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筒井康隆「ビアンカ・オーバースタディ」ほか
【どうでもいい話】「作品を出すだけで嬉しい」とは、作家にとってある意味で辛い言葉ではなかろうか。
もちろん褒め言葉としても取れるが、自作の作品としての良し悪しを度外視されるのは優しい戦力外通告のようにも聞こえる。
それでも、筆者には二人「作品を出すだけで嬉しい」作家がいる。一人は筒井康隆、一人は萩尾望都だ。
もう筒井康隆は「ダンシング・ヴァニティ」も「聖痕」も「モナドの領域」も読んでいない。萩
阿部和重「大江健三郎追悼」
非常に良い記事だった。ぜひ読んでほしい。
川野芽生「無垢なる花たちのためのユートピア」
目元より上を、白と赤紫のまだらに混ざった花に覆われた中性的な未成年者。
白い布地の、上は肩の出た柔らかな服、下は同じ生地の、太ももの中ほどまでを覆う半ズボン。
目元の花びらは今しがたも散り続けている。
副題の「THE NOWHERE GARDEN FOR THE INNOCENT」の文字列は白い蔓の装飾に両端から挟まれている。
背景には水のような空のような青色。
本作「無垢なる花たちのためのユー