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【エッセイ】鉄鍋蒸し焼き〜春キャベツ〜 [家庭料理](1467文字)

お友達の農家さんから購入した春キャベツを鉄鍋蒸し焼きにしました(1月中旬)。

春キャベツとのことですが、外からの見た目は一般的な春キャベツ、切ると、一般的な冬キャベツのように巻きのしっかりしている、一般的な冬キャベツと一般的な春キャベツの中間のように見えるキャベツです。

種まきや収穫の時期で、キャベツの形状や呼び名が違うのかと何となく思っていましたが、インターネットで検索してみたら、いろいろな品種があるのですね。

キャベツは、アブラナ科アブラナ属の多年草で、世界最古の野菜の一つとされ、野菜としては一年生植物扱いで、西ヨーロッパの海岸の崖の上原産、古代ギリシアでは薬用に使われ、紀元前4世紀には野菜として栽培され、現在では世界各地で栽培されるようになり、日本では明治4年に野菜としての栽培が始まったそう、冷涼な気候に適応していて、冬でも成長し、品種によって結球したりしなかったりするそうです。

夏に種まきして冬に収穫する一般的な冬キャベツが、大きく、楕円形で、葉が硬く、しっかり詰まっていて、中が白いのに対して、秋に種まきして春に収穫する一般的な春キャベツは、やや小さめの丸い形で、葉が柔らかめで、巻きが緩く、ふんわりしていて、中も黄緑色をしています。

春キャベツは、葉が柔らかめで、甘味があり、瑞々しいため、サラダに代表される生食が美味しいとのことです。

お友達の農家さんからもサラダを勧められたのですが、サラダもぬか漬けも美味しく食べたことがあるので、食べたことのない鉄鍋蒸し焼きにしてみることにしました。

さて、調理です。

鉄鍋の内側にオリーブオイルをたっぷり垂らして、芯を下にして半分に切ってから、切った断面を下にして、芯と平行に、約2cm幅に切った、1個分の春キャベツを並べ、塩を振り、計量カップで軽く3まわしほどの水をかけ、鉄鍋の蓋をしました。

鉄鍋を強火で熱してパチパチ音がしてきたら、弱火にして35分間、火にかけました。

丸っこく甘く深みのある、春キャベツの焼ける良い匂いが漂ってきました。

火を止めて、5分間蒸らしてできあがり。

鉄鍋の蓋を開けると、春キャベツは、黄緑色が暗く濃く半透明になり、油と水を含んで、てろっと潰れ、てかてか光って、美味しそうです。

というわけで、盛り付け。

お味は。

とても美味しかったです!

噛むと、品の良い明るいキャベツの香りが鼻腔に満ちて、春キャベツの豊かなコクや旨味や甘味が、口の中いっぱいに広がりました。

春キャベツの外側の部分は適度な歯応えがあり、内側の部分は心地良い柔らかさで、舌の上で溶けるように無くなりました。

「美味しいね!美味しい、美味しい…」
私は食べながら、繰り返しました。

「私は、春キャベツを好き」
夫は、そう言ったきり、無言で黙々と食べました。

2人とも、あっという間に平らげてしまいました。

春キャベツは、生食も美味しいですが、鉄鍋蒸し焼きも素晴らしいです。

ただ、注意点があります。

初めて春キャベツを焼いた時には、私は、「よく焼けて、ねろっとしたキャベツ」を好きなので、強火にしてから弱火にして37分間の加熱にしましたが、それでは、加熱時間が長かったようで、春キャベツの鉄鍋に触れている部分が少し焦げましたし、トングで掴んだら、春キャベツが、力なく持ち上がり、ぷちぷち細かく切れてしまうほど、柔らかく焼けてしまいました。

春キャベツは繊細なので、他の季節のキャベツよりも加熱時間を短くしたほうが良さそうです。

春キャベツの鉄鍋蒸し焼き、とても美味しかったです。

ありがとう、ごちそうさまでした!

天野マユミ

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