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私の仕事

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新卒で弔い領域のITベンチャーに入社。現在、弔いおよび日本の寺院支援を主軸事業にした会社の役員。次世代にとって価値ある仕事がモットー。つらつらのお仕事のことを。
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記事一覧

遺体・遺骨処理か弔いか

遺体・遺骨処理か弔いか

総務省が引き取り手のないご遺体について調査を行い、身元が分かっているのに引き取り手がなかったご遺体は3年間で10万人を超えた。

更に、ご遺体の引き取り手があったとして、ご遺体を供養の観点ではなく処理の観点で火葬し、遺骨を数万円の合葬墓におさめている数。

つまり弔い不在の遺骨処理は葬送文化界のレジェンド、葬送ジャーナリストの碑文谷さんによれば1年間で20万人はいるのではないか?とも。

年間15

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階段をのぼる

階段をのぼる

「一気に上り詰めると、すべり落ちるのも早い」

大事にしている考え方の1つ。

そして、それは1つの真理だと思っている。

流行りに惑わされるな、本質を見よ「一気に上り詰めると、すべり落ちるのも早い。だからうちの会社では事業も人も確実に階段をのぼるように積み重ねて、息が長い価値を生み出し続けたい。」

これは、新卒で入社したITベンチャー、アクトインディ株式会社の創業者である下元が当時からずっと言

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「変わらないこと」へのまなざし《後編》

「変わらないこと」へのまなざし《後編》


生きるなら優しい世界がいい日本の駅の階段でベビーカーに悪戦苦闘している母親がいても早足で通り過ぎる人。なんなら邪魔だとばかりににらみつけたり、舌打ちする人もいる。(もちろんそうでない地域もあるのは知っているが)

他方、教養として宗教思想が文化の下地にある国、例えば私が足を運んだことがあるフランスやイタリアでは、駅にエスカレーターやエレベーターがないことも多かったがベビーカーの親子がいればどこか

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「変わらないこと」へのまなざし《前編》

「変わらないこと」へのまなざし《前編》


20年来の親友とかなり久しぶりにゆっくり過ごした。

いつも感じるのは、数ヶ月、1年会わなくてもなんの違和感もなく素の自分で時間を過ごせるありがたみ。

それは親友が自分の状態を受け入れて、誰かのせいにせず、自分をしっかり持っているから、合わせ鏡のように私を映してくれることで得られる時間だとおもう。

目まぐるしく仕事や生活をして色々と変わっているようで、根っこは変わってないんだなぁと確認する。

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名もなき課題と人をつなぐhubとしてのお寺に寄付をはじめた話

名もなき課題と人をつなぐhubとしてのお寺に寄付をはじめた話

国や自治体の制度では支えきれない課題、またはそもそも問題があると認識すらされていない課題、もっというと生きにくさは価値観の多様化や貧困格差、人口構造の変化に伴い増加している。

それらを私は「名もなき課題」と呼んでいる。

名もなき課題を抱えている生きにくい人と出会い、解決方法につなぐには1対1関係では限界がある。

かといって顔を合わせることができないような希薄な関係性では解決方法や支援につなぐ

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はじまりと幸せの総量

はじまりと幸せの総量

誰もが発信できる時代に、「言葉の重さ」が相対的に軽くなってる中で自分は何を誰に伝えたいんだろう。

そんなことをぼやーっと考えていたら3年以上経ってしまった。。。

で、今書いてるのは

何を

自分の頭で考えたことを

誰になんのために

未来の自分が悩んだときのヒントになるために

と決めて書き始める。と決めたから。

今、新しいサービスの立ち上げ時期で自分の力不足で苦しい半年が続いている中で

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ベンチャー企業生活は社会人9年目でもずっと未知との遭遇だって話

ベンチャー企業生活は社会人9年目でもずっと未知との遭遇だって話

私は30代にやたらとこだわって20代を過ごした。

新卒で当時15名いたかな?くらいのITベンチャー企業に入社。

「30歳からがいい女!それまでに社会に通用する経験を積む!」

「32歳で出会った頃の師匠を超えている社会人になる!」

「35歳で事業が1つ回せるようになってる!」

夢もやる気も満ち溢れていた。というか無謀かどうかなんてほぼ考えずにただただ「やりたい!」「そうなりたい!」だけでぶ

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afterコロナに思う、オンライン化とアウラの喪失へのまなざし

afterコロナに思う、オンライン化とアウラの喪失へのまなざし

「アウラ」。

コロナ禍にこの言葉がずっと頭のすみっこでくるくると回っていた。遠くで聞こえる音のように、意識すれば確実にあるけれど、意識しないと忘れていてふとした瞬間にまた思い出して考える。

「アウラ」とは、ヴァルター・ベンヤミン(Walter Bendix Schoenflies Benjamin)というドイツの哲学者の著書で彼が使用した言葉だ。

10年以上前に学んだ彼の著作『複製技術時代の

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コロナに思う、与える人と奪う人

コロナに思う、与える人と奪う人

「与える人になりなさい。奪う人は欲しがった分だけ欲しい物が逃げていくから。」

私には敬愛している人生のメンターがいる。

その師匠が、21歳の私にくれた考え方だ。

普段から自分の1部になっている言葉だけど、コロナになってよりこの言葉の深みを感じるようになった。

その話を書こうと思う。

「社会はgive&takeだ」の解釈「おまえの「それ」はおかしいよ。takeを求めないgiveなんて資本主

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寺院と向き合う中で悲しいこと

寺院と向き合う中で悲しいこと

莫大な予算をかけて樹木葬や永代供養墓、イベントなど外向きの投資を行うお寺にかぎって檀家さんに向き合うためのお金はかけない。

檀家さんのために携帯電話代程度の費用で心を寄せていく仕組みづくりができる提案をしても、そこには「高い!」とおっしゃっるお寺に出会うとなんというか悲しい。

「こんなにすごいものをその価格で大丈夫なんですか?」
「こういうものが必要だとおもってた。そのくらいならありがたい!」

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クラウド管理寺務台帳のパンフレットができた

クラウド管理寺務台帳のパンフレットができた

当社が開発した特許出願中のクラウド管理「寺務台帳」のパンフレットができた!

そもそもは、自分たちが運営している青山霊廟と寺院の連携のために開発したシステムだったけれど、お知り合いの寺院のみなさんも使ってみたいとのことでテスト版の提供を開始。

あっという間に要望が集まって半年間で100以上の機能改善・開発をしてできあがったのが今のクラウド「寺務台帳」。

いわゆる業界初のSaaS型コミュニティ管

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浄土真宗本願寺派で若いお坊さんにお話して感じたこと

浄土真宗本願寺派で若いお坊さんにお話して感じたこと

先日、浄土真宗本願寺派にて布教師課程講座講師として「葬儀問題」をお話をさせていただいた。

私などに白羽の矢を立ててくださった専任講師のみなさんには頭が下がる。

オーダーは供養現場で僧侶と遺族の間に立っている私の経験からみた葬儀問題と僧侶への提言だった。

普段、住職や奥様、檀家さんに向けてお話することが多いのでまだ20代の僧籍をもったばかりのみなさんにお話する機会はめったいにないし、3時間にわ

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1週間で「檀家って何?」と3人に聞かれた話

1週間で「檀家って何?」と3人に聞かれた話

自分の仕事を説明したら・・・業界の方から「何の仕事をしているの?」と聞かれると「寺檀関係を深める支援をしてます」とお答えするようにしている。

お寺と一般の方の間に立って、供養にまつわるいろんな黒子的な仕事をしすぎて自分がなにをしているのか?一言で言えないので端的に言うにはこれくらいしか思いつかない。

ただここ1年、SaaS型でお寺と檀信徒の関係向上サービス「クラウド管理寺務台帳」をせっせとお寺

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お寺のDX:書き起こし編

お寺のDX:書き起こし編

DXの意味が誤解されていることが多い昨今、仏教会でもDXを推進する動きが専門誌などや実際のお寺の声でも聞こえてくる。

ただ、「それはDXの定義から外れてるなぁ」ということも実際には横行しているけれど盛んにメディアや業者から「お寺もDXですよ」と言われると耳を傾けたくなる気持ちも分かる。

ではDXとはなにか?は別の話で書くとして、今回はDXを実施したい寺院が避けて通れない「現在帳・過去帳デジタル

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