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高屋敷坂
2023年11月9日 11:24
僕の思い出がなくなったふと会いたくなったとき見上げればそこにはまあたらしい建築物僕の思い出がなくなった幼年をすごした団欒の小さなくらしでもたのしかった過去僕の思い出がなくなった人なし人家となったときポストにつまる郵便物切なさにひたった幼年のころ僕の思い出がなくなったふと会いたくなったとき見上げればそこにはまあたらしい建築物
2023年11月8日 10:48
家のそとからあの ぶきみでおそろしい姿のみえない 獣の声が遠吠えのように こだまするぼくは こわばり耳をすまし獣とのきょりを はかるのだ家がゆれこだかい歌が さそうころ ヒュルヒュル ヒュルリ ヒュウ ヒラリ魔笛のようにきこえるはただの風には思えずと
2023年11月7日 12:00
くもり空のしただれもいない小道はじまりの合図は頬にふれたひとしずくあわててかけよれば足が地面にとらわれる草花がそよそよと笑いくやしくて足もとをみればかおをだした木の根っこ行き場のないむなしさに針葉樹はおどる
2023年11月6日 10:48
まだ星の見守る夜明けまえ薄明かりの光に影をおとす顔にささるあたたかな指先をかざして頼りなく白いけむりが綿帽子まだ夜は明けずまだ火は消えず
2023年11月5日 10:39
ある人は言った前に進むにはなにかひとつを捨てなければならないとそれは人にとってはどんなものよりも恐ろしい人は今を変えたくも過去を壊したくもないそれなのに人は愚か新天地を望み暗闇から流れ星をつかもうとする欲に欲をかさね身動きがとれなくなりまだ星に願う者がこの世にはたくさんある人は言った前に進むにはなにかひとつを捨てなければならないと
2023年11月4日 10:54
めざめるとそとは 雨や雷や屋根をつらぬく 大槍に臓をしびらす 光の根朝も朝だが まっくらで夜明けまえと 錯乱すそこで銅鑼が 刻をつげ雨はしだいに とおのくか気分はじとじと雷雨より低空
2023年11月3日 10:34
ほほがいたい根をはるように ひろがってつめたい小川が たれさがるぼくはいま 猫のようぼくはいま 柳のようほほがいたいのどがいたい秋雨のあれる秋雨のあれる
2023年11月2日 11:00
僕のきらいなこと 優しくされること 気遣われること その微妙な笑顔僕のきらいなこと 特別あつかいされること 変な目でみられること その重たい空気僕のきらいなこと 理解されないこと 一方的に悪口を言われること その攻撃的な思想僕のすきなこと ひとりでいること なにも考えないこと この達観した心
2023年11月1日 11:14
とおくで 音がした野山にひびく 気高い音がとおくで 音がした風にふかれる からい音がとおくで 音がした河原にしたたる 雫の音がとおくで 音がした路頭に煙る 焼き芋屋の音がちかくで 音がしたまっしろに漂う 吐息の音が
2023年10月31日 10:36
息がつまるように生活に水が流れるように詩をしたためた想えば想うほどに路頭に迷い言葉をえらべなくなり朝日が胸にくるしい
2023年10月30日 10:53
いつも 朝はやくせわしなくでていくわたしの妹よふくろうではないからよふかしは いけませんすずむしではないからさわがしくては いけませんにわとりより はやくあさがおより はやくあさやけより はやくたいようより はやくすっきりと人間の心のままにめざめなさい
2023年10月29日 11:01
つくってくれたねさむい朝 いちばん早くせわしない まごころを魔法のように 唱えてしまい綺麗なつつみでたずさえるからっぽになったさみしいお昼 たのしみにしずかに心を おどらせて夢をみるように あけはなつ宝のようにきらきら光るあたたかくてもつめたくても年月が過ぎ 焦がれてしまう愛のこもった お弁当を泣きながらいただきたい
2023年10月28日 10:44
もみじの葉もみじの葉人間の手に にているね大きいものは父小さいものは弟もみじの葉もみじの葉鳥のあんよに にているね雪道にのこるきょだいな怪鳥もみじの葉もみじの葉夜空の星に にているねひらひらおちるあかい流れ星
2023年10月27日 10:57
水面に泳いだ波紋 ひびかせてつらぬく玉を うつしだすそれは ゆらいで ゆがみまたたくも水底しずめた 星月夜いま 幻想の言の葉 まどわせる