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音楽を作るために考えていること

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#生き方

ゆめみたいなはなし、きらいなの

新年明けて三が日ずっと休みだった。Kindleのセールがあったので大量に電子書籍を買い込み、延々と本を読んでいた。「値段で購入を決める」という、僕にしては時間を贅沢に使った読書をしまくった。

新刊ばかり読んでいて、全容的に「嫌なら逃げればいい」という文言がゆるやかに増えたなぁと思ったのだ。もっといえば「ゆめみたいなはなし」がやたらと書かれているものが多かった。

どこか読者を甘やかすことで部数を

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険しいことを冒す

険しいことを冒す

「険しいことを冒す」と書いて冒険だそうだ。

外に出て色々なことを経験し、傷付いて倒れて立ち上がって、そして何かを手にする。

自分の人生の主人公は自分なのだから、みんな主人公になって冒険する。

他人の人生の中では脇役に過ぎない僕もあなたも、自分の人生に関しては険しさを冒す必要がある。

だから多少の危険は仕方ない。

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歌を作ることになったきっかけ

「自信を失くすと自分を見失い、一気に途方にくれる」

僕がその感覚に初めて滑り落ちたのは十四歳の頃だった。

中学生活も二年目になり難易度が苛烈する勉強の反動だろうか。教室内では横行するイジメまでがつられて苛烈していたし、先生たちはやたらと怒りっぽかった。

そんな学校を面白いとは思えなかった。
僕自身はイジメの被害者でも加害者でもなかったが、友達はいなかったので、基本的には学校は眠る場所になって

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希望もあるっちゃある

昔書いた寄稿記事で

音楽、小説、コミック、映像、演劇、お笑いと、いろいろなエンタメに、僕は影響を受けてきました。
オリジナリティとは「特殊なやり方」のことではなく、「特殊な感動を与えられること」なのかもしれません。

というものがあった。今もここに着地させたいと思っている。

替えがきくやり方でもいい。スペシャルなやり方じゃなくてもいい。
ただ、替えがきかない種類の感情を、届けられるようになりた

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依存しているが依存していていい

依存しているが依存していていい

多かれ少なかれ何かに依存している。人間をやっている以上は仕方がない。

アルコールやクスリ、ギャンブルに恋愛、子育てや勉強に仕事にトレーニング、宗教なんかも、依存に当たるだろう。「それを取り上げられたらパニックになってしまうようなもの」が誰しもにあると思うのだ。

そこそこ人間をやってきて、手に入れたのは「ある程度の開き直り」だ。
僕の場合、「依存と向き合っちまえばいい」という結論を出した。

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矛盾してない方がいや

矛盾してない方がいや

「もっと矛盾していてもいいのに」と思う。

あれもこれも噛み合いすぎている。

噛み合わないこととか、矛盾があるってだけで無価値になるはずがない。
だけど、僕たち人間は噛み合っていることが大好きだ。
でも僕はけっこう「噛み合わない」が好きみたいだ。

たとえば「甘いものを食べたいからスイーツを作ろう」と思い立ったとする。

そこに一見、全然合わなさそうな辛い材料や苦い材料をブチこんだら、美味くなっ

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禅寺がカルトだった話

禅寺がカルトだった話

よく禅寺で禅を組んでいた。足を組んで「喝!」とぶっ叩かれるアレだ(実際は発声しない。打たれるのも挙手制)。

あの時期はいろいろ苦痛が多くて悟りたかったし、雑念を振り払いたかったし、健康になりたかったし、強くなりたかったし、いいバンドになりたかったからだ。何か変われとワラをも掴む気持ちだった。

だけど「現実と非現実。」の歌詞を書けたのはこの寺での影響が大きい。

禅は毎回ワンセット40分ほど組む

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新しいこと古いこと

新しいこと古いこと

契約をしてきた。絵本が9月に出る。ミニアルバムぐらいの量のCDをつける。

僕のバンドが解散することになったのは、ついこの前なのに展開が早くて驚いている。

Tobariを始めてから、「新しいこと」という褒め言葉を時々、言ってもらえるようになった。

本日は「新しい」ってどうなのだろうか?という記事。

もちろん僕だってイノベーターでありたいし、「よくあること」と言われるよりも嬉しい。
何よりも善

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人間攻略マニュアル

人間攻略マニュアル

「起きたトラブルに正対する」という心持ちの有無で決まる。何がだろう。たぶんあしたへのクオリティみたいなものが。

生きていると最悪としか思えない出来事が続く。

消えたいし死にたいし亡命したくなる。

だけど「起きたことにはすべて意味がある」という説がある。古めの仏教思想だ。

僕は仏教徒というわけではないが、仏教の教えのもとに書いた歌が多い。
思うにRADWIMPSも中島みゆきも

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キレられたとき

キレられたことのないひとはいない。

人間は誰かを怒らせながら生きていく生き物だ。

でもキツイ。

やはりキレをくらうと、ダメージがある。このダメージをなんとか軽減できないだろうかと思った。

心理学に「課題の分離」という考え方がある。

「他者が自分をどう思うのか」
「他者が自分にどういう評価を下すのか」

このふたつはとにかく気になってしまう。人間だからしかたない。
他者に尊重されたら嬉しい

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ボーカルの彼女が口出ししたバンドの話

ボーカルの彼女が口出ししたバンドの話

孔子の言葉に「その地位にいるのでなければ、その政務に口出ししてはならない」というものがある。

簡単に言うと「素人がプロに口出しすんなよ」という意味だと思う。
まぁ分かる。これはけっこう口を出されたら嫌だし、出さないようにしている。

ボーカルの彼女がスタッフをしているバンドがある。
これ自体は問題ないのだが、政務に口を出し始めるとキツくなる。

ボーカルの彼女が「もっとドラムの手数増やしなさいよ

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『成人』以外に『大人』を言い表すなら

『成人』以外に『大人』を言い表すなら

大人になりたかった。子どものときから大人になりたすぎた。

自由も無い、発言権も無い、体力も無い。悔しかった。早く大人になりたかった。

地球上最強の生物、ホモサピの最終形態、マックスバトルフォーム、それが『大人』だった。

成人したって、平気でそば屋で泣いたりする。
ちくしょうが降り積もると、そば屋に逃げ込むしかない。

そば屋の店員は、僕ら客よりも大人なので泣かない。仕事中だから泣くわけにはい

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21歳で死ぬつもりだったのだが

21歳で死ぬつもりだったのだが

僕はわりと自分と仲がいい。

兄弟もいないし、友達も少なかったので、小さい頃から自分自身と向き合う時間が長かった。

よくよく考えこむ子どもだった。

そしてここんとこ「長生きしてんなぁ俺」という感想を抱く。

高校生の頃は21歳で死ぬつもりだった。

シドが死んだ歳で死んだらカッコいい!という理由だけだった。

南京錠をつけて学校に行く。
そんなイタイ高校生だった僕は、たいして聴いたこともないピ

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これまでの話からこれからの話

これまでの話からこれからの話

解散だー!と慌てていたら今度は発表だったりでせわしない。今週はとにかくお付き合いいただいてありがとう。

古いことを終わらせるのも新しいことを始めるのも、ラクではない。プレッシャーはあるし、張りみたいなものも感じる。不安もゼロじゃないし、ドキドキもある。

だけど「生きているなぁ」と感じる。

おもいきり息をしているから苦しいし、全速力だから楽しいのだ。

「とてつもないことが始まろうとしている」

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