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おすすめnote 〜タイムラインから〜

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もう一度読みたい記事・応援したい記事を収録させて頂いています
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#詩

まいて踊るは 風の子たちよ

まいて踊るは 風の子たちよ

こちらのKusabueさんの俳句作品より、
2年前の同時期に描いた作品のイメージが重なり
下の句風に(?)言葉を紡いでみました。

せん越ながら、引用させていただきましたm(_ _)m

歌の表現や作法に明るくないのですが、
どのように受け応えることができるかな?と
思いを巡らせて言葉遊びをしてみるのは
純粋に楽しいなと思いました。

調べてみると連歌という形式では
複数の人達で五七五と七七を交互

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今月は詩集特集!

今月は詩集特集!

『対談 現代詩入門 』大岡信, 谷川俊太郎(中公文庫)

最近古本屋で餌箱を漁っているせいか、詩集ばかり買ってしまって、それは詩集がそれほどよまれてなくてゾッキ本のような扱いを受けているのかと思いまして、今月は詩集特集としようと思う。

大岡信と谷川俊太郎の対談本は、以前にも『詩の誕生』が面白かったが、詩の批評家としての大岡信と実作者としての谷川俊太郎はいいコンビだと思う。大岡信は、詩の歴史につい

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(詩)雪だるまの会話

(詩)雪だるまの会話

ぼくたち
雪でできているから
冷たいはずだよね

子供たちが
白い息をはきはき
つくっていたし
こんなに風も
空気も冷たいし

冷たくなかったら
ぼくたち
とけてしまうはずだよね

なのに
なんだかぼくたち
あったかいね

ほっぺただって
まっかにほてるくらい
あったかくて

やさしくて

ぼくたち
こうふくだよね

ほら
こんな真夜中なのに
子供部屋の窓から
ねむたそうな
つぶらな瞳が

ぼくた

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慶び重【ハイクサークル寄稿七句】

慶び重【ハイクサークル寄稿七句】

noteでのご縁から俳句を始めて2年ほどが経ちました。今回、平素よりお世話になっているハイクサークルより七句寄稿という貴重な機会を頂きました。主宰のKusabueさん、ありがとうございます!

普段は「一句入魂!」と力んでしまいがちなのですが、七句ということで逆に肩の力を抜いて詠めたように思います。せっかくの一月ですので新年のめでたさを意識しつつ、また普段から持ち合わせている詩情もなくさないよう、

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詩について(2)

詩について(2)

 言葉は、「伝達」や「論理」のためにある、「手段」とは限らない。

 言葉には、「詩」という「目的」がある。

 言語は何よりもまず、「伝達」の機能を持っている。たとえば、「コミュニケーション能力」という言葉がよく聞かれるが、そこで測られるのは、対面での会話技術の高さのことである。身振りや表情と共に、声を使って、自身の想いや考えを伝えたり、社交的な関係を築くために私たちは普段、言葉を酌(く)み交わ

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詩について(1)

詩について(1)



 詩は、言葉の前にある。

 詩は、言葉の芸術表現だけれど、言葉が言葉に成る前のところに詩は、ある。

 つまり、作品としての言語表現の詩の前のところに、「詩」というもの自体があるのだ。

 それが「詩情性(ポエジィ)」というものだと思う。

 日常生活のなかで、何気ないものや何気ない瞬間にふいに美的な酩酊を感じることはないだろうか。クオリアと呼ばれるような美的質感のひとつが詩情性(ポエジィ)

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はかれないもの

はかれないもの

アマゾンの中をぶらぶらしていたら、たまたま出会った本。

本屋さんのリアル店舗での思わぬ出会いもありますが、今回はネット上での出会いでした。

工藤あゆみさんという方を始めて知りましたが(汗)、ミラノ在住のアーティスト。詩と絵を組み合わせた作品を中心に立体作品やアーティストブックなど様々な作品を制作、発表している方のようです。

本には様々なテーマが1ページ毎にイラストとともに、日本語、英語、イタ

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俳句と詩 巣立鳥

俳句と詩 巣立鳥

かざす手の先へ先へと巣立鳥
【巣立鳥】初夏

《写真で一句)ハイクサークルにて

静まる時
産声をあげようとする夢
それは朧げに始まる
小さなひな鳥の助走

いつの事だろう
「さよなら」は
餞の言葉なのだと知った

一陣の風よ さあ連れて行け

ハイクサークルにて、「写真で一句」に投句したものです。詩を添えてみました。
写真をそのままお借りしています。
#現代語俳句 #詩

俳句と詩 夏の残り香

俳句と詩 夏の残り香



夏の残り香

赤々と膨れ上がった火の玉がぽとり
消えてゆく
何もかもがせつなくて
   わたしは押し黙る
線香花火が置き去りにしたものは
沁み入る程の残り香と
遠のいてゆく夏草の記憶

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夏の名残り
手花火が置き去りにした静けさよ
季語【手花火】 晩夏

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハイクサークル8月の兼題にて。
今回勧められて前書きと言うもの

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わたしを渡ってゆくもの

大好きな言葉に「人が生きるということは、ただ気持ちのよい風が吹くようなものだ」というのがある。

誰の言葉か忘れてしまったし、細かな表現は違ったかもしれないけど、このような文だった。

わたしは、とてもしっくりきた。

ふっと吹いて、気持ちいいな、となって、そうして終わっていく。
宇宙規模でみるとほんとうに風のような命だと思う。

命を比喩するにはあまりにもあっけらかんとしているけど、言い得ている

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沈黙の世界(4)言葉の誕生

沈黙の世界(4)言葉の誕生

マックス・ピカートの『沈黙の世界』より、沈黙から「言葉」が生まれ出るところの考察を引用します。

言葉は沈黙から、沈黙の充溢から生じた。

言葉に先立つ沈黙は、精神がそこで創造的にはたらいていることの徴証(しるし)なのだ、……つまり、精神は産出力を孕んだ沈黙から言葉をとり出してくる

人間の精神は、沈黙のなかに手を伸ばします。そして、産出の力に満ちた沈黙から、あふれ出る宝物をひとつ取るように、言葉

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沈黙の世界(1)──マックス・ピカートの『沈黙の世界』

沈黙の世界(1)──マックス・ピカートの『沈黙の世界』

マックス・ピカート著『沈黙の世界』(原著 1948)は、この世界の根源に「沈黙」があると考える哲学書です。

ラジオの登場や都市に騒音があふれるなか、ピカートは慎重に、かつ詩的に「沈黙」とはなにかを解き明かします。

まず、もし沈黙が根源的なものだとすれば、それを言葉で言い表せるのでしょうか。

しかし、沈黙を一つの存在なきもの、一つの空無として解するときにのみ、それは不思議に思われるにすぎない。

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沈黙の世界(2)──無用なもの、聖なる荒野としての沈黙

沈黙の世界(2)──無用なもの、聖なる荒野としての沈黙

『沈黙の世界』の著者、マックス・ピカートは、ラジオが流行し、音のあふれ出る20世紀にこの本を書きました。

沈黙は今日では「利用価値なき」唯一の現象である。

沈黙はただ存在しているだけである。

だから、人々はそれを搾取することができないのである。

他方、「天と地とのあいだの空間でさえ」今では飛行機の航行のための「明るい竪抗(たてあな)」になったとピカートは言います。

自然の世界にあるなにも

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【句集紹介】ローズティー 羽村美和子句集を読んで

【句集紹介】ローズティー 羽村美和子句集を読んで

・紹介
今回ご紹介するのは、小生が参加する俳句同人ペガサスの代表、羽村美和子先生の第一句集『ローズティー』である。この度は小生のために、ご恵贈賜りまして、心より感謝申し上げます。

ちなみに、第二句集『堕天使の羽』は紹介済みなので、こちらをご一読いただきたい。

さて。小生が先生から「留意せよ」とご指摘いただくのが、

・季語が動かない作りになっているか。

・感情を吐露しすぎていないか。

とい

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