を読み終えました。記録を残します。

■「乙女の本棚」シリーズ フォローさせて頂いている「G-darkさん」が紹介している本の中に、「乙女の本棚」というシリーズがあり、少し前から気になっていました。

 「乙女の本棚」は、明治以降の短編小説にイラストを交えて、絵本にしている作品群のようです。帯に「小説としても画集としても魅惑の1冊」とあります。

もっとみる
【読書】砂の女(安部公房)

【読書】砂の女(安部公房)

 2024年2月23日(金・祝)、安部公房の『砂の女』を読み終わりました。記録を残します。

■作品について 『砂の女』は、1962年に小説家・安部公房(1924~1993)によって書かれた長編小説です。新潮社のHP(新潮文庫)より、あらすじを引用します。

■感想 今回、新潮文庫の1冊とともに、ガイドブックとして、NHKの番組である「100分de名著」のテキストも用意しました。ガイドは、漫画家、

もっとみる
【読書】美しき鐘の声 平家物語

【読書】美しき鐘の声 平家物語

 2024年1月30日(火)、本『美しき鐘の声 平家物語(一)~(三)』を読了しました。記録に残すとともに、紹介したいと思います。

■本書について 『美しき鐘の声 平家物語』は、1万年堂出版から出されている意訳の『平家物語』です。
 著者は木村耕一さん、イラストは黒澤葵さん。
 全三巻で、重要と思われる場面を、木村さんが「意訳」しています。場面によっては「原文」がついていました。
 各巻にそれぞ

もっとみる
【読書】源氏物語・紫の結び3(荻原規子訳)

【読書】源氏物語・紫の結び3(荻原規子訳)

 2024年1月25日(木)、荻原規子訳『源氏物語・紫の結び3』を読了しました。感想文です。

■本書の範囲 『源氏物語・紫の結び』は、「源氏物語」54 帖から、「紫の上」との関わりを中心とした帖を抜粋して再構築した作品です。そのため、光源氏の生涯を手早く掴むことが出来ます。

 簡単に振り返ると、『紫の結び1』では、源氏の君の誕生から、都落ちした須磨、明石での生活までが描かれました(感想文→リン

もっとみる
【演劇】ヘルマン

【演劇】ヘルマン

 2024年1月、吉祥寺シアターで、川村毅さん構成・演出による舞台『ヘルマン』を観ました。記録を残します。

■はじめに 演劇『ヘルマン』は、ドイツの小説家であるヘルマン・ヘッセの「人」とその「作品」を、川村毅さんが再構成し、舞台化したものです。
 私も学生時代、『車輪の下』『春の嵐』など、ヘッセの小説は読んだことがあります。今回のチラシを手に取った時点から懐かしく思うとともに、心が震えました。

もっとみる
【読書】源氏物語・紫の結び2(荻原規子訳)

【読書】源氏物語・紫の結び2(荻原規子訳)

 2024年1月17日(水)、荻原規子訳『源氏物語・紫の結び2』を読了しました。感想文です。

■本書の範囲 荻原規子さんの現代語訳では、"中の品"の女性との関わりを別立てとしています。そのため、玉鬘十帖なども省かれています。本書には、帖でいうと、「澪標」「絵合」「松風」「薄雲」「朝顔」「少女」「梅枝」「藤裏葉」、そして、「若菜 上」の前半までが収められていました。
 以下、印象に残った部分を、感

もっとみる
【読書】源氏物語・紫の結び1(荻原規子訳)

【読書】源氏物語・紫の結び1(荻原規子訳)

 年が明け、2024年になりました。
 元日に石川県能登半島で地震が起き、noteの記事投稿も迷いましたが、日常と同じ生活を心がけようとも思い、投稿することにしました。
 『源氏物語・紫の結び1』の読書記録です。

■『源氏物語』について(1)原作

 『源氏物語』は、平安時代中期、紫式部が書いた長編の物語です。主人公の光源氏と多くの女性たちの恋愛模様が描かれています。全54帖から成り、3部に分け

もっとみる
【演劇と読書】森は生きている

【演劇と読書】森は生きている

 今日は、2023年の大晦日です。
 12月28日(木)に、劇団仲間の公演『(十二月物語)森は生きている』を観た記録を残します。

■児童劇『森は生きている』について(1)作品の成り立ち

 『森は生きている』は、スラブ民話をもとに、旧ソ連時代の1946年(Wikipedia上は1943年とあります。どちらが正確かはいつか調べてみます。)、ロシア人の児童文学作家サムイル・ヤーコヴレウィチ・マルシャ

もっとみる
【演劇と読書】オズのまほうつかい

【演劇と読書】オズのまほうつかい

 今日は、クリスマス・イヴです。
 先日、クリスマスに関連して、近くの劇場で舞台「オズのまほうつかい」を観る機会があったので、記録を残します。

■公演概要(1)会場・日程等

会場:調布市せんがわ劇場

日程:2023年12月8日(金)〜17日(日)

 せんがわ劇場は、東京都調布市にある小劇場です。ホームページから一部抜粋しますと、「地域文化の創出に寄与」とあります。実際、市民が出演する市民演

もっとみる
【オペラ】午後の曳航

【オペラ】午後の曳航

 2023年11月26日(日)、日比谷の日生劇場に、オペラ『午後の曳航』を観に(聴きに?)行きました。以下、メモを残します。
 なお、上演期間は、11月23日(火)から26日(日)の4日間で千穐楽を迎えています。

■オペラ『午後の曳航』について オペラ『午後の曳航』は、ドイツの作曲家であるハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926-2012)が、1986年から89年にかけて作曲し、1990年にドイツ

もっとみる
【演劇】ねじまき鳥クロニクル

【演劇】ねじまき鳥クロニクル

 2023年11月21日(火)、池袋の東京芸術劇場(プレイハウス)に、舞台の『ねじまき鳥クロニクル』を観に行きました。メモを残します。

■公演期間 東京公演は、2023年11月7日(火)〜11月26日(日)です。この後、大阪公演が12月1日(金)〜12月3日(日)、名古屋公演が12月16日(土)・17日(日)と続きます。

■公演スタッフ(※一部分だけですみません)
・原作:村上春樹『ねじまき鳥

もっとみる
【シネマ歌舞伎・読書】海神別荘(泉鏡花・生誕150年)

【シネマ歌舞伎・読書】海神別荘(泉鏡花・生誕150年)

 2023年10月28日(土)、神奈川県の橋本にある映画館・MOVIX橋本に、シネマ歌舞伎の『海神別荘』を見に行きました。メモを残します。

■泉鏡花・生誕150年 泉鏡花は、1873年(明治6年)11月4日生まれの文学者です。今年で生誕150年。生誕日も、いよいよ来週に迫っています。
 松竹のシネマ歌舞伎では、10月下旬から11月中旬にかけて、「坂東玉三郎✕泉鏡花」の4作品を上映しています。

もっとみる
【読書】妹背山婦女庭訓(歌舞伎絵巻シリーズ)

【読書】妹背山婦女庭訓(歌舞伎絵巻シリーズ)

 2023年7月23日(日)、歌舞伎絵巻『妹背山婦女庭訓』を読み終えました。メモを残します。

■歌舞伎絵巻シリーズについて
 今回読み終えた『妹背山婦女庭訓』は、ポプラ社から出版されている「歌舞伎絵巻シリーズ」の1冊です。
 文章を橋本治さん、絵を岡田嘉夫さんが担当しています。
 
 同シリーズは全5冊のようで、これまでに仮名手本忠臣蔵、義経千本桜、菅原伝授手習鑑、国性爺合戦、妹背山婦女庭訓が出

もっとみる
【読書】CREATIVE DECISION MAKINIG 意思決定の地図とコンパス

【読書】CREATIVE DECISION MAKINIG 意思決定の地図とコンパス

 2023年7月16日現在、田村洋一さんの『CREATIVE DECISION MAKINIG 意思決定の地図とコンパス』を読んでいます。読了したというよりは、最近の自分の問題意識に合った本のように思え、その問題意識と照らし合わせながら読んでいる途中です。
 以下、メモを残したいと思います。本に記載されていることの整理というよりは、自分の考えや問題意識の整理が中心になると思います。

■私の最近の

もっとみる