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夫婦のこと、生きること

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現在進行系で形を変えている、私達夫婦のこと。離婚調停中 (←NEW!)
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旅立ちの日のその前に(不登校日記4&離婚調停3)

旅立ちの日のその前に(不登校日記4&離婚調停3)

山村留学が正式に決まった。

いや、実を言うとまだ夫からのクレームは続いているのだけれど、決まりましたよね、決まっていないと困りますよね、という今日はもう三月下旬。

三月の調停は、転出手続きをとらなければならない2週間前という日程で、ここで決まらなければ次の調停は四月以降、つまりもう新学期に間に合わない、という、かなり危ない橋を渡るスケジュールだった。

そしてその三月の調停から遡ること一週間前

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偽りの関係

偽りの関係

“こどもの前で夫婦喧嘩をしてはいけません。両親が攻撃し合っている日常で育った子は、人同士が支え合うことを信じられなくなり、人間不信になります”。

そーらしい。

私も、こどもの前で夫と小さい揉め事はあるが、大ゲンカは避けている。だって人間不信になるんでしょ?人のことを信頼できなくなるんでしょ?大変じゃないですか。

しかし、困ったことに、こどもの前でケンカをしない、と決めると、夫と話し合いもでき

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痛いかどうかは自分で決める

だいぶ前になるが、「失恋の痛みは骨折に相当する」という研究結果が、面白いね、と話題になったことがある。その他にも、いろんな精神的なダメージを脳がどう受け止めているのか、肉体的なダメージに置き換えていて、「いや、それはもうちょっと上でしょ」とか、自分の意見を勝手に言うのが面白かった。

これはもちろん研究だから、平均的な失恋の値を出している。でも実際は、その人との付き合いの深さだったり、年月だったり

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締切のない人生

大学生のときはアルバイトに精をだしていた。

アルバイトといっても、私はモノ作りを仕事にしたい、と思っていたので、半分就活というか修行を兼ねていて、街で見かけて一目惚れした造形作家、仮に師匠Aさんと呼ばせてもらうが、その人のところへ押しかけるようにして頼み込み、下働きをさせてもらっていた。(勝手に押しかけただけなのに、Aさんはバイト代を払ってくれたのだ)。

2人で深夜に黙々と作業をしているときは

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私のかみさま

私のかみさま

区役所で提出書類のコピーをとろうと、10円玉を入れようと思ったら、コピー機がもう入金済みの表示になっていた。前の人がお釣りを忘れたに違いない。

私は少しためらった後、お金をいれずにコピーをした。できた。もしかして故障の可能性も、と思ったけど、やっぱりお金が入っている。

釣り銭受け取りのボタンを押す。460円も出てきた。私は財布の中から10円玉を取り出して、自分が使ってしまった10円を加えて47

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もう、いらない

もう、いらない

家の玄関脇に勝手に生えてきた木が、ますます大きくなってきた。もう私の背丈に追いつく勢いだ。

小さな雑草は夫が抜いてくれたが、その木だけは残したままだった。見た目が立派だし、庭のない我が家の小さな緑として鑑賞していくのも悪くない、と夫も思ったのかもしれない。

木の根はどんどん広がり、プランターを壊し、家と駐輪場の隙間に雑草が生えないように敷いた防草シートも突き破って、地中深く根を広げているようだ

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ゆびきりげんまん

天気の良い休日の午後、スーパーから帰ってくると、不機嫌そうな夫が玄関から出てきた。聞くと、3番目のミコが勝手に家を出ていったので、探しに行くと言う。

不機嫌なのではなかった。心配と、自分が居ながら外に出ていったのに気が付かなかった罪悪感とで、顔が曇っているらしい。

ミコが脱走騒ぎを起こしたのは、今回が初めてではない。ミコは怖いもの知らずなところがあって、暇になったり、不満があると、勝手に外に出

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走る人

走る人

私がヒトとして、母として、まともに機能するためには、最終的には走るしかないと思っていた。これは比喩ではなくて、そのまま、ランニング、ということ。

私は小学生の時、運動系は平均以下で、体育の授業が本当に嫌だった。遊びに関しても、外を駆け回る喜びもドッチボールの楽しさもわからない。休み時間に外へ遊びに行けと言われるのが苦痛で仕方なかった。

ところが、中学生になると「長距離走」が体育に加わり、それに

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子育てメディカルチェック

子育てメディカルチェック

私が子育てや主婦業に行き詰まっている話をすると、
「何か趣味を持ってみたら?」と度々言われる。
「仕事を始めてみたら?」も言われるが、それとは比較にならないくらい圧倒的に「趣味」を勧められる。

趣味。

1円にもならない。このご時世、専業主婦というだけで少し後ろめたく、その上趣味…。経済的に余裕があるわけでもないし、子もまだまだ手がかかって家事も行き届かないのに、遊んでいる場合ではないのでは。

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ワンオペ不安症候群

ワンオペ不安症候群

※このような病名はありません。私の創作した言葉です。



夕方、保育園にこどもを迎えに行く。黄昏時でじわじわと辺りが暗くなるけれど、ミコはそんなことは気にかけず、道端の葉っぱを拾ったり、マンホールを飛び石に見立てて「もういっかい!」と来た道を戻ったりする。

「早く帰ろう。暗くなってきたよ」
「コーエンいきたい〜!チョットだから!」

じゃあ少しだけだよ、と、公園に寄る。

楽しそうに遊ぶ子と

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ほかほかの暮らしを選んだ

ほかほかの暮らしを選んだ

夫と別居した。

ここ2年ほど、私を悩ませてきた問題に一区切りをつけることができた。

うちの2番目の子には、障害があり持病がある。少し大変ではあるけれど、病気には対処法があるし、障害があってもゆっくりと成長し続けることが出来る。

だから、この問題は家族の在り方が強固なら乗り越えていける。問題は、その家族の関係が脆弱であることなのだと、私はずっと思ってきた。

夫婦の問題というのは、それぞれに言

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選ばなかった方の人生

選ばなかった方の人生

私が「これはもう別居しかない」という決心をしてから、夫にそう告げるまで、私は1人で行動していたけれど、決して孤独ではなかった。

それは、私が普段から「親子共々の健康を見守っていただく」という意味で、地域支援とか児童相談所とか子供家庭センターとか、そういうところにお世話になっているから。

だから、その人達にはありのままを話したし、転校という選択肢があったので、学校にもそのままお伝えした。

そし

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こどものためではないよね

こどものためではないよね

夫と別居してもうすぐ二ヶ月になる。

まだ少し肩に力が入っている。一人でこども三人を責任持って世話しなくては、という気持ちがどこかにある。

頑張りすぎては続かない。やることは山程あるけれど、少しずつ。休憩もちゃんととるし、遊びもする。

少しずつ、少しずつ。焦る気持ちとサボりたい気持ち、両方に言い聞かせる。焦ってもダメ、サボってもダメ。無理のない範囲で少しずつ。



こどもたち、特に下の小さ

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助走からガードレールを飛び越えて2車線向こうに着地できそう

助走からガードレールを飛び越えて2車線向こうに着地できそう

夫と別居して一年半が経ち、その間、とにかく問題が尽きなかった。

最初の数週間だけだったろうか、夫が平穏だったのは。

約束していた婚姻費用は、すぐに半分以下しか支払われなくなり、攻撃的なメールが日を置かず送られてくるようになった。

そして、夫は家の鍵を持っているので、留守中にあがった形跡があって、大切な書類は持ち去られるし、時には私の衣服だけが何着もクローゼットから放り出されていた。その他いろ

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