加賀 隼人

ストロングポイント株式会社 代表取締役社長 前職はデロイト・トーマツグループ出身のコン…

加賀 隼人

ストロングポイント株式会社 代表取締役社長 前職はデロイト・トーマツグループ出身のコンサルタント。 10年間在籍して、名古屋支社長・大阪支社長を歴任。 2014年にストロングポイント㈱創業 現在はコンサルティング・人材育成サービスを四国、中国、関西地方にサービスを提供している。

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記事一覧

なぜ目標を達成しなければいけないのでしょう?

前回の記事 課題 今後の会社の向かう方向を社員が 不安に思う カルチャーを明文化し、カルチャーに合った人事評価制度を導入、そしてカルチャーにフィットした将来の幹…

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(四人目)すべての役員を降格して組織改革を断行した後継者

前回の記事 すべての役員を降格して組織改革を断行した後継者の話 ガソリンスタンドの営業からスタートし、LPガスの販売、太陽光発電事業など、エネルギー関連分野で事…

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(三人目)借金がある先代から事業を受け継ぎ立て直した娘婿後継者

借金がある先代から事業を受け継ぎ立て直した娘婿 四国で水産加工を営むE社。20年前まで漁師を生業としていた先代が、 水産加工業の会社を立ち上げたきっかけは、知り合…

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(二人目)安定している専門商社だが新規事業に挑んだ後継者

前回の記事 専門商社が新規事業にもチャレンジ 広島市に本社を置く、機械専門商社で、製造業や物流業などを顧客に持つD社。好景気のときは民間企業からの受注が増え、不…

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(一人目)ブライダルビジネス業界の課題解決に挑んだ後継者

前回の記事 ブライダル業界の抱える課題を解決した新規事業 福岡市に本社を置き、九州地区を中心に結婚式場の運営など、ブライダル関連事業を展開するC社。売上規模は約…

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地方の陳腐化したビジネスモデルを見直す

前回の記事 事業モデルを根本的に見直す ビジネスモデルの見直しや新規事業の開拓は、企業ごとに課題があったり、業界ごとの課題があったりなど、コンサルをしていても個…

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先代からのビジネスモデルが陳腐化している

前回の記事 「中期経営計画」のような、中期経営計画は3~5年以内の目標の達成となるため、一般的には既存事業の深化が中心となります。 一方で、経営には「深化」と「…

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社員の意見を取り入れた中期経営計画

前回の記事 中期経営計画の手順社員の意見を取り入れた中期経営計画の作成は2日間に分けて行い、 社員全員参加が基本です。 チームは社長と幹部チームが1つと、あとは…

社員の満足度調査ではなく、意識を調査する

前回の記事 社員の意識調査を実施し、データを集める業績をアップしたい会社や経営者が中期経営計画を立てて、社員たちの モチベーションを上げていくにはどのようにすれ…

自社の5年後を引っ張る人材を採用

前回の記事 課題 将来を見据えない近視眼的な採用になってしまう  カルチャーに関する項目に入れた人事評価制度を導入したことで、 徐々にカルチャーフィットしない人…

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後継社長は次世代幹部をどう選ぶべきか?

人事評価に対する納得感の醸成には 評価面談が必要  本論とは話が逸れますが、人事評価制度の活用について 少し触れておきましょう。  人事評価の結果、上司の評価と自己…

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人事評価制度の限界

前回の記事 解決策(1) 人事評価制度作成の手順1 〜人事評価の目的とは何か?事業を承継した後継者が新たなカルチャーを構築し、未来を見据えた 組織づくりをするために…

古参の幹部がいうことを聞かない……。後継社長の組織づくりを阻む3つの問題

前回の記事 課題 組織づくりを阻む3つの問題後継者がつくり上げたカルチャーを明文化し、カルチャーにフィットした人材を中心とした組織をつくっていこうとしたときに課題…

後継者の悩み 先代のカルチャーVS自分のカルチャー

前回の記事 解決策 自分のカルチャーを明文化しよう続いて、カルチャーを文章として表し、見える化していきます。 先代までは空気感として「ウチの社風はこんな感じだよ…

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企業カルチャー構築の事例紹介

前回の記事 解決策 現状維持バイアスから解放されよう少し脅すような内容になってしまいましたが、実際に私の元を訪れる 後継者の多くは、自分が我慢することでなんとか乗…

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社員が自ら動かない……トップダウン企業の後継社長が直面する「難題」と「解決策」

前回の記事 課題 全員が自ら考えて動くことを忘れている経営者1人の決断で事業や人を動かす、トップダウン経営により 勝ち上がってきた企業は多くあります。 会議の場での…

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なぜ目標を達成しなければいけないのでしょう?

なぜ目標を達成しなければいけないのでしょう?

前回の記事

課題 今後の会社の向かう方向を社員が
不安に思う カルチャーを明文化し、カルチャーに合った人事評価制度を導入、そしてカルチャーにフィットした将来の幹部候補が入社してくることで、少しずつ社内に変化が起こります。中でも最たるものが、カルチャーにフィットしない人たちが居心地の悪さを感じ、徐々に退職者が増えていくことです。

 人事評価と育成、補強という工程を3~5年継続していくことで、よう

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(四人目)すべての役員を降格して組織改革を断行した後継者

地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(四人目)すべての役員を降格して組織改革を断行した後継者

前回の記事

すべての役員を降格して組織改革を断行した後継者の話 ガソリンスタンドの営業からスタートし、LPガスの販売、太陽光発電事業など、エネルギー関連分野で事業を拡大していく企業が地方には多くあります。

 四国に本社を置くF社も、そんな「エネルギーコングロマリット」企業です。従業員数約300人、売上約250億円。創業者は積極的にM&Aによる買収を行うなどして事業を拡大。地域のエネルギー分野と

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(三人目)借金がある先代から事業を受け継ぎ立て直した娘婿後継者

地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(三人目)借金がある先代から事業を受け継ぎ立て直した娘婿後継者

借金がある先代から事業を受け継ぎ立て直した娘婿 四国で水産加工を営むE社。20年前まで漁師を生業としていた先代が、
水産加工業の会社を立ち上げたきっかけは、知り合いの要望があったからでした。そして現在、従業員は約100名、年商約20億円規模の企業にまで
成長しました。

 10年前に娘婿である徳永さん(仮名)が入社しました。入社当時は先代が漁師であったこと、先代は経営についての知識がはない中で運営

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(二人目)安定している専門商社だが新規事業に挑んだ後継者

地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(二人目)安定している専門商社だが新規事業に挑んだ後継者

前回の記事

専門商社が新規事業にもチャレンジ 広島市に本社を置く、機械専門商社で、製造業や物流業などを顧客に持つD社。好景気のときは民間企業からの受注が増え、不況でも他業界からの
受注は絶えないなど、取引先が安定したビジネスモデルで盤石な経営基盤を築いてきました。

 3代目後継者の早川さん(仮名)は、30代からD社に入り、
将来の事業承継に向けて営業や現場などさまざまな部署を経験しました。

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地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(一人目)ブライダルビジネス業界の課題解決に挑んだ後継者

地域ビジネスの承継を成功させた4人の経営者たち(一人目)ブライダルビジネス業界の課題解決に挑んだ後継者

前回の記事

ブライダル業界の抱える課題を解決した新規事業 福岡市に本社を置き、九州地区を中心に結婚式場の運営など、ブライダル関連事業を展開するC社。売上規模は約20億円、従業員数約100人という同地区でも有数のブライダル関連企業です。

 創業社長の引退を機に、経営を引き継いだ
北村さん(仮名)は当時30代前半。承継後も順調に売り上げを伸ばし、
金融機関からの融資が積極的なこともあり、継続的に新

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地方の陳腐化したビジネスモデルを見直す

地方の陳腐化したビジネスモデルを見直す

前回の記事

事業モデルを根本的に見直す ビジネスモデルの見直しや新規事業の開拓は、企業ごとに課題があったり、業界ごとの課題があったりなど、コンサルをしていても個別のケースでアドバイスしていきます。
また、時代が変われば将来的にビジネスモデルそのものが陳腐化してしまうこともあり、大局観でお伝えするのは難しいテーマでもありますので、
ケーススタディを交えていきながら解説していきます。

古くなった

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先代からのビジネスモデルが陳腐化している

先代からのビジネスモデルが陳腐化している

前回の記事

「中期経営計画」のような、中期経営計画は3~5年以内の目標の達成となるため、一般的には既存事業の深化が中心となります。
一方で、経営には「深化」と「探索」が必要であるとすでに述べた通り、
経営者視点では、新しい製品やサービス、事業を生み出すイノベーションも重要です。
つまり、深化と探索は常に両輪で回していかなければ会社の成長は
望めないのです。

 特に、先代から引き継いだビジネスモ

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社員の意見を取り入れた中期経営計画

社員の意見を取り入れた中期経営計画

前回の記事

中期経営計画の手順社員の意見を取り入れた中期経営計画の作成は2日間に分けて行い、
社員全員参加が基本です。

チームは社長と幹部チームが1つと、あとは会社の規模にもよりますが
8名前後でチームを作っていきます。

手順は以下のとおり進行します。

まずは、各チームで以下の3つのシートの作成をします。
①どういう会社になりたいですか?
②具体的にはどういう会社ですか?
③中期経営計画

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社員の満足度調査ではなく、意識を調査する

社員の満足度調査ではなく、意識を調査する

前回の記事

社員の意識調査を実施し、データを集める業績をアップしたい会社や経営者が中期経営計画を立てて、社員たちの
モチベーションを上げていくにはどのようにすればよいのでしょう。

社員を巻き込んで行くには、バスの行き先を経営者が勝手に決めるのではなく、バスに一緒に乗っている社員たちに確認する。すなわち聞くことです。

 皆の意見を聞くなどというと、何だかリーダーらしくないとか、頼りないと感じる

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自社の5年後を引っ張る人材を採用

自社の5年後を引っ張る人材を採用

前回の記事

課題 将来を見据えない近視眼的な採用になってしまう

 カルチャーに関する項目に入れた人事評価制度を導入したことで、
徐々にカルチャーフィットしない人、旧来のやり方に固執する
幹部たちへの評価が下がっていきます。

 例えば100人の従業員がいて、徐々にカルチャーが
浸透していくことで、そのうち6割がカルチャーフィットするようになるとカルチャーにフィットしない人たちはだんだん居づら

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後継社長は次世代幹部をどう選ぶべきか?

後継社長は次世代幹部をどう選ぶべきか?

人事評価に対する納得感の醸成には
評価面談が必要
 本論とは話が逸れますが、人事評価制度の活用について
少し触れておきましょう。
 人事評価の結果、上司の評価と自己の評価の間にギャップを生じ、
フィードバック面談等で不満を示す従業員は、
どの企業においても一定数存在します。
理想的なのは上司の評価も自己評価も共に高い、
あるいは自己評価よりも上司の評価が高ければ、
何の不満もなく、フィードバック面

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人事評価制度の限界

人事評価制度の限界

前回の記事

解決策(1)
人事評価制度作成の手順1
〜人事評価の目的とは何か?事業を承継した後継者が新たなカルチャーを構築し、未来を見据えた
組織づくりをするために活用すべきなのが、
人事評価制度であることは先に述べたとおりです。
人事評価制度とは、従業員の企業への貢献度合いや本人の能力をどのように待遇に反映するのかを整理し、明文化したものです。

しかし、人事評価制度が従業員の成長を促進させ

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古参の幹部がいうことを聞かない……。後継社長の組織づくりを阻む3つの問題

古参の幹部がいうことを聞かない……。後継社長の組織づくりを阻む3つの問題

前回の記事

課題 組織づくりを阻む3つの問題後継者がつくり上げたカルチャーを明文化し、カルチャーにフィットした人材を中心とした組織をつくっていこうとしたときに課題となるのが
以下の3つです。

課題(1) 古参の幹部が言うことを聞かない

課題(2) 改革しようとしても現場がついてこない

課題(3) 後継社長にとって価値のない人材が高い給与を取っている

先代経営者の下で、長くひとつの環境でや

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後継者の悩み 先代のカルチャーVS自分のカルチャー

後継者の悩み 先代のカルチャーVS自分のカルチャー

前回の記事

解決策 自分のカルチャーを明文化しよう続いて、カルチャーを文章として表し、見える化していきます。

先代までは空気感として「ウチの社風はこんな感じだよね」と、
ふわふわとして曖昧だったものを、きちんと経営者の言葉として表し、
カルチャーを従業員一人ひとりに認知させるのです。

 例えば、前回の日下部社長の〈「昔からこうです」と言わない〉という
カルチャーを明文化せずに、口頭で伝えるだ

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企業カルチャー構築の事例紹介

企業カルチャー構築の事例紹介

前回の記事

解決策 現状維持バイアスから解放されよう少し脅すような内容になってしまいましたが、実際に私の元を訪れる
後継者の多くは、自分が我慢することでなんとか乗り切ろうとして、
「もうこれ以上どうしようもない」と困りきっています。

先代が築き上げてきた会社を自分が崩壊させてしまうのだけはなんとか
避けたい。

百数十名いる従業員の雇用と生活を守るために継続していかなければいけないという現状維

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社員が自ら動かない……トップダウン企業の後継社長が直面する「難題」と「解決策」

社員が自ら動かない……トップダウン企業の後継社長が直面する「難題」と「解決策」

前回の記事

課題 全員が自ら考えて動くことを忘れている経営者1人の決断で事業や人を動かす、トップダウン経営により
勝ち上がってきた企業は多くあります。
会議の場での話し合いや検証といった無駄を排除することで効率的かつ
スピーディーに会社経営を行う。
かつて地域の中核企業の多くはこのようなマネジメントスタイルで
地道に成長を続けてきました。これは市場の成長時には
有効なマネジメントスタイルです。

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