ろくでなしのK

映画すき。小説すき。栄光ナインすき。蒙古タンメンすき。新宿すき。服好き。ブレードランナ…

ろくでなしのK

映画すき。小説すき。栄光ナインすき。蒙古タンメンすき。新宿すき。服好き。ブレードランナーすき。ポテトフライすき。ゴリラすき。ひとりがすき。漫画すき。そんな人間です。

記事一覧

よるのばけもの

 旅人は、炉端で焼ける串刺しの肉のにおいと、炎のオレンジ色に見入っていた。ここ数日碌に食事をとっておらず、唾を呑んだ。 「たくさんありますから、落ち着いてくださ…

ろくでなしのK
10時間前

伝説の剣

 木こりの男は、先代である老齢の親父を仕事にいかせて今日も、ぐうたらのんべんだらりと、自室に籠っていた。ネットもテレビもないファンタジー世界だというのに、ただ寝…

週刊「我がヂレンマ」<5月6日号>

 ゴールデンウイークも最終日。  せっかくの休みなので、早めに書き出した今週号。それなりに時間を要するので、やってしまえ。ということです。  昨日、5カ月ぶりの古…

少しは東京で落ち着けって

 財布に4万円追加して総武線に乗って秋葉原駅へ。日比谷線に乗り換え、中目黒に一直線。  外国人観光客、ピンク髪タトゥー最高にクールなお姉さん、ボディガードに丁度…

記事タイトル

「ご自由にお書きください」  と、言われましても。  ま、土曜日なんで酒盛りな訳ですが、そんなことを書いてみたところで何が面白いのか。一応、アテの内容について紹介…

それまでのろくでなしのK その19

 3週間に一度、振り返ることで、今後の糧にするための企画でございます。しかし、効果のほどは一切感じられず、やっている意味を見失いがちな昨今です。最早、惰性でつづ…

鈴木高橋

 夕方のオレンジは、二人を包むように窓から差し込んでくる。  鈴木も、高橋も黒い学生服で、どうしようもないぐらい中学二年生だった。学習机の横、テレビ画面には、空…

前髪垂らした知らない奴

 軽トラ飛ばして野犬を撥ねて、畦道を突っきったその先に自宅がある。  4LDKの、白の外壁の新築一戸建て。  田んぼに芋畑、連なる山々、やるせないほど田舎である。…

野菜ジュース

 私は明日の分の野菜ジュースを、牛乳とともに買い求めた。これは仕事終わりの、敢えて取り上げることもない、日常の、瑣末な、映像の一コマに過ぎない事です。  いつも…

週刊「我がヂレンマ」<4月29日号>

 黄金週間のせいで財布の紐が緩みがち。  本日、昨日に続いて書店(丸善・津田沼店)へ。追加で買ってしまって、合計10冊(マンガを含む)である。  まぁ良い。旅行へ行…

ありがた迷惑、五月晴れ(まだ四月)

 日曜日。慌ただしく草枝刈りなどを終え、想定通りの時間に家をでることができた。  リネンでネイビーの半袖Tシャツと、ブラックのアウトドア用パンツ、ブルーのエアフ…

2

変えてみよう。 

 ドラえもんを、変えてみよう。  日本屈指の長寿アニメ。説明不要だろう。  ドラえもんの基本の流れは、のび太君の困りごとを解決する道具を、ドラえもんが提案、貸与。…

1

金曜夜話

 のっけからこんな話はどうかと思いますが、蒙古タンメン中本で北極野菜シャキシャキ(麺大盛、背脂、北極煮卵、ライス)を食べまして。  ホントにどうかと思うが、毎週…

4

鈴木空虚

 なんといっても金欠で。  鈴木はどうしようもなく天井のシミの数を数えていた。  それにも飽きて、万年床から体を起こすと、風が窓の網戸を通り過ぎ、青いカーテンを揺…

1

箍[タガ]/Vanishing point

 放送があった。  テレビに限らず、動画サイト、SNSのほぼ全て。  ほんの一時、時間にして十五秒間。  砂嵐の音声。  雲一つない青空と、緑の草原。  直後に蝋燭…

機械人形の顛末

 真っ二つ、というより強力な力で引き伸ばされたように、上半身から臓器が溢れ、鮮血の海に浸っている。  下半身からは、白い背骨が顔をだしていた。対照的に両腕はサイ…

3

よるのばけもの

 旅人は、炉端で焼ける串刺しの肉のにおいと、炎のオレンジ色に見入っていた。ここ数日碌に食事をとっておらず、唾を呑んだ。
「たくさんありますから、落ち着いてください、旅の方」
 農家の男は柔和な表情で、焼きあがった肉串を旅人に渡す。旅人は受け取ると、口いっぱいに頬張る。
 臭みはなく、適度に脂があり、甘く、美味かった。
「もう、一本どうぞ」旅人は笑顔で口にして、さらに振る舞ってもらった酒を呑んで、顔

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伝説の剣

 木こりの男は、先代である老齢の親父を仕事にいかせて今日も、ぐうたらのんべんだらりと、自室に籠っていた。ネットもテレビもないファンタジー世界だというのに、ただ寝ていた。
 太々しい、三段腹をぼりぼり掻いて、怠惰を体現し、ひたすら天井の木目を観察していた。変わり映えしない木目を、狂いを帯びた眼で。
 そろそろ腹の虫が泣き出し、それに応じ、父親の干し肉を鍋につっこみ汲んであった水を流しいれて火をおこし

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週刊「我がヂレンマ」<5月6日号>

 ゴールデンウイークも最終日。
 せっかくの休みなので、早めに書き出した今週号。それなりに時間を要するので、やってしまえ。ということです。
 昨日、5カ月ぶりの古着屋でした。
 それでも全然平気。去年のようにほぼ毎月、セカンドストリートなどでディグって(掘り出し物探し)いたのが嘘のようです。今ある服たちは、6年かけて、買っては売り、場合によっては捨て、勝ち残ってきた選りすぐりです(処分する服はある

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少しは東京で落ち着けって

 財布に4万円追加して総武線に乗って秋葉原駅へ。日比谷線に乗り換え、中目黒に一直線。
 外国人観光客、ピンク髪タトゥー最高にクールなお姉さん、ボディガードに丁度良さそうな黒人のお兄さん。ほんでまとりあえず、中目黒。
 小便大便済ませて、古着屋シミ―へ。軽妙にトーク、最早知り合い、予算は4万円。あーれでも、こーれでもない。
 よしこれだ。
 アメリカ軍のパンツ(多分80sのベイカー?)、
『GORI

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記事タイトル

「ご自由にお書きください」
 と、言われましても。
 ま、土曜日なんで酒盛りな訳ですが、そんなことを書いてみたところで何が面白いのか。一応、アテの内容について紹介してみると、宮崎地鶏の炭焼き、目玉焼き十個分です。
 なーんも面白くない。
 そんなことは書きたくない。
 どうしようもなく、頭すっからかんだからこそ、あてどなく書いている始末。その顛末。糞な週末、気分は終末。なんともおそ松。
「止めてぇ

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それまでのろくでなしのK その19

 3週間に一度、振り返ることで、今後の糧にするための企画でございます。しかし、効果のほどは一切感じられず、やっている意味を見失いがちな昨今です。最早、惰性でつづけているわけですが、3週間に一度であるからこそ、本気になって改善しようという「気」が起きないのですよ。
 つまり由々しき事態でないことが、怠惰を生んでいる原因でしょう。
 それが分かったところで、屹度、何も変わらないでしょう。
「意地でも変

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鈴木高橋

 夕方のオレンジは、二人を包むように窓から差し込んでくる。
 鈴木も、高橋も黒い学生服で、どうしようもないぐらい中学二年生だった。学習机の横、テレビ画面には、空手家とアメリカ軍人が格闘していた。二人にとってはお馴染みの、惰性まるだしのゲームだった。
 床に直置きのポテトチップスと、缶コーラ二本。座布団の色は二枚とも抹茶色だった。それはもう黙々と、何かに取り憑かれたように、勝っては負け、負けては勝っ

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前髪垂らした知らない奴

 軽トラ飛ばして野犬を撥ねて、畦道を突っきったその先に自宅がある。
 4LDKの、白の外壁の新築一戸建て。
 田んぼに芋畑、連なる山々、やるせないほど田舎である。さんさんと降り注ぐ太陽光から逃れるように、青年は家に入っていった。
 世間ではゴールデンウイーク真っ盛りだが、青年は一人、無駄に広い家で静かに麦茶をすすっている。そこはリビングルームで、無駄にデカイテレビと、彼女が選んだ枯れた草が飾られて

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野菜ジュース

 私は明日の分の野菜ジュースを、牛乳とともに買い求めた。これは仕事終わりの、敢えて取り上げることもない、日常の、瑣末な、映像の一コマに過ぎない事です。
 いつものように帰宅し、自室のドアの横に買い物袋を置いて、ショルダー
バックから財布や携帯電話をだし、所定の位置に置いて、ドアの横の本棚に置いてあった『芸術新潮/3月号』を手に取る。
「生誕100年記念特集 わたしたちには安倍公房が必要だ」
 と題

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週刊「我がヂレンマ」<4月29日号>

 黄金週間のせいで財布の紐が緩みがち。
 本日、昨日に続いて書店(丸善・津田沼店)へ。追加で買ってしまって、合計10冊(マンガを含む)である。
 まぁ良い。旅行へ行くぐらいなら、書籍を買う。
 多くの人が家族や友人、恋人と過ごす中、バス、電車、書店。
 そして、昼からドイツビール(ダルグナー・ビルスナー、ハイネケン)をあおりながら、noteを書いている。
 控え目に言って、至福と言える。
 こんな

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ありがた迷惑、五月晴れ(まだ四月)

 日曜日。慌ただしく草枝刈りなどを終え、想定通りの時間に家をでることができた。
 リネンでネイビーの半袖Tシャツと、ブラックのアウトドア用パンツ、ブルーのエアフォース1(NIKELAB AIR FORCE 1 LOW)で、出発。
 朝の6時30分から作業がはじまり、メールチェック、洗髪とつづいた。なんとも忙しいが、今日は、休日出勤。と、言っても簡単な確認と点検なので、小一時間ほどで終了。すでに汗を

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変えてみよう。 

 ドラえもんを、変えてみよう。
 日本屈指の長寿アニメ。説明不要だろう。
 ドラえもんの基本の流れは、のび太君の困りごとを解決する道具を、ドラえもんが提案、貸与。簡単に言ってこんなものだ。
 では、何を変えよう。

「のび太がしっかり者で、一切、ドラえもんを頼らない」

 ある日の夕方。
 学校から帰ってきて直ぐに宿題を始めるのび太。その様子を訝しげに押し入れから見つめるドラえもん。
(どうしたん

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金曜夜話

 のっけからこんな話はどうかと思いますが、蒙古タンメン中本で北極野菜シャキシャキ(麺大盛、背脂、北極煮卵、ライス)を食べまして。
 ホントにどうかと思うが、毎週金曜日は胃袋に負荷をかける、先日38歳になったばかりのアラフォーです。
 まぁ辛いのは辛いですが、慣れたもので、ちょっと痛ぇと感じつつも最終的に美味い。しかし、終盤になるにつれて、やんわりツラい。男として残すわけにいかず、ぐいぐい、胃へ流し

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鈴木空虚

 なんといっても金欠で。
 鈴木はどうしようもなく天井のシミの数を数えていた。
 それにも飽きて、万年床から体を起こすと、風が窓の網戸を通り過ぎ、青いカーテンを揺らした。
 外気が鼻を掠め、時計の針は午前十時を指していた。枕元の財布を覗くと、紙幣は一枚もなく、銀色の硬貨すら皆無。
 求職中で、日雇いの給料が振り込まれるのは明日。所持金四十三円で、今日という休日を凌ぐしかない。と、浅薄な決意をし、冷

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箍[タガ]/Vanishing point

 放送があった。
 テレビに限らず、動画サイト、SNSのほぼ全て。
 ほんの一時、時間にして十五秒間。
 砂嵐の音声。
 雲一つない青空と、緑の草原。
 直後に蝋燭の火。水が降り注ぎ、火は消え水は滴り、床に水が拡がり、水溜まりが迫ってくる。
 最後のコンマ三秒。黒い影が「エックス」を描き、放送は終わった。
 それ以来、
 考えることがなくなった。正確には、[箍]が外れたように振る舞うようになった。

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機械人形の顛末

 真っ二つ、というより強力な力で引き伸ばされたように、上半身から臓器が溢れ、鮮血の海に浸っている。
 下半身からは、白い背骨が顔をだしていた。対照的に両腕はサイボーグ化されており、これもまた、ハンマーのようなもので丹念に打ちつけられ、潰れたゴキブリのように粉砕されている。
 その周りを鑑識ドローンが丹念に、緑色のライトを照射し分析している。それらを三島は見下して、ドローンから上がってくる情報を手元

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