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半分ずつをお互いに持ちあう――「ことぱの観察 #13〔つきあう〕」向坂くじら
詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。
つきあう 「わたしたちって、つきあってるってことで、いいんだよね?」
と聞いたら、
「ちがう……んじゃないか……!?」
と言われて、気まずかった。夫にである。恋人になる前のことではない。つい先月、ふたりで暮らすリビン
まあ、好きということでいいんじゃないですかね……――「ことぱの観察 #08〔好きになる〕」向坂くじら
詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。
好きになる 目を覚ましたら新しいプレイリストができていた。年末になると音楽のサブスクリプションサービスから通知が届いて、この一年どんな音楽を聴いてきたか教えてくれる。それが来たのだ。
わくわくしながらリストをひらいて驚い
今日以降、"男の子だったら"と言うことをやめようと思う
おてんば的に使い古されてきたセリフだと言うだけで、結局のところ、「私、男の子に産まれればよかったな」と、本気で思ったことはない。子供の頃から、リボンやフリルも、三つ編みもドレスも好きだったし、ディズニープリンセスも、おジャ魔女どれみも、大好き。
あれ、「いわゆるマジョリティの要請として求められている女の子として自分は何かがおかしいかも?」と思ったことはあったけれど、私は女の子に生まれてきたことに
手は、そのひとの人生を物語る――「マイナーノートで」#28〔ハンド・モデル〕上野千鶴子
各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。
※#01から読む方はこちらです。
ハンド・モデル 電車に隣り合わせた若い女性がスマホをいじっている。その手を見て目が釘付けになった。なめらかな大理石のような肌、シミ一つない白さ、すっと伸びた細い指に手入れされた卵形の