野中 しおり(しおりん)

公立学校の英語教師を早期退職したあと大学院に進学し研究者の道に進みました。海外の教育に…

野中 しおり(しおりん)

公立学校の英語教師を早期退職したあと大学院に進学し研究者の道に進みました。海外の教育について研究しています。小学校から大学まで様々な場で教えた経験と各国での調査をもとに雑多な記事を書いています。

マガジン

  • 日常の小さな物語

    日々の生活の中で心に残った小さなできごとを綴っていきます。

  • 旅のスケッチ

    旅で出会った小さなエピソードを心象風景とともに紹介します

  • なんとなくモヤモヤ

    日常感じる小さな疑問、何となくモヤモヤすることを綴っています。

  • 放課後のメモリースケッチ

    教員時代に書いた学級通信をもとに実践を振り返りながら教育について考えています。

  • 遠い日の心象風景

    日々の中で遠い日の記憶がふと浮かんでくることがあります。時についっす実前のこともあります。そんな心象風景をとりとめもなく綴っています。

記事一覧

だいじょうぶだよ、ぼくのおばあちゃん!

ステキな絵本に出会いました。 大好きなおばあちゃんが「いろいろなことを忘れる病気」になっちゃったらぼくはどうしたらいいんだろう。おばあちゃんと過ごす中でぼくが見…

ぼくが訪ねた四国八十八カ所のあるお寺

家族で四国に出かけた。お遍路さんをたくさん見かけたよ。ぼくたちはお遍路をしたわけではないけど、せっかくだからと鳴門市にある第一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)とい…

室戸岬にて

室戸岬に行きました。初めての訪問です。高知から車で国道55号線を通り一路室戸岬に向かいます。右手には広大な太平洋が続き、道路と並行して「土佐くろしお鉄道」が走っ…

空白の時間を持つ 

仕事の合間にちょっとぼーっとしているとすぐ言われました。「何ぼーっとしてるの?」「暇なの?」「やることないの?」やることはいっぱいあるのですが。 私はぼーっとす…

学校と政治の見えにくい関係

以前の記事を加筆修正したものです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 勤務先の中学校に卒業生の一人が文化祭を見学しに来ました。10年以上前…

星野富弘さんを偲んで:カーネギーホールでのコンサート

星野富弘さんが亡くなられました。事故でからだの自由を失いながらも口に筆をくわえて絵画や詩の創作活動を続けておられました。星野さんの作品は私も大好きで、逆境にもめ…

ガード下の機械工具街とパナソニック創業の地

阪神野田駅の近くに「野田阪神機械工具街」と呼ばれる地域があります。阪神電車のガード下に工具の町工場が並ぶ一角です。高架下と言えばすぐに飲み屋(私は大好き!)を思…

その教材は本当に必要?

4月22日(月)の朝日新聞に愛知県の中学生が投稿していました。新しい学年になって多くの教科書が配られたが、去年大量に配られた教材の中に1年間まったく使わなかった…

家庭訪問のトイレ事情

トイレの話が続いて恐縮ですが… 【学校の先生も大変だ(^^;】という小林久さんの記事を通して、家庭訪問中に教師がコンビニでトイレに入ったら「けしからん」と学校にクレ…

喫煙ルームはあるけどトイレがない!

所用で新幹線の西明石駅を利用しました。驚いたことがひとつあります。新幹線のコンコースにトイレがないことです。在来線と新幹線の乗り場は離れていて連絡通路でつながっ…

巣立ちの季節の切ないできごと

巣立ちの季節になりました。この季節になると思い浮かぶできごとがあります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ カフェの軒先にツバメの巣があり…

案内板が真っ白!

ヘッダーの写真は西伊豆の「恋人岬」という展望台から見た景色です。富士山はわかりますが、その他の場所はどのあたりになるのだろうと思い案内板で確かめることにしました…

メルボルンのカフェで「津軽海峡冬景色」を歌う

初めてオーストラリアを訪れた時、メルボルン郊外の落ち着いたカフェに行きました。ステージでは初老の男性がアコーディオン演奏をしていました。 彼は日本の曲を演奏して…

「旧帝大」ということば

息子が大学に入学したと知人が嬉しそうに言いました。「おめでとう」と私が言うと彼女が言いました。「ありがとう。旧帝大に受かってくれてホントよかったわ」 「キューテ…

大学院の指導はどうなっているのだろう?

大学院で学んでいたとき西アジアの国から来ていた国費留学生の女性と親しくなりました。彼女も私も博士課程に在学していました。彼女とお互いの研究のことを話していて気に…

南から来た枕の贈り物

伊豆半島の成り立ちを知る貴重な溶岩を見ました。西伊豆にある一色の枕状溶岩(pillow lava)と言われるものです(ヘッダーの写真)。枕状溶岩というのは海底で流れ出たマ…

だいじょうぶだよ、ぼくのおばあちゃん!

だいじょうぶだよ、ぼくのおばあちゃん!

ステキな絵本に出会いました。

大好きなおばあちゃんが「いろいろなことを忘れる病気」になっちゃったらぼくはどうしたらいいんだろう。おばあちゃんと過ごす中でぼくが見つけた答えは。。。

わずか数ページの絵本です。本文には認知症という言葉は一度も出てきません。でも、認知症を理解するためのヒントがたくさん詰まっています。作者は認知症の第一人者である医師の長谷川和夫さんです。自らも認知症となり2021年に

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ぼくが訪ねた四国八十八カ所のあるお寺

ぼくが訪ねた四国八十八カ所のあるお寺

家族で四国に出かけた。お遍路さんをたくさん見かけたよ。ぼくたちはお遍路をしたわけではないけど、せっかくだからと鳴門市にある第一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)というお寺に行ってみた。

霊山寺の仁王門

本堂。釈迦如来を祀っているんだって。

奥にあるのが弘法大師(空海)を祀る大師堂

多宝塔はすごく立派だった。かたちがすごく気に入った。
600年くらいの歴史があるらしい。

大師堂の近くに放生池と

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室戸岬にて

室戸岬にて

室戸岬に行きました。初めての訪問です。高知から車で国道55号線を通り一路室戸岬に向かいます。右手には広大な太平洋が続き、道路と並行して「土佐くろしお鉄道」が走っています。

やがて見えてきた県道203号室戸スカイラインを登ると室戸岬灯台があります。

駐車場に車を停めて灯台までの道を歩きます。灯台へは五分ほどで着きます。

途中に西国八十八カ所第24番札所の最御崎寺(ほつみさきじ)があります。坂の

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空白の時間を持つ 

空白の時間を持つ 

仕事の合間にちょっとぼーっとしているとすぐ言われました。「何ぼーっとしてるの?」「暇なの?」「やることないの?」やることはいっぱいあるのですが。

私はぼーっとするのが好きです。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」という言葉が流行っていますが、ぼーっと生きているわけではありません。ぼーっと生きないためにぼーっとしているのです。空白の時間を大事にしているのです。

ぼーっとしていても頭の中では様々な思い

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学校と政治の見えにくい関係

学校と政治の見えにくい関係

以前の記事を加筆修正したものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勤務先の中学校に卒業生の一人が文化祭を見学しに来ました。10年以上前に卒業した20代後半の男性です。彼は教頭に案内されて展示会場をまわっていましたが、来賓のような雰囲気でした。他にも卒業生はいましたがなぜか彼だけが案内されていました。卒業生であることを強調しながら彼は生徒たちに声をかけ、しきりに握手をして

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星野富弘さんを偲んで:カーネギーホールでのコンサート

星野富弘さんを偲んで:カーネギーホールでのコンサート

星野富弘さんが亡くなられました。事故でからだの自由を失いながらも口に筆をくわえて絵画や詩の創作活動を続けておられました。星野さんの作品は私も大好きで、逆境にもめげないその生き方に元気づけられました。30年以上前に群馬県みどり市にある「富弘美術館」を訪れたことがきっかけで星野さんの歌をニューヨークのカーネギーホールで歌うことができたのも貴重な経験でした。

そのことを書いた以前の記事をリライトして星

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ガード下の機械工具街とパナソニック創業の地

ガード下の機械工具街とパナソニック創業の地

阪神野田駅の近くに「野田阪神機械工具街」と呼ばれる地域があります。阪神電車のガード下に工具の町工場が並ぶ一角です。高架下と言えばすぐに飲み屋(私は大好き!)を思い浮かべる私には新しい発見でした。

野田阪神機械工具街は戦後間もない頃に、ベニヤ板1枚のバラック小屋から 始まったと言われています。国道2号線に直結する場所という特性から同じ業種の店が軒を連ね、徐々 に工具街としての存在を確立してきました

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その教材は本当に必要?

その教材は本当に必要?

4月22日(月)の朝日新聞に愛知県の中学生が投稿していました。新しい学年になって多くの教科書が配られたが、去年大量に配られた教材の中に1年間まったく使わなかったものがあるというのです。保健や進路についての副読本、理科のノート、書写の教科書など、投稿者にとっては自主学習でも使い道がなく、先生もほとんど使わないことをわかったうえで毎年配っていると言います。「要らないものは買わない」という精神が必要だと

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家庭訪問のトイレ事情

家庭訪問のトイレ事情

トイレの話が続いて恐縮ですが…

【学校の先生も大変だ(^^;】という小林久さんの記事を通して、家庭訪問中に教師がコンビニでトイレに入ったら「けしからん」と学校にクレームがあったという話を知りました。

以下は小林さんの記事です↓(小林さん、情報ありがとうございます!)

家庭訪問中にトイレに行きたくなると困るのは私も経験しています。コンビニを探してウロウロしたことを覚えていますが、今はコンビニで

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喫煙ルームはあるけどトイレがない!

喫煙ルームはあるけどトイレがない!

所用で新幹線の西明石駅を利用しました。驚いたことがひとつあります。新幹線のコンコースにトイレがないことです。在来線と新幹線の乗り場は離れていて連絡通路でつながっています。新幹線口の駅では在来線の改札を入ったすぐ先に新幹線の改札がありますが、新幹線の改札を通るともうトイレはありません。

トイレは在来線と新幹線改札の間(連絡通路の一角)にあるのでトイレに行く場合は駅員に申し出て新幹線の改札をいったん

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巣立ちの季節の切ないできごと

巣立ちの季節の切ないできごと

巣立ちの季節になりました。この季節になると思い浮かぶできごとがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カフェの軒先にツバメの巣がありました。一羽のヒナが飛び立とうとしています。巣に最後に残ったヒナのようです。ヒナはなかなか巣から出ようとしません。しばらくしてやっと飛びました。でもすぐに真下に落ちてしまいました。「チチッ」と鳴いています。親鳥がヒナの周りをぐるぐる飛び

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案内板が真っ白!

案内板が真っ白!

ヘッダーの写真は西伊豆の「恋人岬」という展望台から見た景色です。富士山はわかりますが、その他の場所はどのあたりになるのだろうと思い案内板で確かめることにしました。

ところが、、、

位置を示す矢印の先が真っ白で何もわかりません。地名の並びから想像するしかありませんでした。

年月による劣化で矢印の先の表示が消えていたようです。せっかく設置してある案内板なのに何が描かれているのかわからないのではも

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メルボルンのカフェで「津軽海峡冬景色」を歌う

メルボルンのカフェで「津軽海峡冬景色」を歌う

初めてオーストラリアを訪れた時、メルボルン郊外の落ち着いたカフェに行きました。ステージでは初老の男性がアコーディオン演奏をしていました。

彼は日本の曲を演奏していました。ちょうど「さくら」を演奏し始めた時私に気づいて手招きしました。そして一緒に歌うよう促しました。私はちょっとためらいましたがせっかくの機会なので歌うことにしました。

居合わせたお客さんはとても喜んでくれました。温かい拍手をもらい

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「旧帝大」ということば

「旧帝大」ということば

息子が大学に入学したと知人が嬉しそうに言いました。「おめでとう」と私が言うと彼女が言いました。「ありがとう。旧帝大に受かってくれてホントよかったわ」

「キューテイダイ?」

私は「?」と思いました。日常的に耳にすることがほとんどなかったからです。もちろん「旧帝大」という言葉は知っていますし、その意味も理解しています。「旧帝国大学」の略称で1886年に公布された「帝国大学令」により設立された旧制大

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大学院の指導はどうなっているのだろう?

大学院の指導はどうなっているのだろう?

大学院で学んでいたとき西アジアの国から来ていた国費留学生の女性と親しくなりました。彼女も私も博士課程に在学していました。彼女とお互いの研究のことを話していて気になったことがあります。大学院での指導についてです。

彼女は首都圏の教員養成系の大学院で修士課程を修了していましたが、教員の指導がほとんどなかったと言います。修士論文も執筆し学位も取得しているのですが、指導教授はゼミで顔を合わせるくらいで個

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南から来た枕の贈り物

南から来た枕の贈り物

伊豆半島の成り立ちを知る貴重な溶岩を見ました。西伊豆にある一色の枕状溶岩(pillow lava)と言われるものです(ヘッダーの写真)。枕状溶岩というのは海底で流れ出たマグマが固まって出来た溶岩で、細長い枕のような形をしていることからこの名がつけられました。

枕状溶岩のでき方↓

一色の枕状溶岩は伊豆半島で最も古い時代の地層と言われる仁科層群(約2000万年前~)にあり、その大部分は海底噴火によ

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