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書評

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記事一覧

キットカットのマーケティングと脱炭素社会/マーケターにおすすめのマーケ本以外#3

私はマーケター向けのメディアの編集者をしています。同時に大学院で政治学、組織論、メディア論などを勉強し、この春修士課程を修了しました。マーケターや経営者の方々に取材したり、ビジネス書を読んだりすると同時に、学術論文や学術書にも触れるなかで、タイトルに「マーケティング」という言葉が入っている本や雑誌以外にも、マーケターが読むと面白く感じるコンテンツがあるのではないかと思うようになりました。それらを少

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リモワ全盛期にマクルーハンについて考える/マーケターにおすすめのマーケ本以外#2

私はマーケター向けのメディアの編集者をしています。同時に大学院で政治学、組織論、メディア論などを勉強し、この春修士課程を修了しました。マーケターや経営者の方々に取材したり、ビジネス書を読んだりすると同時に、学術論文や学術書にも触れるなかで、タイトルに「マーケティング」という言葉が入っている本や雑誌以外にも、マーケターが読むと面白く感じるコンテンツがあるのではないかと思うようになりました。それらを少

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人を説得するとはどういうことか/マーケターにおすすめのマーケ本以外#1

人を説得するとはどういうことか/マーケターにおすすめのマーケ本以外#1

私はマーケター向けのメディアの編集者をしています。同時に大学院で政治学、組織論、メディア論などを勉強し、この春修士課程を修了しました。マーケターや経営者の方々に取材したり、ビジネス書を読んだりすると同時に、学術論文や学術書にも触れるなかで、タイトルに「マーケティング」という言葉が入っている本や雑誌以外にも、マーケターが読むと面白く感じるコンテンツがあるのではないかと思うようになりました。それらを少

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【書評】「アテンション・エコノミー」の時代を迎えたコンテンツ業界

【書評】「アテンション・エコノミー」の時代を迎えたコンテンツ業界

きょうは『フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ 』(笹原 和俊 著)の書評です。

2018年11月に科学同人から出版された、新しい本。ネット時代の情報・コミュニケーションや、フェイクニュースに興味がある初学者にはわかりやすい内容でした。きょうのポイントは3つです。

【目次】①広告収入欲しさに作られた「デマ」

②誤情報は事実よりも遠く、深く、早く、幅広く拡散す

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【書評】「学校教育の論理」と「家庭教育の論理」との不一致について

【書評】「学校教育の論理」と「家庭教育の論理」との不一致について

大学では、教育学部でした。

といっても、学校の先生になるための勉強をするわけではなく、教育哲学・教育行政学・教育心理学など、テーマが「教育」ということだけが共通する、カオスな学部でした。

その原理で考えれば、「家庭学部」「交通学部」「恋愛学部」(!)があってもおかしくないとも言える中、「教育」が学部として成立していることの意味を重く受け止める必要がある一方、文系いらない!という風潮で真っ先につ

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【書評】「群れないけれど社交的」なイラン人に憧れる

【書評】「群れないけれど社交的」なイラン人に憧れる

イランが好きなので、「イラン」と名前のつく本はつい手に取ってしまうのですが、とても面白い本があったので紹介します。

『「個人主義」大国イラン 群れない社会の社交的なひとびと』(岩崎葉子・平凡社新書)

著者はイランの経済・商業を研究する学者。子どもを連れてテヘランに住み、フィールドワークしながらこの本を書き上げていったそうです。

そもそも、私がイラン大好きになったのは、ニュージーランド留学中の

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【書評】価値観を変えるような新しいテクノロジーは「ぬるっと」入ってくる

西田先生シリーズで、『ネット選挙解禁がもたらす日本社会の変容』(西田亮介・東洋経済新報社)も読みました。

ここでいうネット選挙とは、ネットを使用した選挙運動のこと。SNSやブログ、バナー広告が条件によって利用できるように公職選挙法が改正されたのです。しかしこれを、著者は「理念なき解禁」だと主張しています。

ネット選挙が、既存メディア、電話の利活用、戸別訪問など公職選挙法による、他のさまざまな

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