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指導者やアナリストがすぐに使える実践的な記事をまとめています。月1程度でサッカーの原理原則やコーチング論、現場で使われている分析などを紹介しています。
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ライン間の守り方

ライン間の守り方

サッカーは相手よりも多く得点を取ったチームが試合に勝利する。そのため、サッカーの多くの分析や研究がボール保持や攻撃を取り扱ったものが多い。しかしながら、失点をしなければ試合に負けることはないというのもサッカーの重要な性質である。

そこで今回は守備原則のうちの1つであるライン間の守り方についてまとめていく。

基本的に守備の陣形は3列から4列で構成されることが多く、大抵は最終ラインとその1つ前のラ

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指導者講習会:『対戦相手分析』と『ウェールズの国内での取り組み』について

指導者講習会:『対戦相手分析』と『ウェールズの国内での取り組み』について

先日、指導者講習会にてゲスト講師を務めさせていただきました。『対戦相手分析』『ウェールズ国内の育成』について二週に渡って行われた講習会でお話しさせていただきました。

その講習会で使用した資料をメンバーシップに加入されている皆さんへ公開したいと思います。この記事内に資料を添付したので、興味のある方はダウンロードしてください。

ポジティブトランジションの作り方

ポジティブトランジションの作り方

現代サッカーにおいてゲームの4局面(ボール保持、ボール非保持、ポジティブトランジション、ネガティブトランジション)をオーガナイズしたゲームプランが求められている。

これまではマンチェスターシティのようなボール保持とネガティブトランジションで相手を上回ったり、ウェストハムのようなコンパクトな守備(ボール非保持)からのカウンターアタック(ポジティブトランジション)でゲームを制することが可能であった。

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IDPと紐付ける『プレイヤーレビュー』

IDPと紐付ける『プレイヤーレビュー』

日本では選手の成長度や現在のプロファイル、そしてアクションプランなどを選手と一緒に振り返る『プレイヤーレビュー』はどれだけ行われているだろうか。イングランドやウェールズリーグではクラブにもよるが、シーズンに2回程プレイヤーレビューが行われるのが一般的だ。

以前、奈良クラブアカデミーが個人分析レポートを使って各選手の振り返りを行っているのを見かけたが、奈良クラブアカデミーのように選手1人ひとりと定

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ハメ技『ゾーン9』

ハメ技『ゾーン9』

サッカーという競技において得点が試合の勝敗を分ける。相手よりも多く得点を取ったチームが勝利となるため、ゴールは究極のタスクである。

ゴールを奪うために必要となるのが『崩し』である。崩しとは主にアタッキングサード(ピッチのラスト1/3)で行われる得点を取るためのプロセスで、基本的にゴールから逆算してそのプロセスを構築するとゴールを奪う確率が高くなる。

しかし、アタッキングサードは自チームが意図的

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サッカー現場での『ペダゴジー(指導学)』の実用化

サッカー現場での『ペダゴジー(指導学)』の実用化

指導学や教育学として知られる『ペダゴジー』。学習者を中心にとした学習方法を用いることによって、学習者が「最も効果的な学び」から知識やスキルを得て効率的に成長することができるというのがペダゴジーの根本的な目的である。ペダゴジーの考え方やコンセプトについては前回の記事で詳しくまとめているので参考にしてみてほしい。

そして今回はペダゴジーを実際にサッカーの現場でどのように実用化することができるかまとめ

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レアル・マドリードの『柔軟性』の正体とアンチェロッティのチームマネジメント

レアル・マドリードの『柔軟性』の正体とアンチェロッティのチームマネジメント

欧州5代リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)の全てのリーグで優勝を手にした監督はカルロ・アンチェロッティのただ1人。アンチェロッティ監督は現在スペインの名門レアルマドリードで指揮官を務めており、2021/22シーズンではCLを制覇してヨーロッパチャンピオンに輝いた。今回はそんなレアルマドリードで指揮するカルロ・アンチェロッティ監督のマネジメント方法について注目していく。

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ビルドアップにおけるCBの個人戦術

ビルドアップにおけるCBの個人戦術

近年ではゴールキックのルールが改訂され、味方の選手がPA内に立ち位置を取れることになったことからビルドアップの重要性が広まっている。そのため多くのチームが後ろから繋ぐという意識を強めている傾向にある。

しかし、ゴールキックのトレンドに伴ってプレスをどんどん進化しておりプレスの強度や精度、鋭さは年々増している印象を受ける。そんな現代サッカーにおいて、昨シーズンに注目を浴びたのがブライトン。日本代表

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選手を"巧く"する3vs2ロンド

選手を"巧く"する3vs2ロンド

これだけやっておけば良いという練習はない。選手を育てる、選手の能力を伸ばす、チームの力を高めるには総合的に十分な時間をかけて全ての要素に取り組む必要がある。

しかし、その中でも個人的におすすめしたい練習が『3vs2のロンド』である。なぜなら3vs2ロンドにはサッカーに必要な駆け引きがたくさん詰まっているからだ。サッカーは対戦相手がいる競技なので駆け引きが巧くなるとシアに勝てるようになったり、1つ

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トッテナムアカデミーコーチ部門責任者によるビルドアップ練習

トッテナムアカデミーコーチ部門責任者によるビルドアップ練習

5月の26日、27日の2日間に渡ってウェールズサッカー協会によるナショナルカンファレンスが開かれた。

ナショナルカンファレンスとは1年に一度、コーチエデュケーションとして様々な分野(主に指導者として)で活躍されている方々をゲストとして招き、講演や指導実践を行ってもらうというもの。

去年はベルギー代表監督を務めたロベルト・マルティネス氏やモウリーニョの右腕として活躍したジョアン・サクラメント氏な

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ビルドアップにおける3人目の動きの使い方

ビルドアップにおける3人目の動きの使い方

現代サッカーにおいて重要性が増してきてる『3人目の動き』。これまではアタッキングサードの崩しにおいてよく重宝されていたが、近年ではビルドアップにも頻繁に用いられるようになり、ボールを前進させるための重要な役割を担っている。そこで今回は3人目の動きについてまとめていく。

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センタリングの極意

センタリングの極意

アタッキングサードの攻略はまだまだ体系的に捉えることができていない方も多いのではないかと思う。アタッキングサードにボールを運ぶところまでは原則を落とし込んで、意図的にボールを前進させることができるようになっているチームが多いが、アタッキングサードに入った途端に選手個々のアイデアに依存して、「チームとしてどうやって点を取るか」が落とし込まれていないこともよくある。

そこで今回は得点を奪うために有効

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『崩し』の落とし込み方

『崩し』の落とし込み方

サッカーにおいて1番難しいゾーンがアタッキングサード(ピッチのラスト1/3)。

このエリアは自陣からのビルドアップに比べると外的要因が多く絡んでくるため、攻撃をオーガナイズしづらく、相手も人数をかけてゴールを守るので攻略が最も難しいとされている。

そんなアタッキングサードを攻略にするにあたって再現性のある『崩し』が重要になってくる。多くの指導者は『崩し』の落とし込み方を知らないがために、ドリブ

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カーディフシティFCアカデミーゲームモデル

カーディフシティFCアカデミーゲームモデル

カーディフのアカデミーではゲームモデルを軸にトレーニングを行っている。Foundation Phase(U-9〜U-11)とYouth Development Phase(U-12〜16)では、試合のフォーマットが違うので異なるゲームモデルを使っているが、ゲームモデルに沿ってカリキュラムを作成してセッションプランを練ってトレーニングしているという点では一貫している。今回はカーディフシティFCアカデ

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