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少しゆっくり考えてみたこと

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なんとなく感じていたことを書きながら考えてみたり、なにかに出会って感銘を受けたことだったり。
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誰かの真似ではなく、夫婦でオリジナルな関係性を築きたい──(『デュアルキャリア・カップル』担当編集インタビュー)

誰かの真似ではなく、夫婦でオリジナルな関係性を築きたい──(『デュアルキャリア・カップル』担当編集インタビュー)

安村:英治出版を一時退職し、夫の海外駐在に帯同するかたちで、今年の年始からベトナムで暮らしはじめました。職業欄に書くステータスは専業主婦です。大学を卒業してから、キャリアが途切れたことがほぼなかったので、入国審査の紙にはじめて書くときは、なんだか戸惑いました。

私の住むホーチミンは日本人駐在員がとても多い街で、私たちと同じ30代の夫婦にもよく会います。
他にも起業していたり、飲食店を経営していた

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脳化した人間にとっての、つわりの日々──無力感と神秘の間で【妊娠5~18週】

脳化した人間にとっての、つわりの日々──無力感と神秘の間で【妊娠5~18週】

つわりとは、5週~18週、まるっと3ヶ月のお付き合いだった。

ツイッター、インスタ、アプリ、ユーチューブ、ヤフー知恵袋、ネット記事、漫画。あらゆる媒体で、いつ頃つわりが終わるか何度も見た。

11週ごろには落ち着いてくる、安定期に入ればという情報に希望を持ち、その日を指折り待った。一方で分娩台の上でも吐いていたという人の話を見て、絶望したりもした。

昔の人は、姑のいびりで、つわり中も草刈りや農

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ベトナムの蟹味噌鍋/ラルクファン歴24年/ドラマ「シリコンバレー」【#推し短歌】

ベトナムの蟹味噌鍋/ラルクファン歴24年/ドラマ「シリコンバレー」【#推し短歌】

夫の書棚にあった俵万智さんの『短歌をよむ』を読んで、短歌をつくってみたいと思った矢先。ちょうどnoteの公募企画「#推し短歌」があったので、3つつくってみました。

祖母と夫は、旅先や飲み屋で気分が良くなると、短歌を詠むタイプ。
それにつられてたまに一緒に詠んでみることはあったけれど、1人で詠んでみたのは、思えばはじめてでした。

①ベトナムの鍋に感動

大人になると、いろいろとおいしいものを食べ

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「結婚ってなんだろう?」関連メディアクリップ(2019~2023)

「結婚ってなんだろう?」関連メディアクリップ(2019~2023)

自分の思考整理を兼ねて、「結婚ってなんだろう?」という関心で、2019年からクリップしていた、記事や本をまとめてみました。

この期間の私の状況(参考までに)

2019年当時32歳、年齢的なこと、今の夫と同棲していたこともあり、「いつ結婚するの?」というプレッシャーを感じていたタイミング。

結婚ってする必要ある?  同棲で事実婚的なかたちでよいのでは? と思いつつ、まわりの結婚している人の話を

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「女性へのステレオタイプ」関連メディアクリップ(2019~2023)

「女性へのステレオタイプ」関連メディアクリップ(2019~2023)

自分の思考整理を兼ねて、2019年からクリップしていた、女性へのステレオタイプ関連の記事をまとめてみました。

料理とステレオタイプ

呪縛から抜けたのか? 時間ができたからか? 近ごろ(2023年現在)は、普通に楽しいと思える料理。2020年頃、結婚前は特に、女性のステレオタイプと紐づいて話されて、モヤっていました。そのときのクリップ。

その後も、上の世代の人と話すと、労働時間と給与が夫とほぼ

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普通にセクシーでOKな時代へ──パーソナルデザインとかパリ流とか

普通にセクシーでOKな時代へ──パーソナルデザインとかパリ流とか

気づけばすっかり趣味になっていたことに、「イメコン」の情報収集がある。イメコンとは、イメージコンサルタントの略で、似合うファッションやヘアスタイル、メイクを診断してくれる人たちのことだ。

春夏秋冬のタイプ別で似合う色を診断するパーソナルカラーは、最近雑誌でもよく取り上げられて市民権を得ているかんじがする。

私は少し(?)オタクなので、パーソナルカラーは4つの季節をさらに細分化した16タイプでい

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時「長」料理

時「長」料理

料理をするときは、いつも急いでいた。
仕事終わり、とにかくお腹がすいている。はやく眠りたい。もしくは、このあともやることがあるから、ささっと。

日本で働いていた頃は、夜20時までに家に着いた日は、料理をつくることを目安にしていた。
それを過ぎたら、成城石井のお惣菜をオフィスで食べるか、夫と帰り時間が合ったら焼きとん屋に行く。つくりおきがあったら、それを食べる。

我が家は不機嫌になるくらいなら、

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「違うこと」で傷ついたときに

「違うこと」で傷ついたときに

「転校生」というのは、ある種のアウトサイダー体験かもしれません。

小学生のころ、4年ほどフィリピンに住んでいたことがあります。

当時は、日本の空港で外国人用の列を案内されるくらい、色が黒くて、それをどこか誇らしく思っていました。

日本に帰ってきたのは小5のとき。
転校初日、教室の檀上で先生から、「この前まで海外に住んでいたんですよ」と紹介されると、少し「おぉ」と尊敬のまなざしのようなものがあ

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アンフェアなことを見て黙っているのは、被害者であっても罪だ

アンフェアなことを見て黙っているのは、被害者であっても罪だ

「僕の宗教では、アンフェアなことを見て黙っているのは、被害者であっても罪なんだよ」

過去にイスラム教徒の同僚に言われた言葉です。
言われたのは、たしか日が落ちかけるような時間。
午前4時頃からのラマザン月の断食で、疲れ顔の彼はこうつけくわえて帰っていきました。

「まぁ、君はイスラム教徒ではないから、この教えに従う必要も筋合いもないけどね」

初詣は神社、お盆にはお経、冬になったらクリスマス

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誰しもその人だからこそできる「助け方」がある

誰しもその人だからこそできる「助け方」がある

ケガをしました。

はじめて行く国の一人旅なのだから、余裕を持ったスケジュールで、無理せず省エネで、注意を払っていこうと思って、そうしていたつもりだったのだけど。

帰る少し前に、ウガンダで会っておきたい人に会えるかもとなって、焦ってしまい、負傷してしまいました。

道行く人に、口々に「まぁ、かわいそうに」と言われ。
最寄りの建物にいたガードのおじさんが、近くの薬局に案内してくれました

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子どもがいたから仕事を辞めて、子どもがいたから仕事をはじめることができた

子どもがいたから仕事を辞めて、子どもがいたから仕事をはじめることができた

31歳独身女性として生きていると、定期的に「結婚しないの? 子ども欲しいなら早くした方がいいよ」と言われます。

結婚も子どもを持つことも、自分にとってするといいことのような気はするけれど。

人を産むとか、育てるとか、コントロールが難しそうな要素を計画的にがんばるのは、なんだか大変そうとも思ってしまう。

今あるもの(おもしろいなと思う仕事とか、気ままに過ごす休暇とか)を、どこかで中断したり、減

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ぬくぬくとこたつでくつろぐようなコミュニケーションをして早10年

ぬくぬくとこたつでくつろぐようなコミュニケーションをして早10年

「なんかよくわかんないけど、3人が楽しそうなのが、いいと思うんだよね。へんなモチベーションがあって、誰にも頼まれてないのに、ずっと続いてるのも」

大学4年生のころから10年以上、同級生3人でSalmonsというユニットをつくって、週末は一緒になにかしている。

途中途切れたこともあったし、2人になった時期もあったし、物理的距離はだいたい遠かった(石巻、東京、愛知、トルコにカメルーン!)し、仕事も

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ロックバンドoasis、敬意と反抗の創造性

ロックバンドoasis、敬意と反抗の創造性

90年代を代表するイギリスのロックバンドoasis。
バンドのことは知らなくても、代表曲"Don't Look Back in Anger"を聞いたらぴんとくる人は、多いのではないだろうか。

2017年、彼らの故郷マンチェスターで起こったテロの追悼式では、自然発生的に市民のあいだで、この曲の合唱が起こった。

18年の活動期間にメンバー変更を繰り返してきたoasisだが、常にバンドの核にいたのは

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「静けさの美しさ」に出会える場所で

「静けさの美しさ」に出会える場所で

ベトナム中部の都市・ホイアン。その町並みがユネスコの文化遺産にも登録されている古い港町だ。

16世紀末以降、ポルトガル、オランダ、中国、日本との貿易で栄え、さまざまな文化を取り入れてきた町は、たしかに独特で美しい。
異国情緒ある黄色の壁に、色とりどりのランタン、そこに今のベトナムらしい屋台も並ぶ。

「古都」と呼ばれているから、静かなところを想像していたのだけれど、そこは人気の観光地。素敵な路地

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