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テラサカトモヒロという男
24歳ぐらいの頃だったと思う。
当時、交際していた幼馴染が
「すごいやつがいるから見てよ」
と言うので、慣れない東京の街のライブハウスを訪れた。
爆音と好みにならない音楽に疲れたころ、その「すごいやつ」が舞台に立った。
無言のままに演奏に入る。
そのライブパフォーマンスに僕は息をのんだ。
爆音で聞き取りづらいはずの歌詞が、気持ちいいほど僕には届いたのだ。
耳障りの良い高音が、ロック
Round and round
繰り返すばかりの時間だ
僕らのくだらない人生は
また君に出会い
また君と別れる
愛おしさと寂しさの
同じ時間を
飽きもせず
繰り返すばかりの時間だ
僕らのくだらない人生は
ただ同じ場所をぐるぐると
回るだけの虫のように
ちっぽけな僕らは
ここでただ
くだらない日々を生きている