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1人の中国系日本人が日本の人種差別について考えたこと
アフリカ系のジョージフロイド氏が警察の暴力によって亡くなった事件をきっかけに人種差別に反対するデモがアメリカ全土で広がっている。中には暴徒化した抗議者も多く、大きな問題となっている。この件についてすでに多くの著名人が声をあげ、アメリカにて長年黒人が社会で不平等な地位に置かれていることが浮き彫りとなっている。
本日はこの件をきっかけに、アメリカではなく、われわれ日本社会に存在する差別について私が考え
2022年読んだ本5選
例年通り、今年読んだ本で特に印象に残った本をまとめた。
例年は10冊あげていたが、今年は読破した本が少なかったため、5冊とした。
ぜひ、様々な感想や意見をお待ちしております。
Kazuo Ishiguro "Nocturnes" (カズオ・イシグロ『夜想曲集』)本書は、日系イギリス人作家カズオ・イシグロによる短編集である。いわずもがな、カズオ・イシグロは、近年ノーベル文学賞を受賞し、『わたしを
時間と空間が生む「ずれ」と叶わぬ恋、又は「秘密」を閉じ込めること ~映画『2046』レビュー~
先日ウォン・カーウァイという香港出身の監督の映画『2046』を観た。
ウォン・カーウァイというのは映画好きにとっては知らぬ者はいないほどの名匠であり、『花様年華』や『恋する惑星』などで知られている。
ここでは彼の作品『2046』へのレビューを書きたい。
あらすじ 本作品は過去の叶わぬ恋の傷をまだ引きずっている男チャウ(トニー・レオン)が出身地である香港に戻るところから始まる。本人は元々新聞社で記
ヒロシマから考える人間の尊厳 -広島訪問前日記-
今度広島に旅行することとなった。その際はもちろん原爆ドームや広島平和記念資料館など原爆関連のスポットも訪れるつもりである。
親族に被爆者がいるわけではないものの、広島には長らく格別の思いを抱いてきた。本日はそれについて綴りたい。
中国で聞いた原爆の話 私の原爆に関する最初の記憶は中国にいたときのものである。幼稚園から小学校3年生まで私は中国で暮らしていたが、そんな小さな頃から私は色んなところで歴
他者が生み出す地獄?! -「人ってこんなにも違うんだ」ということを実感した話
「人ってこんなにも違うんだ」
「人ってこんなにも違うんだ」
今までの会話で数多く出会ってきた相手のあんまりピンときていない顔を思い返しながら(そして相手が見たであろう私のピンときていない表情を想像しながら)、一つのありきたりな結論に辿り着いた…
…今画面の前にいるあなたはきっとピンときてない顔をしているので、もう少し頑張って具体化してみよう。
生きがいをめぐる違いと「命がけの飛躍」
あまり
2021年読んだ本トップ10
2021年も多くの素敵な本との出会いがあった一年であった。
今年私が出会えた素敵な本のうち10つを取り上げてここで紹介したい。簡単な内容紹介と共に、自分がこれらの本を通して考えたことや新たに沸き起こった疑問についても少しばかり書いた。
順番は順不同で、ランキングはつけていない。そして、残念ながら、紹介できなかったものも数多くある。
私の内容のまとめ方に間違っている部分があるかもしれないことは重々
大坂なおみの聖火リレー最終ランナー起用から考える日本社会の現在と未来
大坂なおみさんを聖火リレーの最終ランナーで起用してよかったか。
彼女の起用を前向きに捉えたい自分と、彼女の起用はただマイノリティの(多様性の記号としての)消費にすぎないのではないかと言う自分が、この問いをめぐって果てしない論争を心の中で繰り広げている。
そして、後者の自分が途方もない問いを一つ挙げる。
この社会は彼女を聖火リレーの最終ランナーに起用するのに値する社会なのか。
大坂なおみさんが聖火
東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れて
景色ただっ広くひろがる海岸線と土地を見ながら、都会の人が都会の外に出たときに感じる典型的な開放感と爽快感に私は浸っていた。
しかし、何気ない景色も、無数の人の苦しみと悲しみの跡かもしれないということを知れば、たちまち違ったように見える。
2011年3月11日、多くの人がいまだに覚えているこの日付は東日本大震災が起き、東北や関東地方の太平洋沿岸が未曾有の津波に襲われた日である。地震と津波が襲った後
2020年読んだ本トップ10
2020年はおそらくほとんどの人にとっては大変な一年であっただろう。家の中にいる時間が増えた人も多いだろう。
かくいう私もその例にもれず、そのおかげもあって今年も多くの素敵な本と出会えた。そのうちの10つをここで紹介したい。簡単な内容紹介と共に、自分がこれらの本を通して考えたことや新たに沸き起こった疑問についても少しばかり書いた。
順番は順不同で、ランキングはつけていない。そして、残念ながら、紹介