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何度でも読みたい。

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何度でも読みたい。noteで読ませていただいた、そんな記事をまとめています。
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記事一覧

本当の理解とは、「分けて考える」の先にある

本当の理解とは、「分けて考える」の先にある

ぼくは昔から食べることが好きで、大学生時代はアルバイトで貯めたお金で、一流と呼ばれるレストランに足を運ぶことが趣味だった。

一流の料理人がつくる料理は、ただ美味しいだけではない。

そこには料理人の魂みたいなものが息づいていて、その人の哲学が凝縮されているように感じる。それは世界観といってもいいかもしれない。そういう料理を食べ終わると、いい作品を読み終わった後のような気持ちになる。

ぼくが思う

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呼吸と断捨離の境界

呼吸と断捨離の境界

 喘息もCOPDも閉塞性換気障害を呈する疾患です。これを平たく言い換えますと、うまく息を吐けないということです。

 息が苦しいと空気を吸いたくなりますが、吸うためには吐かねばなりません。吐ききらないうちに吸おうというのは、膨らんだ風船に空気を入れ続けようとするようなものです。いずれ吸えなくなりますし、無理矢理空気を押し込めばパーンと破れます。

 呼吸。

 呼気とは吐く息、吸気とは吸う息です。

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関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。

友だち(訂正) 三十になろうかという秋の夜、「お友達になりたいです」と言われた。この、もっぱら人づきあいが苦手で、友だちの少ない、そして「友だち」という語のうまく使えない、わたしが。そうメッセージをくれたのは同年代の女性で

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幸せを取りこぼさない方法

幸せを取りこぼさない方法

初めて来た外国で、気が付けばまったくタクシーの来ない場所に取り残されていた。困っていると、知らない青年が「お金を払ってくれるなら俺が街まで送ってあげるよ」と提案してきた。あなたならその車に乗る? 乗らない?

今日は幸せを取りこぼさない話がしたい。
私の周囲には幸せな人が多い。私も概ね幸せな人生を送っている。生きていく上で、辛い思いもしたし哀しい出来事も経験した。苦い経験も頭を抱えるような気持ちで

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100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

noteでもこれまで何度も「100マイルアドベンチャー」については書いてきましたが、今年も開催します。

改めて、100マイルアドベンチャーとは、2012年から私が継続して毎年開催している、小学6年生限定の夏休みの冒険旅。

100マイル(160km)を10日ほどかけてキャンプしながら踏破する、冒険の旅です。

毎回、開催ルートを変えながら行っています。これまで過去12年のルートは以下。2018年

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ゆったりと本が読めるお薦めのブックカフェ【7選】|本の棲むところ(番外編)

ゆったりと本が読めるお薦めのブックカフェ【7選】|本の棲むところ(番外編)

4月13日は「喫茶店の日」ということで、連載「本の棲むところ」の番外編として、ほんのひととき編集部がこれまでに訪れた都内近郊にあるお薦めのブックカフェをご紹介します。

── No.1 ──
PASSAGE bis!
(神保町)フランス文学者の鹿島茂さんがプロデュースする神保町のシェア型書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」の3階にあるカフェラウンジ。
フランスから取り寄せた古書がデ

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無条件に幸せでいていい

無条件に幸せでいていい

先日、ある町に出掛けた時、町内放送が流れてきました。こどもの声で下校中の見守りをお願いする内容です。

「私達も交通ルールを守りますので、見守りをお願いします。」

この言葉に、私は「あっ・・」と思いました。最近考えていたことを思い出したからです。

それは、私達が幸せを何かと引き換えにしてしまうこと。
交通ルールを守りますから見守ってください。
頑張るから、努力してるから、大変だから、いい子でい

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自分の料理力が試されているような気持ちになる。「冷蔵庫の食材テトリス」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自分の料理力が試されているような気持ちになる。「冷蔵庫の食材テトリス」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

 自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。皆さんは、冷蔵庫の中に中途半端に残った食材を前に頭を悩ませた経験、ありませんか?
※第1回から読む方はこちらです。
#4  冷蔵庫の食材テトリス 一週間ほど

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子どもに“委ねる“覚悟と、子離れの難しさについて

子どもに“委ねる“覚悟と、子離れの難しさについて

期待を手放し、相手を信頼し、ただただ見守る。

子育てをしていると、この「見守る」について、たびたび考えさせられる。そのことを、ぼくのnoteではこれまでに何度も書いてきた。

ぼくのnoteを定期的に読んでくれている人なら、我が家の息子たちの不登校ぶりについてはお馴染みだろう。ウチには3人の息子がいるが、誰かが学校に行き出したら、誰かが学校に行かなくなる。

不登校が悪いことだとは思っていない。

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“価値ってどういう意味?”

“価値ってどういう意味?”

 何処で覚えてきたのか、息子が不意に私に訊ねました。

 価値。

 さて、4歳児に「価値」を説明するには、どのような対話を展開するのが良いでしょうか。私は「大人になれば分かる」という文言は使いたくないのです。答えを与えずとも考察のヒントになるような対話が、親子間にも持たれるべきだと思います。

 人によって「価値」の考え方は違うと思うけど、と前置きしてから、

「どれくらい大切なものと感じるか」

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デカルトはバッターボックスにはいない

デカルトはバッターボックスにはいない

人間は視覚刺激を受けてそれを判断し行動するまでに0.5秒程度かかります。ところが野球のピッチャーが時速160kmで球を投げると0.4秒でバッターボックスに到達するために到底間に合いません。

眼など情報を得て神経を通り中枢に到達し、脳が判断し神経を通って身体を動かしている時間がないわけです。むしろ中枢を通らず自律分散的に身体が反応しているのに近いと考えています。

脳という中心があり、そこに意識が

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人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

40歳を過ぎてくると、それまで自分の道をひたすら邁進していた人が「若い世代のために」「自分のことよりも社会に」と言い出す人が多い。

もちろん、そうではない人もいる。

私の周囲にも、登山や冒険の界隈の人で、かつては「冒険に社会性なんてない。社会と関わらない方がより美しい行為ができる」と断言していたような人物が、40歳を過ぎてしばらくした頃から「若い奴らのために」という言葉が出るようになり、ずいぶ

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冒険家になるには

冒険家になるには

一般的に「◯◯家」というのは、誰でも、いつでもなれる。

私は「冒険家」を対外的な肩書きとして使っている。時々「どうやったら冒険家になれますか?」と聞かれることがあるが、そんな時は「名乗ればいいんです」と答えている。

「◯◯家」は、言ってみれば全て「自称」でしかない。なるための試験があるとか、資格が必要とか、そんなものはない。

「◯◯士」もしくは「師」などの、いわゆる「士業」は資格が必要だ。弁

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あなたを飛躍させる「差別化論」。

あなたを飛躍させる「差別化論」。

プロローグ上司にそんなことを言われた経験がある人も多いだろう。

あるいは、

そんなことを思っているフリーランサーやひとり社長もいることだろう。

ビジネスパーソンがよく使う「差別化」という言葉。
意味はわかっているつもりだが、要するに何をすればいいのかが分かりづらい言葉でもある。

競合他社(または他者)と比べて、自分の何に優位性があるのか。価格なのかサービスなのか。またはフォーム(型)なのか

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