ogayuki

ライター/プランナーなど。30代です。不定期にどばっと更新しています。

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記事一覧

水筒のはなし

水筒を買った。 夜、「のどが乾いたなあ」と思って目が覚めることが多く、 枕元になにか喉をうるおすものがほしいなと思っていた。 水差しは大げさだし、コップだとこぼす…

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6年前
2

人は見た目ではない

仕事柄、あまりスーツを着ることがない。 ジャケットくらいならもちろんあるが、 スーツを上下で着る機会は、一年でも数えるほどしかない。 人は見た目ではないとよく言わ…

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6年前
3

引っ越し(オフィスの)

数年前、数人で会社をつくったことがある。 最初は個人事業主がまとまった、ただの集い。 集いがやがてチームとなり、チームは会社となった。 それほど立派なものではなか…

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6年前
6

ネコと関心

野球にあまり、関心がない。 関西出身なのでまわりには阪神ファンが数多くいたが、子どもの頃から野球の話になるとどこかぽつねんとしていた気がする。 野球には関心がな…

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6年前
7

上海の出会い

一時期、中国・上海に住んでいた。 ジャッキー・チェンはそもそも香港出身のスターであったことや、 画数がやたら多い漢字は「繁体字」という、台湾や香港、マカオあたり…

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6年前
5

そんなタイミングよくいくかね、という話

そんなタイミングよくいくかね、と思うことがある。 最初に思ったのは、高校一年生の夏休み。 そうさんという友人に対してだった。 そうさんはどこか老犬のようなこもった…

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6年前
1

買い物上手 買い物下手

買い物が上手くなりたいと思う。 下手だとは認めたくないが、 「あ、これ買って失敗だったかな」と思うものが、ときどきある。 みんなそうなのだろうか。 先日2000円だか…

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6年前
3

なめている

なめていた、すみませんでした。 と思うことがある。 例えば、最近「スタートレック」という映画を見た。 スタートレックは言わずと知れたアメリカのSFテレビドラマシリー…

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6年前
2

昔からおなじ

先日のこと。 自分が書いた何千文字かの文章へ、クライアントから思いきり赤字を入れられた(修正指示された)。 2ページにわたる文章だったけれど、ページにはびっしりと…

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6年前
2

震災とB'z

なにを隠そう、最初に行ったライブはB'zだった。中学生のころ。 友だちがファンクラブ(B'z Partyだ)の会員だった。 「チケットとれたから、行こうよ」「うん!」。 音が…

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6年前
1

パチモノ

以前、数年間ほど中国に住んでいた。 帰国後、中国と言えばパチモノでしょ、とよく言われる。 「中国行ってたんだ、パチモノ多かったでしょ」。 あまのじゃくな自分は、こ…

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6年前
2

繰り返すはなし

ルノアールにいた。平日の午後、新宿のルノアール。いくつかの仕事を終えて、タバコを吸いながら次の仕事のことを考えていた。 斜め後ろに、年配の男性がいた。3人組。 …

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6年前
2

ランボー

ランボー。 シルベスタ・スタローンそのひと自体が 「エイドリアンと機関銃とバンダナ」 みたいなかんじでイメージが固定されていて、 正しい視線で見ることができない。 …

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6年前
4

高校野球

赤坂付近にいた。もう7月も半ばで暑くて、撮影の仕事が終わったあと、とぼとぼ歩いていた。「暑いなあ」。 元来、急ぎの予定がないかぎり、来た道をそのまま引き返すのが…

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6年前
2

夜のメトロ

夜のメトロに乗っていた。 午後9時くらい。半蔵門線で新宿から中野坂上に移動していた。 わりと空いていて、がらがらの優先座席の真ん中あたりに座ったら、対面の優先座席…

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6年前
2
水筒のはなし

水筒のはなし

水筒を買った。

夜、「のどが乾いたなあ」と思って目が覚めることが多く、
枕元になにか喉をうるおすものがほしいなと思っていた。
水差しは大げさだし、コップだとこぼすかもしれない。
ペットボトルを毎回買うのも不経済だし、
だいいち、ちゃんと飲みきれない気もする。
そのつど起きて冷蔵庫まで行けば良いのだろうが、
そもそもそれが面倒でならない。
起きるのはたいてい深夜。暗いし、眠いのだ。

そこで、水筒

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人は見た目ではない

人は見た目ではない

仕事柄、あまりスーツを着ることがない。
ジャケットくらいならもちろんあるが、
スーツを上下で着る機会は、一年でも数えるほどしかない。

人は見た目ではないとよく言われているし、自分もそうだと思っている。
思ってはいるが、
スーツ姿のビジネスパーソンに囲まれた平日午後の大手町は、
まるで大学生がふいに飛び込んだ大人の世界のようだ。
所在なく、落ち着かない。
ここにいてもいいのかなと、一瞬不安になる。

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引っ越し(オフィスの)

引っ越し(オフィスの)

数年前、数人で会社をつくったことがある。

最初は個人事業主がまとまった、ただの集い。
集いがやがてチームとなり、チームは会社となった。
それほど立派なものではなかったが。

仕事上の不便がたたって、
やがてオフィスをもうけた。小さな部屋。
大学時代に住んでいたワンルームマンションに似ている。
オフィスというか、事務所だ。

しかしながら、これは大きな一歩なのだ。
そもそも、その前はオフィスがなか

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ネコと関心

ネコと関心

野球にあまり、関心がない。
関西出身なのでまわりには阪神ファンが数多くいたが、子どもの頃から野球の話になるとどこかぽつねんとしていた気がする。

野球には関心がないが、野球中継の音は好きだ。
関心がないからなのだろうが、賑やかな音はBGMとしてすごく心地よい。

思えば、こうした「関心がないからこそ寄りそえる関係」というものは、意外に多い気がする。
学生時代、熱を入れすぎた恋愛はいつも悲劇に終わっ

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上海の出会い

上海の出会い

一時期、中国・上海に住んでいた。

ジャッキー・チェンはそもそも香港出身のスターであったことや、
画数がやたら多い漢字は「繁体字」という、台湾や香港、マカオあたりでしか使用されていない字であること、
エビチリは中国にはないことなどは、すべて現地で知った。
ようは、知識などないままとりあえず住んでみたのだ。

当時(10年代初頭だ)の上海は、埃っぽかった。
埃っぽくて、裏通りはまだまだ雑多で、有料の

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そんなタイミングよくいくかね、という話

そんなタイミングよくいくかね、という話

そんなタイミングよくいくかね、と思うことがある。
最初に思ったのは、高校一年生の夏休み。
そうさんという友人に対してだった。

そうさんはどこか老犬のようなこもった声が特徴で、
どちらかと言えばやや気が弱く、
けれどみょうに主張の強い顔をしていた。
「カッチカチやぞ!」でお馴染みの、
お笑いコンビ・ザブングルの加藤さんに少し似ている。

その日、夏休みに入りたてだった僕らは、
連れだって最寄りの繁

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買い物上手 買い物下手

買い物上手 買い物下手

買い物が上手くなりたいと思う。
下手だとは認めたくないが、
「あ、これ買って失敗だったかな」と思うものが、ときどきある。
みんなそうなのだろうか。

先日2000円だかで買った雑貨も、失敗だった。
本なんかは顕著だ。冒頭の数ページを開いて、
面白そうだと思って買うと中盤からつまらない。
お金も、時間も下手くそに遣った気分になる。

こうして考えると、
思っていた効果と違うものや
あるいは内的外的か

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なめている

なめている

なめていた、すみませんでした。
と思うことがある。
例えば、最近「スタートレック」という映画を見た。
スタートレックは言わずと知れたアメリカのSFテレビドラマシリーズで、
放送は1966年から。映画もいくつも出ている。
自分も、名前くらい知っていた。

が、なめていた。見ていなかった。
「なんか耳のとがった仲間がいて、宇宙の話で」
くらいに思っていた。
イメージでは、サンダーバードに近い感じ。

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昔からおなじ

昔からおなじ

先日のこと。
自分が書いた何千文字かの文章へ、クライアントから思いきり赤字を入れられた(修正指示された)。

2ページにわたる文章だったけれど、ページにはびっしりとした修正指示が、もう1ページにいたっては返ってすら来なかった(すべて再考してくれということだ)。

がっくり。

原因はいちいち突いてもしようがないほどたくさんあって、
最初の打ち合わせのときに認識がずれていたりとか
もちろん自分の文章

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震災とB'z

震災とB'z

なにを隠そう、最初に行ったライブはB'zだった。中学生のころ。

友だちがファンクラブ(B'z Partyだ)の会員だった。
「チケットとれたから、行こうよ」「うん!」。
音がおっきくて、ファンのあいだでは常識らしい振り付けがまったく踊れずもどかしい思いをしたけれど、ちゃんと楽しかった記憶がある。

ここ数年、きちんとB'zの曲を聴く機会がなかった。
誰かのカラオケで、とか。ラジオでたまたま、とか

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パチモノ

パチモノ

以前、数年間ほど中国に住んでいた。
帰国後、中国と言えばパチモノでしょ、とよく言われる。
「中国行ってたんだ、パチモノ多かったでしょ」。

あまのじゃくな自分は、こう言われると、
なんとなく「いや、別にそうでもなかったよ」と言いたくなるが、
言えない。実際に(少なくとも当時)パチモノは多かった。
たしか100円くらいのcrocsが売っていた気がする。
PRADAのTシャツはタグの刺繍が小学生の工作

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繰り返すはなし

繰り返すはなし

ルノアールにいた。平日の午後、新宿のルノアール。いくつかの仕事を終えて、タバコを吸いながら次の仕事のことを考えていた。

斜め後ろに、年配の男性がいた。3人組。

私服なので、もうお仕事を引退された方々だろう。野球の話しをしていた。

「ぼくは松井が好きでねえ…」
「最近、巨人が云々…」
「あの投手もなんだかんだ頑張ってるね…」

野球にあまり興味がない自分にとっては、耳に入ってくるわりにほとんど

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ランボー

ランボー

ランボー。
シルベスタ・スタローンそのひと自体が
「エイドリアンと機関銃とバンダナ」
みたいなかんじでイメージが固定されていて、
正しい視線で見ることができない。

だから、ランボーも見てなかった。
「たぶんスタローンが機関銃で蜂のようにひとを殺す映画だよ」
と思い込んでいた。

ちなみに、ランボーもロッキーも、スタローンは脚本を書いている。
とくにロッキーは当時まったく売れていなかったスタローン

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高校野球

高校野球

赤坂付近にいた。もう7月も半ばで暑くて、撮影の仕事が終わったあと、とぼとぼ歩いていた。「暑いなあ」。

元来、急ぎの予定がないかぎり、来た道をそのまま引き返すのがきらいで、その日も一刻も早く帰らなくてはいけない理由もなかったので、乃木坂のほうから帰ってみようと思った。

はじめて来た場所でわりとわくわくしていて、かといって暑いなあと思っていたら一軒、周囲の小奇麗な雰囲気に似つかわしくない純喫茶があ

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夜のメトロ

夜のメトロ

夜のメトロに乗っていた。
午後9時くらい。半蔵門線で新宿から中野坂上に移動していた。

わりと空いていて、がらがらの優先座席の真ん中あたりに座ったら、対面の優先座席、その端にヨーロッパ人らしい男性が見えた。
鼻がにょんと高く、細く、浅い金髪でややはげかかっている。30代後半くらいだろうか。

お腹が減っていたのかな。いや、減っていたんだろう。
男性は突然、手元にパックを取り出した。惣菜が入っている

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