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swimmer―mi
2019年4月3日 23:44
ほら、みて。やっと来た。ずうっと待ってた甲斐があったね。ねぇ、あの雨にうたれに行こうよ。さぞ やわらかぁい音がして、きっと すごぉくいい香りがするんだよ。いいよ。行こう。あの雨にうたれたらきっともうここへは還ってこられないかもしれないけれど。それでも、いいの。あの雨にうたれたらはじまるの。はじまるんだよ。こんなにわくわくすることって他にないじゃない。そう
2019年3月12日 02:57
「ほらほら、ごらんなさいよ。」天女のひとりが足をくずしながらそう言いつつ、下界を指さしました。薄紫の雲は、駆けよった幾人の天女たちで溢れていて、凛と佇む梅花の眼福にみなが微笑み合い、風が纏った紅い芳しさが、天女たちの歌声をさらに悦ばせました。智の梅花、咲き乱れるは、百花斉放。麗の今日、待ちわび続け、はや幾年。此方に咲くは、天花乱墜、智の扇。解語之花よ、錦上添花の、満願成就。
2019年3月10日 22:43
私は、ただひっそりと、風に揺られて、垂れるだけ。私は、ただどっしりと、風を感じて、構えるだけ。私は、現れては、また消える。私は、消えることなく、ただここに。点滅する私と、点滅しない私が、 同時に存在しているだけ。それは、あなたが、私たちを見つける限り、永遠に永遠に永遠に永遠に。 #note #ポエム #藤 #藤の花 #富士山 #富士 #日本 #詩
2019年3月4日 16:06
みるく色の雲と優しい水色の空がいちごみるくの花のおやつを食べたくて。いちばん近いあたしのことを見てはうらめしそうに流れてく。どうだ!きみたちには、食べられまい!しあわせの春の甘いあまーい味。いただきまあす!をひとりじめ。にんまり時間をひとりじめ。 #春 #空 #桜 #青空 #短編 #詩 #ポエム #幻想 #ファンタジー #しあわせ #幸福 #写真 #
2019年3月2日 00:40
ひとつ、独りの地の底がふたつ、二人でみた夢とみっつ、みなが知るころによっつ、黄泉からよみがえろ いつつ、いのちの産声がむっつ、無尽の“わ”をえがきななつ、涙の髪飾りやっつ、八重の花が咲く ここのつ、今夜は祝言をとうで、永久の饗宴歌 #妖魔 #数え唄 #イザナミ #詩 #替え歌 #神話 #海 #短編 #幻想 #ポエム #歌詞 #オリジナル #神 #楠桂
2019年2月17日 03:06
ある夜のことでした。そうくんはお母さんと夜空を眺めていました。お母さんは言いました。「今日のお月さまはとっても綺麗だね。ほら、あの雲をみてごらん。なんだか龍のようだね。」「うん。お月さまの光があたって虹色のドラゴンみたいだ!」そうくんは、嬉しそうに言いました。その夜、そうくんは暖かいお布団で眠りにつきました。そして、夢をみました。…えーん。えーん。あれれ?誰
2019年2月15日 03:00
不思議なものですね、あなたさまがそのようにお思いになるなんて。いつもなら、それでもまた繰り返し繰り返し、その光る銀の糸をたらしておやりになるのでしょう?ほら、御覧くださいませ。潸潸たるあのこもごも蠢く光景を。わたくしに至っては、そのようなお立場ではまず御座いませんから、これでもめっぽう困惑しているのですよ。いえ、あなたさまがそのようにお思いになることは、少しも可笑しいことでは御座いません
2019年2月13日 17:50
ながい。ながい、ながい。嗚呼、永い。ぐにゃりぐにゃりと繰り返される白濁と暗鬱の明暗意識。足どりはふらつき、この真っ暗な世界でどれくらい彷徨っているのだろうか。遠くのほうに幽かに灯る外灯はいまにも消えてしまいそうで。緩やかに栄える易しいはずのこの坂道のほんのすこしの傾斜たちが確実にこの身の生命を削っている。何処にむかっているのかもわからず何故こ
2019年2月7日 16:59
青いれもんは、青空を吸い込みました。空から降る雨も吸い込みました。満天の星空も吸い込みました。闇夜に現れる月光も吸い込みました。流れる雲も吸い込みました。爽やかな風も吸い込みました。透き通る歌声も吸い込みました。すすり泣く哀しみも吸い込みました。冷酷な決断も吸い込みました。淡々と過ぎ去る時間も吸い込みました。青いれもんは、そろそろ逆さまの青い檸檬を卒
2019年1月12日 05:05
目の前を覆うように垂れ下がる一面の蔓には、ところどころ美しい紫色の小さな花が咲いていた。雨粒の雫が、葉をつたいつたい、繋がりながらも、静かにしたたりおちていた。この先へは、進ませない。かつて、そう結界が張られていたのだろう。私は、持っていた大剣を差し出し、たくさんの蔓を傷付けないようにソッと右に寄せた。中をのぞいて、息を飲んだ。まるで別世界のまるい空気とはじける色彩たちが、