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医学生を応援するマガジン

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毎日、難解な医学を学んでいるが、どうしても理解しきれない。 大学教員も、「わかるように噛み砕いて」説明してくれている感じがせず、モヤモヤする。 「本当に将来、医師になるのに、今… もっと読む
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記事一覧

心電図読影の「トレーニングの場」を作りたい

心電図読影の「トレーニングの場」を作りたい

基本的に心電図というものから逃れられない「医師」という仕事- 外科の術前。
- 担当患者の入院時ルーティン。
- 健康診断での心電図異常。

一般採血とならび、どんな進路を選ぶ医師にとっても避けられないのが心電図です。
すぐに結果が出て、すぐに緊急性の有無の判断を頼まれる検査です。

心電図に自信がないまま中堅医師になってしまった!研修医と違って、中堅医師になると、なかなか自分の担当患者の心電図を

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呼吸器系や消化器系、、、の前に。

呼吸器系や消化器系、、、の前に。

物流システムに乗って流れている「資源」と「ゴミ」は?前回、循環器系は「体内の物流システム」という話をしました。

では、この「物流システム」で運ばれている「酸素」や「栄養素」などが、そもそもどのようにこの物流系に取り込まれるのか?そして消費された後の「ゴミ」がどうなるのか?という話をしましょう。

体内の細胞たちは、いつでも快適体内にいる細胞たちは快適な環境で生活できるように、とっても上手に調整さ

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「焦ってる」自分を認めろ

「焦ってる」自分を認めろ

年が明けると「焦り」が増す受験生2022年です。年が明けると、受験生が焦り出しますね。

かくいう僕も、そのひとりです。

実はこの記事を書いている僕も、とある国家資格を取得しようと思って今月受験する予定なんです(医療系とは無関係です)。

試験前日とかなら潔く「ツメコミ学習」をすれば良いのでしょうけど。

「いま詰め込んでも試験まで知識が持たない気がするし、、、何をすればいいんだろう?」そんな時

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医学における「ミクロ」な目線とは?

医学における「ミクロ」な目線とは?

 では、医学部前半で学ぶ「ミクロ」な目線である「基礎医学」ではどんなことを学ぶのでしょうか?

難解でコスパの悪い「基礎医学の授業」 科目にするとたとえば「細胞生物学」や「生化学」、「分子生物学」とかになります。病気や治療に関する学問だと「薬理学」や「病理学」が該当します。これらの知識はヘルスリテラシーを高めるために有効だし、家族が患った病の知識を深め、医師からの病状説明や治療方針の説明を「納得感

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医学における「ミクロの目」と「マクロの目」。

医学における「ミクロの目」と「マクロの目」。

 最近更新できておらず、記事を楽しみにしておられた方、申し訳ありません。せめて「日記」的にでも記事を定期的にUPしていこうと思います。

 今日のテーマは「医学」へのアプローチの仕方です。ミクロな目線とマクロな目線。2つの視点をうまく行ったり来たりすることが学びの効率化に大事だと思います。

生物の基本「細胞」から、医学を語る「ミクロの目」 生物の基本は「細胞」です。われわれ人間も、細胞の集まりで

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「行動モデル」を理解し、機械的に習慣をコントロールする

「行動モデル」を理解し、機械的に習慣をコントロールする

〜どんな「コード」を書けば、より良く自分をプログラミングできるか?〜
習慣 超大全 本の紹介です。みなさんに紹介したい本はたくさんありつつ「出し渋り」しておりました。が、今回は一足早く紹介です。「あらゆる方」を対象におすすめできる本です。

「行動デザイン」で習慣化を「仕組み化・自動化」できる 研究に基づいた方法論で、かつ実際に現場で成果も出している手法「タイニー・ハビット」の理論と実践が書かれて

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医学生は何を学んでる?⑤卒業試験〜国家試験

医学生は何を学んでる?⑤卒業試験〜国家試験

医学生は、ある意味通常通りの大学生活を1-4年生で過ごし、CBTという試験で「はじめて」本気で勉強し、4~5年生からの臨床実習で意識を高めつつ自主的な学習を始める。そんな流れを説明してきました。

前回記事はこちらです。

「大学のあり方」自体を見直す必要があるのは医学部も同じ 「CBT通過→臨床実習→国家試験通過」だけで医者になって良いんじゃないの?と思うほど、基本的には「中身のない授業」

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医学生は何を学んでる?④臨床実習

医学生は何を学んでる?④臨床実習

思ったより、一つひとつの記事がボリューミーになってしまいました。それでも、毎回読んでくださり、「スキ」をくださる皆さんに感謝です。それをモチベーションに引き続き記事を書いてまいります。前回はPBLという医学部での臨床医学講義について説明しました。

1-4年生が、いかにフツーか 1-4年生がいかに「フツーの大学生が、フツーに大学生活を送っている」のと変わらないか?サボりたい学生と研究の片手間に授

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心電図読影で大事なのは、ホームランを打つことではなく、「三振をしない」こと

心電図読影で大事なのは、ホームランを打つことではなく、「三振をしない」こと

「もしも心電図が小学校の必修科目だったら」 「もしも心電図が小学校の必修科目だったら(香坂俊 先生 著)」をご存知でしょうか?
香坂先生の「わかりやすく、かつぶっちゃけた話しぶり(書きぶり?)」に感銘を受けたことを(わかりやすいけど、小学生にはキツイよなとかツッコミながら読んでいたことも)覚えています。

あの本が出て8年も経つと知り、早いものだなと感じています。

なぜこの話題が急に出てき

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医学生は何を学んでる?③臨床医学(PBL)

医学生は何を学んでる?③臨床医学(PBL)

一般大学とほぼ同じ光景 ① 一年生の一般教養→② 二年生ころの基礎医学と紹介してきました。医学生たちが学んでいるのは、専門領域が「基礎医学」というジャンルであることを除けば、大学内での光景は通常の大学と変わりないよ、ということも知っていただけたのではないでしょうか?
医学生への「基礎医学」教育も普通の大学と同じように、「つまらない」「単位取れればいいや」状態になりかけている点も紹介できたと想いま

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医学生は何を学んでる? ②基礎医学ver.

医学生は何を学んでる? ②基礎医学ver.

すぐ終わってしまう一般教養と、ついにはじまる医学 前回記事の続きです。では、2年生になる頃から、医学生は何を学ぶのでしょうか?一般教養はだいたいこのあたりで終わりになってしまいます。経済学・経営学などを学ばないケースは多々あります。

だいたい、医学生は2年生の一年間で、「基礎医学」というジャンルを学ぶケースが多いと思います。

「医学」と付くからには、やる気を復活させようとする医学生たち 医学

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医学生は何を学んでる? ①1年生ver.

医学生は何を学んでる? ①1年生ver.

この記事は、医学生および、健康意識の高い一般の方向けに書いています。

「お粗末」な医学部教育 ちまたに出回る健康本。インターネット上にあふれる健康情報。

すべての社会人が、医療リテラシーを高めて、正しく自分の健康管理ができる社会を望んでいます。

では、「社会人も医学部の学生が受けているような授業を受ければ良いのか?」と言われると、答えは「ノー」です。理由はシンプルです。あまりに日本の医

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はじめての降圧薬

はじめての降圧薬

「種類が多すぎる」ことが悩みのタネ 研修医で、外科や整形外科などをローテートしていると、入院患者さんの血圧管理を頼まれることもあるかもしれません。

 また、症状はないものの「血圧が高い」というだけで救急外来を受診される患者さんを診ることもあるかもしれません。

 でも、「降圧薬は種類が多すぎてお手上げ」になりやすいと思います。

 この記事では特に「一年目」の研修医がおさえておくべき降圧薬の知識

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