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終わりゆく資本主義・ポスト資本主義を考えるマガジン

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記事一覧

ディストピアの落としどころ

SFと言われてきたディストピア物語を笑えなくなってきた昨今。一時期ディストピア小説や映画にハマって(今も好き)、いろんな話を見てきました。ディストピアものというのは、だいたいにおいて監視社会が基本となっており、支配者による独裁、洗脳、管理統制が描かれているものが多いです。そして現実社会もその方向にどんどん向かっていっており、こういう世の中が進んでいった先の落としどころはどこなんだろう、と考えること

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正規を減らしすぎて、「いい仕事」が消えつつある世の中

2015年に役所を辞めてからというもの、いろんな職場で非正規として働いてきて(遡れば大学時代のバイトも含め)、どこの職場へ行っても「人手不足だなぁ…」と感じることが多く、特に減らされている正規の従業員の業務過多&しわ寄せ、からの疲弊、メンタル、退職…といった流れは本当によくあることなんだなと実感しています。もう少し人がいればちゃんと回るのになぁ…と思ったことも数知れず。人手不足からの業務過多で、世

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「普通に生きること」のハードルは限りなく下げていい

大学や教育について考える記事を書くつもりでいましたが少し脱線して、私の根本的な社会に対する考え方を書いてみたいと思います。大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい という記事にも書いたように、今の私たちの社会は、「普通に生きる」ということのハードルがものすごく高いように感じています。大学に行かなくても普通に就職して家庭を持てるだけの給料がもらえる、子育てに専念したい女性が働きに出なくても生計を維

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一日四時間労働くらいがちょうどいい

「一日8時間、週5日労働」が体力的&精神的に無理すぎて、もう二度と正規では働けないと悟っている私なのですが、そんな私が手に取る本も似たような思想のものが自然と多くなります。最近読んでいたのが『怠惰への讃歌(バートランド ラッセル (著), Bertrand A.W. Russell (原著), 堀 秀彦 (翻訳), 柿村 峻 (翻訳) )』という本でした。ラッセルさんの哲学エッセイが15章ほど収録

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コロナは地球の「うちなる薬師」かも?

先週、ちょっと頭痛と情緒不安定気味(泣く)+お腹も調子悪いというよくある浄化現象に見舞われまして(笑)、結構辛かったんですけど色んなものに助けられたおかげで随分回復してきております。あー、また感情ため込んじゃってたのかなー、とか思いながらじっとしてたんですが、回復途上である本(詩集)を読んで、かなり心が癒されたので紹介したいと思います。『
預言者 カリール ジブラン (著), 佐久間 彪 (著)』

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「平凡」「退屈」を仕事とお金で解決する消費社会

少し前に、「恥」について研究している女性が書いた『本当の勇気は「弱さ」を認めること』(ブレネー・ブラウン著、門脇陽子訳)という本を読んでいたんですが、その本に書いてあったことで印象に残ったことがありました。「平凡であること」への不安が恥の感覚につながっているということです。「平凡な人生には意味がない」というメッセージが氾濫しているという考察もありました。私も同じようなことを考えていましたし、その感

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どんな仕事を「公」が担うべき?

前回のどんな人が高い給料をもらうべき?という記事に続き、「どんな~べき?」シリーズ第2弾。今回は「公」が行うべき仕事とはどんなものかについて少し考えてみたいと思います。人口減少やAI等の発達に伴い、人間と労働について、また「働いて賃金を得て生きる」という生き方そのものを見直す時期に来ているように思いますが、それでも人間がやらなければならない仕事というのは必ず残ります。また、その性質から言って、利益

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どんな人が高い給料をもらうべき?

漠然とした大きな問いをタイトルにしてみました。組織で働いていると、「なぜこんな人が私より給料もらってるんだろう?」と思うことも結構あると思います。組織の内部でも、業界別、職業別でも思うことがあるのではないでしょうか。これは一人一人価値観が違うのかな、と思う部分でもありますので明確な答えは出ないでしょうが、今の社会全体の給与体系を比較してみても、何か納得のいかない理不尽さを感じる人が多いのではないか

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悪影響はいつも後出しじゃんけん

世の中を眺めていると、不正・不祥事や人体への悪影響というのはいつも「後出しじゃんけん」的で、悪はいつも起きてからの責任を取らないものだよなぁとつくづく思います。検査不正、入試不祥事、個人情報流出、食の安全、薬の副作用などなど、安心安全公正を謳い、ろくにリスクを説明せずに人々をだまし、問題が起きても責任を取らないというのは、国や大企業、腐った組織・業界の常套手段です。

私がこの世の洗脳から目覚めた

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勝ち負けが あっていいのは 遊びだけ

たまに書いてしまう五七五タイトル(笑)。資本主義に毒された社会において、何でもかんでも勝ち負けが大事という洗脳は凄まじく、学校でもスポーツ礼賛、「勝つ=正義」というブラック部活が問題となっているし、早く死語になってくれよと思う「勝ち組・負け組」といった思想もまだまだ根深く残っています。今も昔も勝ち負けに本気になって興じる人々を冷めた目で見てきた身としては、「猫も杓子も、いい加減勝ち負けにこだわるの

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「いくらでも豊かになって良い」は貧困がなくなってから

グローバリズム、資本主義を象徴するような言葉「いくらでも豊かになって良い」。昨今ではスピ系の本やサイトなどでも見られることがあります。聞いていて心地が良くなる言葉で、欲望を無限にかきたてられるような、そしてそれを肯定してもらえるような感覚になり、この言葉に触発される人もいるのかもしれないなぁと感じます。「豊かさ」にもいろいろありますが、この場合は金銭面での意味合いが強いのではないでしょうか。「いく

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外側の理不尽から、内側を見つめて

ここのところ、政治やスポーツ界、企業の不祥事や不正ネタに事欠かなかったので、noteでもたびたび取り上げてきました。真っ当な感覚をお持ちの大多数の方は「おかしい。嘘ばっかり。もう辞めてくれ。」というような気持ちでニュースや報道をご覧になっていたのではないかと思います。例に漏れず私も同様で、いい加減利己的で強欲な性根腐った嘘つき野郎は組織のトップから退陣してくれよ…と思いながら見ていました。学校から

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悪事を握りつぶす資本主義の「正義」

最近は政治家や官僚のセクハラや女性問題のニュースが世間を賑わせているようです。地位欲や権力欲の強い人ほど性欲も強そうですよね。地位や富を手にしている人というのはたいてい若い愛人がいたりして、女性を囲っているものです。地位や富を手にしたから女性が囲えるのか、女性を囲いたいから地位や富を欲しがるのか…男性の出世欲と性欲は切っても切れないものがあるのでしょうね。

私達は感覚として、何か困ったことがあっ

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せっかくの能力・才能が不正に使われる社会

最近、世の中の動きが激しいようで、政治への批判的な報道や国会議事堂前での人々のデモなど、大きな変化が起こりそうな兆しを感じています。国(政治家・官僚)の不祥事も後を絶たず、「どこまで腐敗しきった世の中なのだ」と末端の人々までもが呆れかえっている、そんな雰囲気すらあります。どいつもこいつも嘘つき、不正…まともな人はいないのか(いたら潰されるのだけど)とため息が出ます。

官僚の不祥事、これはいつの世

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